ポケモンで有名なモンスターボールを投げるシーンをウェールズ語で解説してみる。
【前回】彼女は可愛いです
前回はウェールズ語の「形容詞」について軽く触れた。
今回は「動詞」と「冠詞」の2つを紹介する。
今回紹介するウェールズ語
本記事で紹介する例文
mae hi’n taflu’r bêl
マエ ヒン タヴリル ベル
彼女はボールを投げる。
注意すべき発音
「f」と「u」に注目してほしい。
mae hi’n taflu‘r bêl
マエ ヒン タヴリル ベル
彼女はボールを投げる。
ウェールズ語の場合「f」と「u」の発音が厄介。
「f」→英語の「v(ヴ)」の音
「u」→英語の「i(イ)」の音
ちなみに・・・
英語「f」の発音をウェールズ語で書くと「ff」
英語「u」の発音をウェールズ語で書くと「w」
ウェールズ語の動詞はややこしい!
mae hi’n taflu’r bêl
マエ ヒン タヴリル ベル
彼女はボールを投げる。
上記の例文をそのまま英語に置き換えると、
is she throw the ball
になる。
be動詞の「is」がある場合、「throw」の部分は現在進行形の
「throwing」
になるんじゃないの!?
と思う兄貴も多いんじゃないかな?
だけど、ウェールズ語で動詞の動作を表す場合
be動詞+主語+動詞の基本形
になる。
「be動詞」があっても、動詞は常に「基本形」になる事に注意!
ウェールズ語と英語は全く別の言語ですからね!
ほかの動詞の表し方もある
先ほど、動詞の使い方は
be動詞+主語+動詞の基本形
と紹介した。
実は、もう一つの表し方がある。
それが以下。
動詞の変化形+主語
こちらの方は、「be動詞」が無くなっている。
その代わりに、主語や時制に応じて動詞の形が変わる
ウェールズ語でよく使われるのは、先に紹介した
be動詞+主語+動詞の基本形
本記事ではこの構文で説明を進める。
ウェールズ語を文法的に説明してみる
文法的に分解
ウェールズ語を単語ごとに分解すると、以下の意味になる。
6個の単語に分解できる。
この中で「taflu’r bêl」の部分だけ解説する。
taflu=「投げる」
「taflu」は動詞の基本形になっている。
以下の例文を見てほしい。
mae hi’n taflu
マエ ヒン タヴリ
彼女は投げる。
mae=~である(英語のis)
hi’n=彼女は~する
taflu=投げる
上記の例文をそのまま英語に置き換えると
is she throw
throwに相当する「taflu」の部分は動詞の基本形
一方、is(=be動詞)に相当する「mae」は、「be動詞の基本形」が変化している
その「be動詞の基本形」が「bod」
このような文を「bod構文」と呼ぶ。
ウェールズ語を本格的に学びたい兄貴は「bod構文」だけでも理解しておいた方がいいよ!
この記事を読んでウェールズ語を学ぶ人は果たしているのだろうか?
‘r=「その」
「’r」は英語の「the」に相当する。
(定冠詞と言う)
「’r」の後に来た単語が、この世界で1つしか存在しないことを示す
今回は、女主人公が投げている「ボール」に「’r」をつけている。
そうすることで、「ボール」が世界に1つしかない事を示すことができる。
一方、英語の「a」に相当する単語があったよね?
(不定冠詞と言う)
「the book」だと、世界に一つしかない特定の本。
一方「a book」だと、たくさんある本の中にあるどうでもいい1冊
の意味になる。
ウェールズ語の場合、不定冠詞は無い!
つまり「’r」を付けなければ、英語の「a」と同じ意味を表せる。
bêl=「ボール」
「bêl」の元の形は「pêl」
なぜ形が変わっちゃうの??
その理由は、「pêl」が女性名詞だから。
ヨーロッパ言語の場合、男性名詞とか女性名詞の区別がある。
ウェールズ語も男性名詞と女性名詞がある
(中性名詞は無い)
男性名詞の場合、前に定冠詞「’r」がくっついても形は変わらない。
しかし、女性名詞の場合・・・
前に定冠詞「’r」がくっつくと、名詞の一番最初の音が変わってしまう!
「pêl」→「bêl」
音が「p」→「b」へ変わっている。
これも、前回の記事で紹介した「軟音化(なんおんか)」の現象。
まとめ
mae hi’n taflu’r bêl
マエ ヒン タヴリル ベル
彼女はボールを投げる。
本記事では「動詞」と「冠詞」の2つについて軽く説明した。
ウェールズ語って、英語とずいぶん違う言語なんだなー
と思ってもらえれば幸いである
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