前回は過去形を紹介した。
今回は未来形を紹介する。
前回の続き
「BOD構文」を未来形にするとどうなる?
予定を表す未来になる
「BOD構文」を未来形にすると予定を表す未来、
つまり「単純未来」になる
日本語で言うと
「~する予定です」「~するつもりです」
のような感じ。
「意思未来」ではない!
「~するぞ!」の未来を表す表現もある
それが「意思未来」
「意思未来」を表すためには、
「BOD構文」とは別の構文を使う必要がある。
その構文についてはずっと先の記事で紹介する。
例文
Fe fydda i’n rhedeg
ヴェ ヴァザ イン フレデグ
私は走るつもりです
参考までに,現在形の例文を以下に示す。
Rydw i’n rhedeg
ラドゥ イン フレデグ
私は走ります
現在形の「Rydw」の部分が、
未来形になると「Fe fydda」に変わる。
この部分がややこしい・・・
Fe(ヴェ)=肯定文であることを示すマーク
語頭の「Fe(ヴェ)」の単語自体に意味は持たない。
「この文は肯定文だよ~」と合図しているだけ。
未来形だから「Fe(ヴェ)」を使うのでは無い!
過去形でも「Fe(ヴェ)」を使う構文があるよ。
fydda(ヴァザ)=(私は)~だろう
簡単に言うと、
「私は~です」を意味する「Rydw(ラドゥ)」の未来形
時制→「未来形」
人称→「私」
i’n rhedeg(イン フレデグ)=走る事の中に居る
i’n(イン)=i+yn
i(イ)=私
yn(アン)=後ろの動詞をつなげる
rhedeg(フレデグ)=走る(動詞)
詳細は「その6」を参考にして、どうぞ。
Fe(ヴェ)を使わない未来形の文
別の例文
Bydda i’n rhedeg
バザ イン フレデグ
私は走るつもりです
語頭の「Fe(ヴェ)」を省くと、
fydda(ヴァザ)→bydda(バザ)
に変わることに注意!
「fydda」=「bydda」
「fydda(ヴァザ)」が「bydda(バザ)」に変わっても、意味は同じ。
つまり「bydda(バザ)」でも「(私は)~だろう」の意味になる。
「この文は肯定文だよ~」という合図が無くなっただけ。
その代わりに
fydda(ヴァザ)→bydda(バザ)
にすることで、肯定文であることを示している。
「Fe(ヴェ)」を省くと文語っぽくなる
「Fe(ヴェ)」付きの文は口語でよく使われる。
その「Fe(ヴェ)」を省くと、文語っぽくなるらしい。
「Mi(ミ)」を使うこともある
また別の例文
「Fe(ヴェ)」の代わりに「Mi(ミ)」を使った
未来形の文を以下に示す。
Mi fydda i’n rhedeg
ミ ヴァザ イン フレデグ
私は走るつもりです
「Fe(ヴェ)」と「Mi(ミ)」の違い
意味はどちらも同じ。
「Fe(ヴェ)」はウェールズ南部の方言
「Mi(ミ)」はウェールズ北部の方言
ウェールズ語には「標準語」が無い!
ウェールズ語は日本語みたいに「標準語」と言うモノが用意されていない。
なので、語学書によって北部、南部の方言が統一されていない。
だけど、南部の方言を採用している語学書が多い。
なので、本記事では最初に南部の方言「Fe(ヴェ)」を最初に紹介した。
まとめ
3行でまとめると以下
・「BOD構文」の未来形は「~する予定です」を表す
・語頭に「Fe(ヴェ)」がくっつくことがある
・「Fe(ヴェ)」は南部方言
ウェールズ語講座その13へ続く