アラビア語とペルシア語で似ている単語を比較してみた

アラビア語の知識がある人がペルシア語を学ぶと
「アラビア語の単語がポツポツと出て来るなぁ~」
と面白くなる。

その面白さをブログ記事で伝えたい。




そもそも〇〇語って何?

アラビア語って何?

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のアラビア語訳を修正してみた

デイリーポータルのアラビア語記事も面白いので
読んで、どうぞ。

アラビア文字を知識ゼロから学んでみよう

 

ペルシア語って何?

「こころぴょんぴょん」のペルシア語訳を分析してみた

参考までに,「ペルシ語」=「ペルシ語」
最後の文字は「ア」でも「ャ」でもどちらでもOKらしい。

共通点は?

ズバリ言うと

どちらも同じアラビア文字を使う!

そんだけ。

 

日本語と中国語は、同じ漢字を使うよね?

アラビア語とペルシア語は同じアラビア文字を使って文字化する言語。

違いは?

3行でまとめると以下。


・比較言語学の立場で見ると,全く別の言語

・アラビア語はアフリカの言語寄り

・ペルシア語はヨーロッパ言語寄り


 

日本語と中国語だって、同じ漢字を使うけど、
発音とか文法は全然異なるでしょ?

日本人が中国語を聞いても全然理解できない。

 

アラビア語とペルシア語もそんなイメージ。

ペルシア語はアラビア語の借用語が多い

借用語って何?

日本語にあるカタカナ文字はほとんどが借用語だと思っていい。

「ビーフステーキ」とか「アニメ」は借用語にあたるらしい。

詳細はウィキペディアでも読んで、どうぞ。

借用語 ウィキペディア

 

日本語で言う「アニメ」に相当する借用語がペルシア語にもたくさんある。

ペルシア語はアラビア語から来た単語が多い

アラビア語学習者がペルシア語を学ぶとき、一番びっくりするのがアラビア語単語の多さ。

「あれ?今はペルシア語を勉強しているんだよな?」

「なのに、なんでアラビア語単語が出てくるんだよ!?」

と嬉しくなる。

 

日本人が中国語を学ぶ時に、日本語でもある漢字を使って文を書くような感じ。
例えば以下ね。


我是日本人
Wǒ shì rìběnrén


 

本記事ではペルシア語とアラビア語で似ている単語を紹介する。

私はペルシア語やアラビア語の専門家でないので、
間違っている箇所があったら許してクレメンス。

「許してクレメンス」とは?概要・元ネタ!




アラビア語から来たペルシア語単語の紹介

紹介する単語の範囲

ニューエクスプレスのペルシア語にある語彙に限定する。

ニューエクスプレスプラス ペルシア語

 

もっと本格的にアラビア語と比較したい変わり者は
大学書林の「ペルシア語6000語」を買って、どうぞ。

分類のパターン

「ペルシア語とアラビア語で似ている単語」
と言っても、いろいろなタイプがある。

素人の私が整理した結果、以下4パターンに分類できると思う。


1.スペルが同じ(発音が異なるケースあり)

2.文字が一部違うが、発音が同じ

3.ペルシア語には無い文字

4.スペルが微妙に異なる


専門家なら、もっと細かく厳密に分類すると思うけど。

ケース1:スペルが同じ

左がペルシア語 右がアラビア語ね。

の続き

 

ペルシア語とアラビア語の発音方法については、本記事では省略する。

↓ペルシア語の発音方法

「こころぴょんぴょん」のペルシア語訳を分析してみた

↓アラビア語の発音方法

「こころぴょんぴょん」のアラビア語訳を分析してみた

 

先ほど並べた単語はスペルが全く同じ単語。
まぁ発音は一部異なるのだが。

例えばアラビア語では「イ」と読むところが
ペルシア語だと「エ」になる,等。

細かく上げると,学術的になるので説明を省く。
説明が面倒くさいのは内緒

詳しく知りたければ、アラビア語とペルシア語を勉強しよう!
(提案

ケース2:文字が一部違うが、発音が同じ

の続き

 

ペルシア語とアラビア語で文字は異なるけど、発音が同じになるケースがある。
(厳密には他の文字の要素もあるのだが)

文字は違うけど、発音が同じになる。
日本語と韓国語で言えば、ひらがなとハングル文字みたいな感じになる。

ケース3:ペルシア語には無い文字

 

ペルシア語は,アラビア語の文字をベースに追加された文字がある。

つまり(アルファベットの立場で見れば)ペルシア語の方がアラビア語より文字数が多い。

 

しかし、ペルシア語では使わない文字がある。

アラビア語学習者がペルシア語を学んだ時に、カルチャーショックを受けるのが以下。

「あれ?ペルシア語って “ター・マルブータ” 無いの?」

 

「ター・マルブータ」っていうのは、以下のような文字。

お口あんぐりの顔文字ではない

ة ウィキペディア

 

「ター・マルブータ」はアラビア語にあるけどペルシア語には無い唯一の文字
(※アルファベットだけに限定した場合)

「ター・マルブータ」付きのアラビア語を、ペルシア語に持っていく時は
以下のように形を変えているのだと思う。

なぜ上記のように置き換えれるのか?
はアラビア語入門辺りを学べばすぐわかる。

ネタバレすると以下


「ター・マルブータ」で終わる単語の語尾に何かの文字がくっつくとき,
「〇」の部分が外れて「ت (t)」に変わる。
なぜなら「ター・マルブータ」は語尾しか書けない文字だから。


 

他にも説明したいことがたくさんあるのだが,
長くなるので省く。

ケース4:スペルが微妙に異なる

 

言語学的に近い言語でありがちなケース。
例えばヨーロッパ言語って単語のスペルが似ているよね?

 

一方,アラビア語とペルシア語は言語学的には全然違うのに
スペルが微妙に似ている単語があちこちで見られる。

言語学的に見ると、アラビア語とペルシア語は全く別の言語、
にもかかわらず、単語の面では共通点が見られる。

そういう言語グループを「言語連合(げんごれんごう)」と呼ぶ。

言語連合 ウィキペディア

 

私は素人なんで
「アラビア語とペルシア語は、言語学的に言語連合だ!」
とは言えないんだけど・・・

言語連合っぽい特徴がペルシア語とアラビア語で見られるな~
と思ってもらえればいい。

まとめ

多言語を学ぶのは面白い!

私は、これまでに70個以上の言語をアレコレ学んできた。

色々な言語で翻訳された「こころぴょんぴょん」を解読してみた

色々な言語を学ぶと、複数の言語間での視線を持てる。

これが語学マニアの喜び。

言語学の知識が無くてもOK!

複数の言語の知識を持っている私が分かった事を説明して
本記事の締めとする。

言語の事をもっと知る為の最短の手段が「言語学」ではない

確かに言語学を学べば、言語に対して客観的に判断できるようになる。
だけど、客観的に判断するだけが「言語を知る」ではないと思う。

 

もっと自分の主観に寄って、具体的な言語を学ぶ。
今回だとペルシア語とアラビア語の2言語を学ぶ。

新たにペルシア語を学んで覚えるプロセスの中で
「あれ?アラビア語だとこういう表現だったよな?」
と、ふと思い出す。

そしてペルシア語とアラビア語の単語を紙に書きだして比較する。
すると「面白いなぁ~」と夢中になれる。

そういう「面白いなぁ~」という主観的な感情を持つ事で
言語の事をもっと知ることができると思う。

 

異論は認める。