フィンランド語の「母音調和」は難しそうな文法に見えるけどシンプルだよ~ん

フィンランド語には母音調和(ぼいんちょうわ)という恐ろしそうな名前の文法がある。

だけど、考え方はシンプル!小学生でも分かるよ!

って言う話。




前回の記事

ノルウェー語の視点でフィンランド語の母音発音を復習してみた

フィンランド語には母音グループがある

母音は3つのどれかのグループに属する

細かい内容は前回の記事に譲ることにして・・・・

 

フィンランド語の「母音」グループごとに分けると以下になる。
※「子音」はグループ分けしません。念のため

 

なお、母音 å (=o) はフィンランド語ではめったに出てこないので上記グループからは除外した。

仲が悪いグループがある

フィンランド語にとって、相性が悪い母音の組み合わせがある。

 

いつもケンカしているのは「グループ1」と「グループ3」
常に戦闘モードになっている。

 

それを端から見た「グループ2」高みの見物中

母音調和(ぼいんちょうわ)って何?

1つの単語に複数のグループが出てこない

正確に言うと、仲が悪い「グループ1」と「グループ3」の母音同時1つの単語内に出てくることは無い!

 

ちなみに「グループ2」は高みの見物状態なので・・・
「グループ1」と「グループ3」どっちに加わってもOK

架空の単語で説明

3つのグループから、それぞれ代表で1つの母音を取りだす


グループ1の母音・・・ä

グループ2の母音・・・i

グループ3の母音・・・a


 

上記の母音だけを使って、架空のフィンランド語単語を作ってみた

 

例えば、グループ1だけの組み合わせでää(アア)の単語はフィンランド語として成立する。

グループ1,2を組み合わせてäi(アイ)としてもOK

 

だけどグループ1,3を組み合わせてäa(アア)の単語を作ったらダメ!ゼッタイ!

 

もし äa(アア)の単語を作ったら

「ドッカーン!!」

って爆発するわけじゃないけど、フィンランド語としては不合格!

 

ドッカーン! 大迫力、アーノルド・シュワルツェネッガー映画の爆発をまとめました

 

äa(アア)の単語は「外来語」扱いになってしまう。

中の悪い母音同士を1つの単語に混ぜない

グループ1とグループ3の母音は、例えるなら「まぜるな危険」と書かれた洗剤

 

1つの単語内にグループ1の母音äとグループ3の母音aを混ぜても有毒なガスが出る訳じゃないけど・・・

 

フィンランド語は、äa(アア)みたいな単語と出会うと

「オエーーー!!!!」

って吐き出したしてしまう

 

オエー鳥のインスピレーション: 天体写真はじめるよ

 

グループ1とグループ3の緩和剤としてグループ2の母音を追加してもダメ!

 

NGなäa(アア)の単語に、グループ2の母音 i を追加して

äia(アア)

とごまかしてもダメ!

 

グループ2の母音は「ワイ、高みの見物」状態なので、ケンカの仲裁はしてくれない。あくまでも、公正な第三者。

なのでグループ1とグループ3の母音を1つの単語の中に「同時に」入れてはいけない。

 

こんな風に、仲が悪い悪い母音同士を1つの単語に「まぜるな危険」というルールが母音調和(ぼいんちょうわ)




母音調和の実例

ある単語に「彼の」の意味を追加してみる

ある単語の語尾に
nsa(ンサ) 又は nsä(ンサ)
の文字をくっつけると「彼の」の意味が追加される。

 

まぁ、「彼女の」の意味もあるけど・・・

本記事では「母音調和」の説明なので、こまけぇこたぁいいんだよ!

 

AA|こまけぇこたぁいいんだよ!!

「彼の本」を1つの単語で表してみる

英語で言う「his book」は、フィンランド語では1つの単語で表せる

 

フィンランド語だとkirja(キルヤ)で「本」になる。

kirjaで使われている母音をよ~く観察してみよう!

 

kirjaの単語内にある母音は
iaの2つですね。

 

ここでもう一度、母音グループの図で復習!

 

iグループ2に属する
つまりグループ1、3どれも混ぜてもOKな母音。

aグループ3に属する
つまり、グループ1とは「まぜるな危険」の母音

 

では、kirja(キルヤ)の語尾にくっつける文字は
nsa(ンサ) と nsä(ンサ)
のどちらが適切でしょうか?

 

nsa(ンサ)はグループ3の母音aが含まれている
nsä(ンサ)はグループ1の母音äが含まれている。

 

だから、kirja(キルヤ)の単語に適切なのは・・・
グループ3の母音が含まれているnsa(ンサ)です!

 

kirja(本)+nsa(彼の)
kirjansa(キルヤンサ)の単語を作れる。

上記1つの単語だけで「彼の本」の意味になる。

ダメな例

kirja(キルヤ)の語尾に、グループ1の母音äが含まれているnsä(ンサ)をくっつけて

kirjansä(キルヤンサ)

にしてはいけない(戒め

 

kirjaグループ3の母音が含まれる。
その単語にグループ1の母音を混ぜてしまうと有害ガスが・・・

出てこないけど、フィンランド語としては

 

ってなる。

フィンランド語は「母音調和」という名の縛りプレイをしているからね。

「彼の携帯電話」を1つの単語で表してみる

先ほどの
kirjansa(キルヤンサ)=彼の本

と同じ要領で、「彼の携帯電話」のフィンランド語単語を作ってみる。

 

携帯電話(と言うか、スマホ)は、フィンランド語で

kännykkä(カンニュッカ)  と言うらしい。

kännykkä 画像検索

 

kännykkä(カンニュッカ)は、少し古い携帯のような気もするけど・・・
こまけぇこたぁいいんだよ!

 

さて、本題!
kännykkä(カンニュッカ)の語尾にくっつける文字は
nsa(ンサ) と nsä(ンサ)
のどちらが適切でしょうか?

 

大出血サービスとして、もう一度母音グループの図を見せるね!

 

kännykkä(カンニュッカ)に含まれる母音はäyの2つ。
どちらもグループ1の母音ですね。

つまりkännykkä(カンニュッカ)の語尾にくっつけれる母音はグループ1か2のどちらか。

 

nsa(ンサ)はグループ3の母音だから

EI KIITOS!(エイ キートス)

 

NO THANK YOU !

 

正解はnsä(ンサ)でした!

 

kännykkä(携帯電話) + nsä(彼の)で
kännykkänsä(カンニュッカンサ)の単語を作れる。

上記1つの単語だけで「彼の携帯電話」の意味になる。

母音調和のまとめ

仲が悪い母音がある

しつこいけど(ry

例えば、母音yuを同時に1つの単語に含めてはいけない!
っていうルールがある。

これを母音調和(ぼいんちょうわ)と言う。

あくまでも単語内での話

複数の単語で構成される文全体に母音調和は適用されない。

 

例えば、以下の例文があったとする
Missä on museo?
ミッサ オン ムセオ?
美術館はどこですか?

 

文全体で見るとグループ1、2,3全部の母音が使われているね


グループ1・・・Missää
グループ2・・・Missäi
グループ3・・・ono


 

だけど、1つの文の中にグループ1とグループ3の母音が混ざってもOK!

「まぜるな危険」なのは1つの単語内での話。

 

ね、母音調和って簡単でしょう?

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