ヘブライ語の母音記号を覚えよう~カマツ・カタン(o)

「T」みたいな母音記号は、ほとんどは「ア」と読む。
だけど、一部は「オ」と読む。

母音記号の最後だけあって説明が複雑だけど、許して♡




前回の復習

ハタフ・カマツ(o)

ヘブライ語の母音記号を覚えよう~ハタフ・カマツ(o)

これまで覚えた母音記号

白色が、既に覚えた母音記号

 

残り1個。

新たに紹介する母音記号

カマツ・カタン(o)

前回に紹介したハタフ・カマツ(o)と名前が似ているので紛らわしい・・・

 

「カマツ・カタン」 אָ(o・オ)の名前の由来は以下。


・「T」みたいな母音記号の名前は「カマツ」
・「小さい」のヘブライ語は「カタン」


よって
「カマツ」+「カタン」=「小さいカマツ」

反対はカマツ・ガドール(a)

「ガドール」は「大きい」の意味。

よって
「カマツ」+「ガドール」=「大きいカマツ」

 

ヘブライ語でたくさん出てくる「T」みたいな母音記号(=カマツ)は、ほとんどは「ア」と読む。
אָ(a・ア)

同じ「カマツ」でも2通りの読み方がある。

אָは、「ア」「オ」2通りの読み方がある。

 

良く出てくる方の「カマツ」は「ア」と読む。
名前は「カマツ・ガドール」(=大きいカマツ)
ソシャゲに例えると「コモンキャラ」

 

それに対して、ほとんど出てこない「カマツ」は「オ」と読む。
名前は「カマツ・カタン」(=小さいカマツ)
ソシャゲに例えると「SSRレアキャラ」

 

本記事で説明するのは、ガチャであまり出てこない方の「カマツ(小)」ね!

 

ちなみに、「T(=カマツ)」の母音記号の大きさは
「カマツ・ガドール(大)」でも「カマツ・カタン(小)」どちらも同じ

「カマツ・カタン(小)」だから、小さく「T」と書く必要は無い。

母音「ア」と「オ」の見分け方

結論

100%見分ける方法は無い!

 

「オ」と読むケースは、単語ごとに覚えた方が確実。

なんとなく見分ける方法はある

「無音シェヴァ」の前に「カマツ」が来た場合、「オ」になる。

 

例として、以下がある。
חָכְמָה(KhoKhMa・フマ)=知恵

 

タテに2つ点「・」が並んだ母音記号(シェヴァ)の前が「T(カマツ)」の場合、その「カマツ」は「オ」と読む

 

厳密に言うと・・・

アクセントの無い閉音節(へいおんせつ)に「カマツ」がある場合、「オ」と発音するルールがある。
「閉音節」は、子音で終わる音節ね!

でも100%見分けれない

先ほど

「無音シェヴァ」の前に「カマツ」が来た場合、「オ」になる

と言った。

 

だけど、この見分け方には問題点がある。

「無音シェヴァ」「有音シェヴァ(e)」は、どちらも同じ母音記号
どちらも、タテに2つ点「・」が並んでいるだけで他の目印は無い。

 

先ほど紹介した単語の2文字目は、「無音シェヴァ」のケース
חָכְמָה(KhoKhMa・フマ)=知恵

 

2文字目が「有音シェヴァ(e)」になると、発音が変わる。
חָכְמָה(KhaKheMa・ヘマ)=彼女は、賢い

 

「有音シェヴァ(e)」の前に来た「カマツ」「ア」と読む。

 

何故かと言うと・・・

音節の最後が「有音シェヴァ(e)」になると、母音で終わる音節になる。
つまり閉音節(へいおんせつ)ではなくなるから。

 

もう一度言うが、
「無音シェヴァ」と「有音シェヴァ(e)」の母音記号は全く同じだゾ~

 

シェヴァの前に来た「カマツ」「ア」「オ」のどちらになるのか?

は文脈で判断して♡

一応「メテグ」で区別する方法はある

聖書ヘブライ語の場合、1つ1つの音が間違えてはいけない!
「カマツ」の「ア」「オ」を間違えると、神の言葉ではなくなるから、しょうがないね。

 

「カマツ」の「ア」「オ」をハッキリ表記させたい。
だけど、母音記号は「カマツ」でないといけない!

