ウェールズ語講座その2~名詞と形容詞の並べ方

まずは、ウェールズ語における「あいさつ」を文法的に解説する。

英語とは逆の語順になるゾ~




前回の続き

ウェールズ語講座その1~ウェールズ語の全体像

ウェールズ語の語順

ウェールズ語と英語の共通点

ウェールズ語と英語を「比較言語学」の立場から言うと

「ちょっと違うけど、まぁ似ている言語でええわ」

と結論づけている。

 

ウェールズ語と英語で似ている点を簡単に言うと・・・


・一部の単語の発音(例:camera)

・表現の考え方(例:「おはよう」は「良い朝」と表現する)

・人称、時制、完了形、命令形みたいなルールがある

・男性、女性専用の名詞がある(例:price,princess)


ウェールズ語は簡単な言語ではありません!

ここまで読んだ兄貴は

「なんだ、ウェールズ語って英語と似ているから楽勝じゃん!」

と思うだろう。

 

まずいですよ!

これ、語学書の入門書にありがちなパターン。

 

最初に

「〇〇語は簡単ですよ~」
「〇〇語が分かると△△ができて面白いぞ!」

と必死にアピールしまくる。

レッスン1,2課あたりは難しい文法用語を使わずに簡単な説明だけで済ませる。

そして学習者の兄貴へ

「なんだ、〇〇語って楽勝じゃんwww」

と思わせる。

 

しかし、3課以降から説明内容が徐々に難しくなっていく。

4,5課あたりから急に説明が難しくなる語学書ってありますよね?
大学書林「せやな」

試しに最後の20課(ニューエクスプレスの場合)のページをちらっと見ると、
解説が、なんだか難解用語だらけ・・・

 

以上が語学書の入門書にありがちなパターン。

 

ウェールズ語の語学書もこんな感じだゾ~

ウエールズ語の基本 永田 喜文, 小池 剛史

という訳で、ウェールズ語は少なくとも「簡単な言語」ではない!

ウェールズ語は「普通」の言語です!

ウェールズ語がいかに難しいかをアピールしたい訳じゃない。

ウェールズ語は「普通」の言語です!
英語と同様に努力すれば身に付く言語なので安心してほしい。

まぁ、英語と大きく異なる文法がたくさんあって嫌になるんですけどね。
初見さん。




ウェールズ語と英語で大きく異なるのが語順

英語とウェールズ語で異なる文法はたくさんある。

その中で大きく異なるのが「語順」だと思う。

語彙?なにそれ?おいしいの?

 

例えば、英語の「I love you」がありますね?
これをウェールズ語で書くと


Rydw i’n dy garu di
ラドゥ イン ダ ガリ ディ
私はあなたを愛している。


 

・・・ハイ、意味不明ですね。

上記のウェールズ語をそのまま英単語で並べると以下になる

Am I your love you

英語の「I love you」とは全然違う語順になる。
これがウェールズ語の正式な語順なんですYO!

 

兄貴「なんでloveの前後にyouを2つ入れるんだ???」

あいさつで学ぶ名詞と形容詞の並べ方

Bore da(ボレ ダ)=おはよう

ここから本題に入る。

朝のあいさつ「おはよう」をウェールズ語で書くと以下になる。


Bore da
ボレ ダ
良い朝 (=おはよう)


 

ウェールズ語の発音は、まだ説明していませんでしたね。
なので、この時点ではカタカナ読みを参考に読んで♡

英語の「Good morning」とは逆の語順になる

先ほど紹介した

Bore da(ボレ ダ)

を、そのまま英単語に置き換えると

Morning good

英語の「Good morning」とは逆の語順になる。

英語は「形容詞→名詞」の順番に並べる

ここで、一度品詞を整理する。


・good=良い(形容詞)
・morning=朝(名詞)


 

英語の「Good morning」

形容詞→名詞

の語順になっている。

 

逆に、英語で「名詞→形容詞」の順に並べる文法もあるのだが・・・

名詞の後ろから形容詞が修飾する場合 – 一般社団法人EIGC

ウェールズ語学習者「まさか英語がウェールズ語と同じ語順になるとは・・・」

ウェールズ語は「名詞→形容詞」の順に並ぶ


Bore da
ボレ ダ
良い朝 (=おはよう)


これを分析すると


・bore=朝(名詞)
・da=良い(形容詞)


 

つまり「Bore da」「名詞→形容詞」の語順
(英語の「形容詞→名詞」とは逆になる!)

ウェールズ語でも英語と同じ語順になるケースがある

当然、ウェールズ語には例外的な文法もある。

その1つが、形容詞「hen(ヘン)」
英語だと「old(古い)」の意味になる。

 

ウェールズ語「hen(ヘン)」の形容詞を使う場合だけは「例外的」
名詞の「後ろ」ではなく「前」に置く。

ウェールズの国家で学ぶ「形容詞→名詞」の語順

ウェールズにも「国歌」がある。
そのタイトルが「我が父祖の土地」

我が父祖の土地 – Wikipedia

これをウェールズ語で書くと以下になる


Hen Wlad Fy Nhadau
ヘン ウラド ヴァ ヌハダイ
【直訳】私の父たちの古い国


 

品詞的に見ると・・・


・Hen(ヘン)=古い(形容詞)

・Wlad(ウラド)=国(名詞)


 

ウェールズ語は「名詞→形容詞」の順番に並べるのが基本!

だけど、形容詞「hen(ヘン)」がある!

なので「形容詞→名詞」の順番に並べないといけない!
(つまり、英語と同じ語順になる。)


×:Wlad Hen (名詞→形容詞)
〇:Hen Wlad (形容詞→名詞)


 

なんだかややこしいなぁ・・・・

まぁ、そこら辺のマニアックな文法がある点はウェールズ語も英語も同じですなwww
言語に「例外」があって当たり前ですぞwww

まとめ

ウェールズ語の概要

・ウェールズ語と英語で共通する文法が多い

・だからウェールズ語は簡単な言語ではない

・かといって、特に難しい言語でもなく「普通」の言語

・英語と大きく異なるのが「語順」

名詞、形容詞の語順が英語と逆になる!

・ウェールズ語:名詞→形容詞
・英語:形容詞→名詞


★ウェールズ語
Bore da
ボレ ダ
良い朝 (=おはよう)
【英語風に書くと?】Morning good

★英語
Good morning


 

こんな風に、ウェールズ語と英語で語順が異なる文法はたくさんある。
(と言うか、英語と同じ語順になるケースはほとんど無い!)

ウェールズ語と英語は比較言語学的には「まぁ似てる言語」なんだけど
ずいぶん違う言語なんだな~

と思ってもらえれば幸いである。

ウェールズ語学習者の私は語順に苦しんでいる

ウェールズ語学習を始めて7か月経った私でも、
いまだにウェールズ語の語順が気持ち悪く感じる。

 

特に受動態(~される)の語順が意味不明すぎる・・・

「私は愛される」のウェールズ語語順を英単語で並べると

Am I get my love

野獣先輩「これもうわかんねぇな」.

ウェールズ語講座その3へ続く

ウェールズ語講座その3~英語の知識では分からないウェールズ語の発音