ヘブライ語は英語と同じ「強弱」アクセント
7割の単語は、最後の音節にアクセントがあるよ
目次
前回の復習
アクセント以外の発音ルールは、ほぼ全て説明した(と思う)
ヘブライ語のアクセントの基本
強弱アクセント
英語と同じ「強弱」アクセント
アクセントがある音節を強く読む
なお日本語は「高低」アクセントね!
最後の音節にアクセントが来ることが多い
例えば、以下の単語のアクセント位置は、最後の音節
טָעָה(Ta‘a・タア)=彼は、誤った
1番目の音節はטָ(Ta・タ)
2番目の音節(=最後の音節)はעָה(‘a・ア)
アクセントは最後の音節なので
עָה(‘a・ア)
を強く読む
最後の音節にアクセントがある単語は「ミルラア」
「最後の音節にアクセントがある単語」
の言い方だと、長いよね?
ヘブライ語文法では
「最後の音節にアクセントがある単語」
を「ミルラア」と読んでいる。
「ミルラア」をヘブライ語で書くと以下になる。
מִלְּרַע(MiLRa・ミルラ)
ちなみにמִלְּרַעの単語自体も「ミルラア」に分類される。
よって、アクセントは最後の音節に来る。
最後のרַע(Ra・ラ)の部分を強く読む
「ミルラア」は7割
ヘブライ語の単語の内、「ミルラア」に分類される単語は70%と言われている。
要するに、最後の音節を強く読む単語は7割
「ミルラア」にアクセント記号は付けない
「ミルラア」の単語は多いので、わざわざアクセント記号を付ける必要は無い。
その代わりに「ミルラア」ではない単語にアクセント記号を付ける。
アクセント記号が無い = あっ!この単語は「ミルラア」だ!
ってことが分かる。
ヘブライ語のアクセント記号の基本
アクセント記号は複雑
聖書に書かれているガチの古典ヘブライ語だと、色々なアクセント記号が付きまくる。
もう、本当に色々ありすぎて訳が分からないよ
以下の青文字が、ガチの聖書ヘブライ語で出てくるアクセント記号
「アクセント記号」だけで一冊の本が書けるくらいのボリューム。
ヘブライ語のネイティブでも、アクセント記号を正確に振るのは難しいらしい。
本記事では、たくさんあるアクセント記号の中で一番簡単なモノだけ紹介する。
一番簡単なアクセント記号は「<」
数学で「<」の記号があるよね?
数の大小関係を表す時に「<」を使う。
例えば・・・
4 < 6
x < 2
その「<」の記号は、ヘブライ語にもある。
「<」の使い方は、数学と全然関係ないけど。
ヘブライ文字の上に「<」が付いた場合、その音節にアクセントがあることを示す。
「<」が付く単語は「ミルラア」ではない!
「ミルラア」は、「最後の音節にアクセントがある単語」だったね。
7割を占めるんで、わざわざアクセント記号を付けない。
「ミルラア」以外の単語だけ「<」を付けて、強く読む音節を示している
アクセント記号が付く単語の例
מֶ֫לֶךְ(MeLeKh・メレフ)=王
一文字目のמֶ(Me・メ)の上に「<」が付いているね。
この「<」がアクセント記号
מֶ(Me・メ)の音節を強く読むことを示す。
アクセント記号が付く位置の法則
「ミルエル」の紹介
「語末から2つ目の音節にアクセントが来る単語」
を、ヘブライ語文法では「ミルエル」と呼ぶ。
いちいち「語末から2つ目の音節にアクセントが来る単語」
と書くと長くなるんで、これからは「ミルエル」の用語を使う。
「ミルエル」のヘブライ語表記は以下になる
מִלְּעֵיל(MiL’eL・ミルエル)
ちなみにמִלְּעֵיל(MiL’eL)は「ミルラア」に分類される単語
最後の音節にアクセントが来るので
עֵיל(‘eL・エル)の部分を強く読む
アクセント記号が付くのは、大抵は「ミルエル」
アクセント記号「<」のほとんどは「ミルエル」に付く。
「ミルラア」以外だと、語末から2つ目の音節を強く読むことが多い。
語末から3つ目以降の音節にアクセントが来る単語は、外来語に多い。
どんな時にアクセント記号が付くの?
一応、「ミルエル」になるルールがある。
仮のヘブライ文字א(アレフ)を使って説明する。
以下の母音記号の並びになる時、「ミルエル」になる。
つまりアクセント記号「<」が付く。
אֶ֫אֶא
אֵ֫אֶא
אֵ֫אַא
אֶ֫אַא
אֹ֫אֶא
אָ֫אֶא
אַ֫אַא
אַ֫יִא
アクセント記号が付く法則の適用例
例えば、
אֶ֫אַא
のルールが適用される単語の例が以下
פֶּ֫תַח(PeTaKh・ペタフ)=入口
ヘブライ文字の下に付いている母音記号に注目~!
1文字目:「エ」(セゴール)
2文字目:「ア」(パタハ)
3文字目:母音記号無し
これは、先ほど紹介した「ミルエル」になる条件の1つ
אֶ֫אַא
の母音記号の並びと一致する。
よって、最後の音節から2番目にアクセント記号「<」が付く。
アクセント位置の法則は覚えるべきなの?
結論
覚えなくてOK!
アクセント位置が分からなくても何とかなる。
英語だって、アクセント位置が分からなくても読んだり話したりできるでしょ?
ヘブライ語も同じだよん
理由
なぜならば、聖書ではアクセント記号「<」が付いているから。
聖書でアクセント記号「<」が無い単語は「ミルラア」であることが分かる。
つまり、最後の音節を強く読めばOK
「<」が付いていたら、その単語は「ミルエル」であることが分かる。
要するに「<」がある箇所は強く読む。
という訳で、アクセント位置のルールは覚えなくて良い。
アクセント位置のルールを覚えた方が良いケース
先ほど説明したアクセント位置は単語1つを見た場合の話。
実際は単語を組み合わせて文を作っている。
その単語の組み合わせによっては、アクセントが消えたり移動したりする。
せっかく聖書を読むんだからさぁ~
厳密にアクセントを区別して読みたいんじゃぁ^~
って考えている変わり者の兄貴はアクセント位置に関する詳しいルールを覚えて、どうぞ。
アクセント位置が分からなくてもヘブライ語は読める
アクセント位置によって単語の発音や意味が変わるケースもあるけど・・・
そういう単語はごくわずか。
中国語やベトナム語みたいに、声調(せいちょう)によって単語の意味が大きく変わる言語じゃないから・・・(震え声
アクセントを無視してヘブライ語を読んでも何とかなる。
私は、英語のアクセント位置のルールに関する知識ゼロ
だけど、英語は読めるんで困っていない。
どうせ私はガイジンだから、アクセント位置はテキトーでいいさー
と開き直っている。
現代ヘブライ語のוו(V)とיי(Y)