まずは、ウェールズ語における「あいさつ」を文法的に解説する。
英語とは逆の語順になるゾ~
前回の続き
ウェールズ語の語順
ウェールズ語と英語の共通点
ウェールズ語と英語を「比較言語学」の立場から言うと
「ちょっと違うけど、まぁ似ている言語でええわ」
と結論づけている。
ウェールズ語と英語で似ている点を簡単に言うと・・・
・一部の単語の発音(例:camera)
・表現の考え方(例:「おはよう」は「良い朝」と表現する)
・人称、時制、完了形、命令形みたいなルールがある
・男性、女性専用の名詞がある(例:price,princess)
ウェールズ語は簡単な言語ではありません!
ここまで読んだ兄貴は
「なんだ、ウェールズ語って英語と似ているから楽勝じゃん!」
と思うだろう。
まずいですよ!
これ、語学書の入門書にありがちなパターン。
最初に
「〇〇語は簡単ですよ~」
「〇〇語が分かると△△ができて面白いぞ!」
と必死にアピールしまくる。
レッスン1,2課あたりは難しい文法用語を使わずに簡単な説明だけで済ませる。
そして学習者の兄貴へ
「なんだ、〇〇語って楽勝じゃんwww」
と思わせる。
しかし、3課以降から説明内容が徐々に難しくなっていく。
4,5課あたりから急に説明が難しくなる語学書ってありますよね?
大学書林「せやな」
試しに最後の20課(ニューエクスプレスの場合)のページをちらっと見ると、
解説が、なんだか難解用語だらけ・・・
以上が語学書の入門書にありがちなパターン。
ウェールズ語の語学書もこんな感じだゾ~
という訳で、ウェールズ語は少なくとも「簡単な言語」ではない!
ウェールズ語は「普通」の言語です!
ウェールズ語がいかに難しいかをアピールしたい訳じゃない。
ウェールズ語は「普通」の言語です!
英語と同様に努力すれば身に付く言語なので安心してほしい。
まぁ、英語と大きく異なる文法がたくさんあって嫌になるんですけどね。
初見さん。
ウェールズ語と英語で大きく異なるのが語順
英語とウェールズ語で異なる文法はたくさんある。
その中で大きく異なるのが「語順」だと思う。
語彙?なにそれ?おいしいの?
例えば、英語の「I love you」がありますね?
これをウェールズ語で書くと
Rydw i’n dy garu di
ラドゥ イン ダ ガリ ディ
私はあなたを愛している。
・・・ハイ、意味不明ですね。
上記のウェールズ語をそのまま英単語で並べると以下になる
Am I your love you
英語の「I love you」とは全然違う語順になる。
これがウェールズ語の正式な語順なんですYO!
兄貴「なんでloveの前後にyouを2つ入れるんだ???」
あいさつで学ぶ名詞と形容詞の並べ方
Bore da(ボレ ダ)=おはよう
ここから本題に入る。
朝のあいさつ「おはよう」をウェールズ語で書くと以下になる。
Bore da
ボレ ダ
良い朝 (=おはよう)
ウェールズ語の発音は、まだ説明していませんでしたね。
なので、この時点ではカタカナ読みを参考に読んで♡
英語の「Good morning」とは逆の語順になる
先ほど紹介した
Bore da(ボレ ダ)
を、そのまま英単語に置き換えると
Morning good
英語の「Good morning」とは逆の語順になる。
英語は「形容詞→名詞」の順番に並べる
ここで、一度品詞を整理する。
・good=良い(形容詞)
・morning=朝(名詞)
英語の「Good morning」は
形容詞→名詞
の語順になっている。
逆に、英語で「名詞→形容詞」の順に並べる文法もあるのだが・・・
名詞の後ろから形容詞が修飾する場合 – 一般社団法人EIGC
ウェールズ語学習者「まさか英語がウェールズ語と同じ語順になるとは・・・」
ウェールズ語は「名詞→形容詞」の順に並ぶ
Bore da
ボレ ダ
良い朝 (=おはよう)
これを分析すると
・bore=朝(名詞)
・da=良い(形容詞)
つまり「Bore da」は「名詞→形容詞」の語順
(英語の「形容詞→名詞」とは逆になる!)
ウェールズ語でも英語と同じ語順になるケースがある
当然、ウェールズ語には例外的な文法もある。
その1つが、形容詞「hen(ヘン)」
英語だと「old(古い)」の意味になる。
ウェールズ語「hen(ヘン)」の形容詞を使う場合だけは「例外的」に
名詞の「後ろ」ではなく「前」に置く。
ウェールズの国家で学ぶ「形容詞→名詞」の語順
ウェールズにも「国歌」がある。
そのタイトルが「我が父祖の土地」
これをウェールズ語で書くと以下になる
Hen Wlad Fy Nhadau
ヘン ウラド ヴァ ヌハダイ
【直訳】私の父たちの古い国
品詞的に見ると・・・
・Hen(ヘン)=古い(形容詞)
・Wlad(ウラド)=国(名詞)
ウェールズ語は「名詞→形容詞」の順番に並べるのが基本!
だけど、形容詞「hen(ヘン)」がある!
なので「形容詞→名詞」の順番に並べないといけない!
(つまり、英語と同じ語順になる。)
×:Wlad Hen (名詞→形容詞)
〇:Hen Wlad (形容詞→名詞)
なんだかややこしいなぁ・・・・
まぁ、そこら辺のマニアックな文法がある点はウェールズ語も英語も同じですなwww
言語に「例外」があって当たり前ですぞwww
まとめ
ウェールズ語の概要
・ウェールズ語と英語で共通する文法が多い
・だからウェールズ語は簡単な言語ではない
・かといって、特に難しい言語でもなく「普通」の言語
・英語と大きく異なるのが「語順」
名詞、形容詞の語順が英語と逆になる!
・ウェールズ語:名詞→形容詞
・英語:形容詞→名詞
★ウェールズ語
Bore da
ボレ ダ
良い朝 (=おはよう)
【英語風に書くと?】Morning good
★英語
Good morning
こんな風に、ウェールズ語と英語で語順が異なる文法はたくさんある。
(と言うか、英語と同じ語順になるケースはほとんど無い!)
ウェールズ語と英語は比較言語学的には「まぁ似てる言語」なんだけど
ずいぶん違う言語なんだな~
と思ってもらえれば幸いである。
ウェールズ語学習者の私は語順に苦しんでいる
ウェールズ語学習を始めて7か月経った私でも、
いまだにウェールズ語の語順が気持ち悪く感じる。
特に受動態(~される)の語順が意味不明すぎる・・・
「私は愛される」のウェールズ語語順を英単語で並べると
Am I get my love
野獣先輩「これもうわかんねぇな」.
ウェールズ語講座その3へ続く