ウェールズ語講座その23~女性名詞の場合の冠詞の使い方

前回は男性名詞の場合の冠詞の使い方を紹介した。

本記事では、女性名詞の場合の冠詞の使い方を説明する。




前回の続き

ウェールズ語講座その22~冠詞の使い方

そもそも「男性名詞」「女性名詞」って何?

名詞のグループ分けにすぎない

言語に興味のある人なら「男性名詞」「女性名詞」の言葉くらいは聞いたことがあると思うが・・・

「男性名詞」「女性名詞」っていうのは、要するに名詞のグループ分けにすぎない

名詞そのものに「男」とか「女」の意味が含まれているわけじゃないよ!

日本語にも名詞のグループ分けがある!

例えば、ボールペン「一本」「二本」「三本」・・・
と数える

つまり、ボールペンは「~本」で数える名詞。

 

一方、漫画の本は「一冊」「二冊」「三冊」・・・
と数える

つまり、漫画の本は「~冊」で数える名詞。

 

以上より、「ボールペン」「漫画」では
(モノを数える国語文法に注目すれば)別々の名詞グループと見なせる。

名詞グループが変わると、くっつく単語も変わるよ!
っていう説明でした。

そもそも「男性名詞」「女性名詞」が分かりにくい!

「男性名詞」「女性名詞」は、あくまでも文法用語。

 

別に「第一名詞グループ」「第二名詞グループ」という名前でもいい。

「青グループ」「赤グループ」という名前でも構わない。

とりあえず、ウェールズ語の名詞を2つのグループに分けれれば
どんなグループ名でも良い。

 

「男性名詞」「女性名詞」だと誤解されそうなので、
本記事だけは「青グループ」「赤グループ」に置き換えて説明する。

(他の記事では「男性名詞」「女性名詞」の用語を使います)

冠詞の使い方の復習

前回は「青グループ」で説明した

「男の子」をウェールズ語で「bachgen(バハゲン)」と言う。

そして「bachgen(バハゲン)」という単語は
「青グループ」の名詞グループに属する。

「青グループ」「不定」「定」を書き表すと以下になる。

「青グループ」「不定」の場合

特定されない名詞を「不定(ふてい)」と呼ぶ。


bachgen
バハゲン
(どうでもいい)男の子


「不定」の場合は、名詞に何もつけない。

つまり、名詞をポーンと置くだけで「不定」を表せる。

「青グループ」「定」の場合

特定されている名詞を「定(てい)」と呼ぶ。


y bachgen
ア バハゲン
(世界に一人しかいない)その男の子


「定」の場合、名詞の前に「y(ア)」を付ける

他にも「yr(アル)」「’r(ル)」を付けるケースもあるよ!
って前回の記事で説明しました。

忘れた兄貴は復習して♡




女性名詞の場合の冠詞の付け方

女性名詞=「赤グループ」で考える

「女性名詞」と言う用語だと誤解されそうなので、
本記事だけは「赤グループ」の言葉に置き換えて説明する。

 

「赤グループ」の名詞の例として・・・
「橋」を意味する「pont(ポント)」と言う単語がある。

これを「不定」「定」を書き表すと以下になる。

「赤グループ」「不定」の場合


pont
ポント
(どうでもいい)橋


「赤グループ」の場合でも、「不定」の場合は何もつけない。

「青グループ」の名詞の場合と全く同じ文法になってるね。

「赤グループ」「定」の場合


y bont
ア ボント
(世界に一つしかない)その橋


名詞の前に「y(ア)」を付ける点では「青グループ」と同じ。

 

ただし「赤グループ」の場合は追加で・・・

名詞の先頭の子音が変わる場合がある!
(絶対に子音が変わるわけではないのだが)

 

元々の「赤グループ」名詞の形は「pont(ポント)」

だけど、冠詞「y(ア)」が前に付くとbont(ボント)」に変わる。

 

先頭の子音が

p→b

のように変わっている。

このような音変化を「軟音化(なんおんか)」と呼ぶ。

 

「赤グループ」の場合の音変化について説明すると長くなるので
次の記事で説明しようか。

まとめ

3行でまとめると以下


・ウェールズ語には名詞のグループが2つに分かれている

「青グループ」「定」の場合、冠詞を付けるだけでOKだった

「赤グループ」「定」の場合、音変化が起こる場合がある


ウェールズ語講座その24へ続く

ウェールズ語講座その24~女性名詞で学ぶ軟音化