今までは、時制が現在形の例文を紹介してきた。
では、過去形にするとどうなるのか?
前回の続き
まずは現在形の例文から復習
例文
現在形の例文を以下に示す。
Rydw i’n rhedeg
ラドゥ イン フレデグ
私は走ります
Rydw(ラドゥ)=~です
i’n(イン)=i+yn
i(イ)=私
yn(アン)=後ろの動詞をつなげる
rhedeg(フレデグ)=走る(動詞)
動詞「Rydw(ラドゥ)」に注目!
Rydw(ラドゥ)は「~です」を意味する動詞
その元の形が「Bod(ボード)」
「Bod」を時制と人称に合わせて形を変えた結果が「Rydw」
時制→「現在形」
人称→「私」
「BOD構文」の定義
「~です」を意味する「Bod」動詞を使った構文を
「BOD構文」
と呼ぶ。
ウェールズ語文法上では、最重要の用語なので、
是非とも覚えて♡
注意点
最後の「rhedeg(フレデグ)」は「走る」を意味する動詞なのだが・・・
動詞「Rydw(ラドゥ)」を使う構文、
つまり「BOD構文」の場合は
「rhedeg」の形は一切変化しない!
つまり、過去形にしても「rhedeg」のままになる。
「BOD構文」を過去で表すと?
「状態を表す過去」になる
「BOD構文」の時制を「過去形」にした場合、
「状態を表す過去」を表現できる。
無理やり日本語で書くと「私は~していた状態だった」
英語だと、「過去進行形」みたいな感じ。
「過去の出来事」ではない!
もう一つの「過去形」として「単純過去」という文法用語がある。
語学マニアなら「単純過去」という用語を聞いたことがあるかもしれない。
「単純過去」=「過去の出来事」
日本語で書くと「私は~したぞ!」
これをウェールズ語で表す場合、
「BOD構文」は使えない事に注意!
別の構文を使う必要がある。
これは、また後で説明する。
「状態を表す過去」の例文
繰り返しになるが、「状態を表す過去」を表現する場合、
「BOD構文」を使う。
Roeddwn i’n rhedeg
ロエズゥ ニン フレデグ
私は走っているところでした
「Rydw(ラドゥ)」の部分の時制が「現在形」→「過去形」に変わっただけ。
Rydw → Roeddwn(ロエズゥン)
現在形 → 過去形
時制→「過去形」
人称→「私」
「Rydw(ラドゥ)」の部分の時制をちょこっといじるだけで
「状態を表す過去」になる。
もっと短く言う方法
Roeddwn(ロエズゥン)の短縮形
なんか「Roeddwn(ロエズゥン)」の単語って長くね?
英語だと「I was」の「was」
たったの3文字で済んでいる。
それに比べて、ウェールズ語の「Roeddwn」は7文字もある・・・
「Roeddwn」は頻繁に出てくるので、
当然、短縮形もある。
それが
Ro’n(ロン)
「Roeddwn」の3文字目~6文字目「~eddw~」の部分が省略されている。
省略した箇所を「’」で示している。
短縮形を使った例文
「Roeddwn(ロエズゥン)」→「Ro’n(ロン)」
にした時の例文を以下に示す。
Ro’n i’n rhedeg
ロ ニン フレデグ
私は走っているところでした
更に省略することも可能
「Ro’n(ロン)」は厳密には
「R」+「o’n」
に分解できる。
「R」=肯定文である事を示す
「o’n」=「oeddwn」の短縮形
「この文は肯定文ですよ~」といちいち明示しなくても分かる場合、
肯定を示す「R」が省略されることもある。
つまり
Roeddwn(ロエズゥン)
→Ro’n(ロン)
→O’n(オン)
まで略することができる。
更に略した例文
O’n i’n rhedeg
オ ニン フレデグ
私は走っているところでした
英語だと「was」だけなのに、
ウェールズ語だと色々な書き方があるんですねぇ~
だから、
ウェールズ語は表現豊かな言語だ!
とアピールしたい訳ではない。
英語も、英語なりに「was」以外の単語や語順で
微妙なニュアンスを表現しているんじゃないかな?
(適当)
まとめ
箇条書きすると?
・「~です」を意味する動詞を使った構文を「Bod構文」と呼ぶ
・「Bod構文」の時制が過去になると「状態を表す過去」になる
・「過去の出来事」=「単純過去」を表す場合、「Bod構文」とは別の構文を使う
・「Rydw(ラドゥ)」の時制を過去にすると「Roeddwn(ロエズゥン)」
・「Roeddwn(ロエズゥン)」の短縮形は以下の2つがある
Ro’n(ロン)
O’n(オン)
・先頭の「R」は,肯定文である事を示す
いやー、覚えることが多すぎてキツイっすね~
とりあえず「Rydw(ラドゥ)」の過去形は「Roeddwn(ロエズゥン)」になる!
だけ覚えとけばいいんじゃないかな?
(適当)
過去形の次は未来形でしょ?
学校で英語を習った人なら、
「過去形の次は未来形やろ?」
と予想する兄貴が多いかもしれない。
ウェールズ語にも、時制として「未来形」が用意されている。
・・・のだが、その「未来形」の表し方がちょっと厄介。
「未来形」については、次の記事で紹介しますね。
ウェールズ語講座その12へ続く