 

そんな皆様のためにぃ〜
「メテグ」という、タテ棒「|」の記号を作りました~

 

「カマツ」と「シェヴァ」の間に「メテグ(タテ棒)」ある場合、
「カマツ」は「ア」と読むことを示す。

 

逆に、「カマツ」と「シェヴァ」の間に「メテグ(タテ棒)」無い場合、
「カマツ」は「オ」と読むことを示す。

 

・・・のだが、「メテグ」はあくまでも聖書ヘブライ語専用の記号
ヘブライ語の語学書とか子供向けの本に「メテグ」まで表記されるケースは少ない。

古典ヘブライ語で、ガチの聖書を読むなら「メテグ」が出てくるかもしれないけど・・・

「メテグ(タテ棒)」は現代ヘブライ語では出てこないと思ってOK

 

という訳で、「カマツ」の母音「ア」「オ」を100%見分けるのは諦めて♡

これまでのまとめ

復習も兼ねて、単語を紹介する。

קָרְבָּן(KoRBaN・ルバン)=犠牲

 

תָּכְנִית(ToKhNiT・フニト)=計画

 

「カマツ」は、通常は「ア」と読む。

だけど、「無音シェヴァ」の前に「カマツ」が来た場合、「オ」になる

一方、「有音シェヴァ」の前に「カマツ」が来ると「ア」になる

 

「無音シェヴァ」と「有音シェヴァ」は全く同じ発音記号なので、100%見分けれない。
まぁ、そこは文脈判断で…




ハタフ・カマツの前にカマツが来た場合

ハタフ・カマツ(o)って何だっけ?

もう一度、同じリンクを貼るね。

ヘブライ語の母音記号を覚えよう~ハタフ・カマツ(o)

 

タテに2つの点「・」が並ぶ母音記号が「シェヴァ」

「シェヴァ」「カマツ」を合体させたのが「ハタフ・カマツ」
元々は有音シェヴァ(e)ね!

ハタフ・カマツ前のカマツは「オ」と読む

私の方で見つけた単語は2つだけ。

צָהֳרַיִם(TsoKhoRaYiM・ツォホライム)=正午

 

מָחֳרָת(MoKhoRaT・ホラト)=翌日

 

2文字目の母音記号は「ハタフ・カマツ(o)」
その前に来た1文字目の「カマツ」は「ア」ではなく「オ」と読む

 

「ハタフ・カマツ」の、タテ2つの点「・」は「無音シェヴァ」と見なして、その前に「カマツ」が来た場合「オ」と読む

と覚えておけばいいんじゃないかな(適当)

「シェヴァ」が無くても「オ」になるケース

「カマツ」が2つ並ぶ単語

先ほどは、「シェヴァ」の前に「カマツ」が来た時の「ア」「オ」の見分け方を紹介した。

だけど、「シェヴァ」に関係なく「カマツ」を「オ」と読むケースもある。

 

例えば、以下の単語の1文字目に注目!
שָׁרָשִׁים(ShoRaShiM・ショラシム)=根(複数形)

 

1文字目は「オ」と読む「カマツ」
2文字目は「ア」と読む「カマツ」

1文字目と2文字目の「カマツ」の記号は同じだけど、発音が異なる。

 

以下の単語も、同様。
קָדָשִׁים(KoDaShiM・ダシム)=聖(複数形)

1文字目は「オ」と読む「カマツ」
2文字目は「ア」と読む「カマツ」

「カマツ」が1つだけ

「カマツ」が2つ並ばなくても、「オ」と読むケースがある。

 

以下単語の1文字目に注目!
כָּל־הָאָרֶץ(KoL Ha’aReTs・ル ハアレツ)=全ての土地
ル ハアレツ」ではない!

 

1文字目は「オ」と読む「カマツ」なので
ル ハアレツ」と読む。

結局は、単語ごとに「ア」「オ」を覚えるのが簡単

「カマツ」の母音「ア」「オ」をハッキリ見分けるルールは無い。

あったとしても、ものすごい複雑なルールになると思うんですけど…(名推理

 

幸い、「オ」と読むカマツ・カタン(o)非常に少ない

なので、「オ」と読む「カマツ」に出会ったら、発音ごと覚えてしまうのが一番早い。

これで文字と母音記号の説明は終わり

と思うじゃん?

ヘブライ文字と母音記号の説明は終わった。

 

だけど、発音ルール記号はまだ残っているぞ
あまり出てこないので、後回しにして文法説明に入る事が多い


・マピク
・潜入パタフ
אָיו~ (~aV)
・有音シェヴァと無音シェヴァの細かい区別
・アクセント


新たな発音ルール~マピク「הּ」

ヘブライ語の「ה(H)」に点が付いた「הּ」はダゲシュではなくマピクです