前回は男性名詞の場合の冠詞の使い方を紹介した。
本記事では、女性名詞の場合の冠詞の使い方を説明する。
前回の続き
そもそも「男性名詞」「女性名詞」って何?
名詞のグループ分けにすぎない
言語に興味のある人なら「男性名詞」「女性名詞」の言葉くらいは聞いたことがあると思うが・・・
「男性名詞」「女性名詞」っていうのは、要するに名詞のグループ分けにすぎない
名詞そのものに「男」とか「女」の意味が含まれているわけじゃないよ!
日本語にも名詞のグループ分けがある!
例えば、ボールペンは「一本」「二本」「三本」・・・
と数える
つまり、ボールペンは「~本」で数える名詞。
一方、漫画の本は「一冊」「二冊」「三冊」・・・
と数える
つまり、漫画の本は「~冊」で数える名詞。
以上より、「ボールペン」と「漫画」では
(モノを数える国語文法に注目すれば)別々の名詞グループと見なせる。
名詞グループが変わると、くっつく単語も変わるよ!
っていう説明でした。
そもそも「男性名詞」「女性名詞」が分かりにくい!
「男性名詞」「女性名詞」は、あくまでも文法用語。
別に「第一名詞グループ」「第二名詞グループ」という名前でもいい。
「青グループ」「赤グループ」という名前でも構わない。
とりあえず、ウェールズ語の名詞を2つのグループに分けれれば
どんなグループ名でも良い。
「男性名詞」「女性名詞」だと誤解されそうなので、
本記事だけは「青グループ」「赤グループ」に置き換えて説明する。
(他の記事では「男性名詞」「女性名詞」の用語を使います)
冠詞の使い方の復習
前回は「青グループ」で説明した
「男の子」をウェールズ語で「bachgen(バハゲン)」と言う。
そして「bachgen(バハゲン)」という単語は
「青グループ」の名詞グループに属する。
「青グループ」の「不定」と「定」を書き表すと以下になる。
「青グループ」「不定」の場合
特定されない名詞を「不定(ふてい)」と呼ぶ。
bachgen
バハゲン
(どうでもいい)男の子
「不定」の場合は、名詞に何もつけない。
つまり、名詞をポーンと置くだけで「不定」を表せる。
「青グループ」「定」の場合
特定されている名詞を「定(てい)」と呼ぶ。
y bachgen
ア バハゲン
(世界に一人しかいない)その男の子
「定」の場合、名詞の前に「y(ア)」を付ける
他にも「yr(アル)」や「’r(ル)」を付けるケースもあるよ!
って前回の記事で説明しました。
忘れた兄貴は復習して♡
女性名詞の場合の冠詞の付け方
女性名詞=「赤グループ」で考える
「女性名詞」と言う用語だと誤解されそうなので、
本記事だけは「赤グループ」の言葉に置き換えて説明する。
「赤グループ」の名詞の例として・・・
「橋」を意味する「pont(ポント)」と言う単語がある。
これを「不定」と「定」を書き表すと以下になる。
「赤グループ」「不定」の場合
pont
ポント
(どうでもいい)橋
「赤グループ」の場合でも、「不定」の場合は何もつけない。
「青グループ」の名詞の場合と全く同じ文法になってるね。
「赤グループ」「定」の場合
y bont
ア ボント
(世界に一つしかない)その橋
名詞の前に「y(ア)」を付ける点では「青グループ」と同じ。
ただし「赤グループ」の場合は追加で・・・
名詞の先頭の子音が変わる場合がある!
(絶対に子音が変わるわけではないのだが)
元々の「赤グループ」名詞の形は「pont(ポント)」
だけど、冠詞「y(ア)」が前に付くと「bont(ボント)」に変わる。
先頭の子音が
p→b
のように変わっている。
このような音変化を「軟音化(なんおんか)」と呼ぶ。
「赤グループ」の場合の音変化について説明すると長くなるので
次の記事で説明しようか。
まとめ
3行でまとめると以下
・ウェールズ語には名詞のグループが2つに分かれている
・「青グループ」「定」の場合、冠詞を付けるだけでOKだった
・「赤グループ」「定」の場合、音変化が起こる場合がある
ウェールズ語講座その24へ続く