みんな難しく考えすぎ。ラテン語を読むだけなら文法は不要

外国語を学び始めるときに、ほとんどの人が真っ先に取り組むのが「文法」
でもラテン語の場合は読むだけなら文法を学ばなくても十分

その理由を説明する

一般的にラテン語は難しいと言われる理由

よくネットでは「ラテン語は難しい」と書かれている。
「難しい」と言わている理由をまとめると以下のようになる。



動詞の活用が100個以上ある

英語で最も変化の多い動詞は「This is a pen.」で使われている「is」

「is」はbe動詞の仲間に入る。
be動詞は以下の8種類。

be, am, are, is, was, were, been, being

一方、ラテン語は英語に相当するbe動詞だけでも67種類もある。
ざっと並べると以下のような感じ

sum, eram, erō, fui, fueram, fuerō
es, erās, eris, fuisti, fuerās, fueris
est, erat, erit, fuit, fuerat, fuerit
sumus, erāmus, erimus, fuimus, fuerāmus, fuerimus
estis, erātis, eritis, fuistis, fuerātis, fueritis
sunt, erant, erunt, fuērunt, fuerant, fuerint
sim, essem, fuerim, fuissem
sis, essēs, fueris, fuissēs
sit, esset, fuerit, fuisset
simus, essēmus, fuerimus, fuissēmus
sitis, essētis, fueritis, fuissētis
sint, essent, fuerint, fuissent
es, este
estō, estōte
estō, suntō
esse
fuisse
futūrus esse
futūrus

しかも、これですら少ないほうで、一般の動詞なら100個以上に活用する。
以下のニコニコ動画が参考になると思う

ラテン語の動詞がどれだけ活用するのか検証してみた

名詞や形容詞も活用がたくさんある

英語の場合は名詞や形容詞はほとんど活用しない

名詞なら複数形の時に「s」が付く
形容詞なら比較級、最大級の時に「er」「est」が付く程度。

だけどラテン語の場合は名詞だけでも単数形、複数形で10個の活用がある。
しかも単語によって6パターンの活用があるので、合計で60個

形容詞は単数形、複数形で10個、男性・女性・中性の3パターンがあるので合計で10×3=30パターンの活用がある。

文法はあくまでも読むのを楽にする手段にすぎない

先ほど説明した理由から「ラテン語は難しい言語です」と言われている。

ラテン語の文法を細かく説明されると誰でも難しく感じるよね。
でも文法はそもそもラテン語を構成する上でのルールにすぎない

ルールそのものを極めようとするとすごく難しくなってしまう。
大学教授レベルになってしまう。

日本語だって同じ。
アナタは日本人だけど日本語の文法を詳しく説明できますか?

それはラテン語も同じ。

だけど、文法はあくまでも読むための手段にすぎない。
ぶっちゃけ言うと、文法を知らなくても読める。

ラテン語の活用とかに目をつぶれば、ラテン語は簡単に思えるよね?



ラテン語を読むだけなら文法を覚えなくてもいい

ラテン語の文法は複雑。
でもそれはあくまでもラテン語で書いたり話したりする場合。

ラテン語は今はすでに死語になっている。
ネイティブはほとんどいない。

なので書いたり話したりする機会はほとんどない。

聞く機会があるとすればキリスト関連のイベント位かな?

なのでラテン語は読むための言語、という認識でいい。

読むだけなら文法はそんなに覚えなくていい
というか文法を真面目にやっていたらラテン語で文献を読む前に挫折する。

文法とかは難しく考えず、まずはラテン語原文を読もう!

少なくとも単語の意味が分かれば読めるから。

ラテン語は活用しまくるけど、google検索すれば引っかかるから安心。
きちんとラテン語の活用にも対応して検索されるインターネットって偉大だと思う。

ラテン語の辞書も不要です。

ラテン語は単語の意味さえ分かれば読めます

ラテン語は英語の先祖の言語
なので学校で英語を学んだ経験があればラテン語は単語の意味さえ分かれば簡単に読める。

ラテン語の例文を以下に示す。

Gallia est omnis divisa in partes tres

ラテン語単語それぞれの意味は以下のようになる。

Gallia = ガリア
est   = ~です
omnis  = 全部
divisa = 分ける
in   = 英語の「in」
partes = 部分
tres  = 3個

これらの単語の意味をラテン語にそのまま当てはめると、以下のようになる。

ガリア ~です 全部で 分ける in 部分 3個
Gallia  est  omnis  divisa  in partes tres

意味をまとめると
「ガリアは全部で3個の部分に分かれている。」

ね?
これならラテン語の文法を知らなくても英語の知識を活かせば大体の意味がつかめるでしょ?

ラテン語は難しいと言う前に単語1000語を覚えましょうね

ラテン語は難しいと言われているけど、それは何を基準にして言っているのかな?

私はラテン語の文法なんてあまり頭に入っていない。

だけどラテン語単語の意味をコツコツと覚えている。
そのおかげで文法の知識なしでもラテン語文章の意味がなんとなく理解できる。

その時点でankiアプリに入れているラテン語単語カードは900個程度
私のラテン語語彙力は1000語程度になる。

外国語の単語ってどうやって覚えればいいの?

「ラテン語は日本人にとってははるかに難しい言語」と言っている人は、ラテン語単語を1000語以上覚えたんですか?

ラテン語の単語をロクに覚えずに「ラテン語は難しい。だから読めない」と言っても全然説得力はない。

みんなはラテン語の文法を難しく考えすぎてラテン語の文章を読もうとしない。

だから一度、「語学=文法」という先入観を捨てませんか?

文法が全然分からくても単語の意味を調べて覚える努力さえすればラテン語でも読めるようになる。

「ラテン語は難しい」と思う前に単語を一語でも多く覚える努力をしてみてはいかがでしょうか?