艦娘ポートランドのセリフをポーランド語に翻訳してみた

外国語を勉強している人は誰もが、「何か」を翻訳したくなる。

それはポートランド語でも例外ではない。

本記事では、ポートランドのセリフをポーランド語に翻訳してみた。




艦娘ポートランドとは?

ポートランド (重巡洋艦)を擬人化したのが、艦娘ポートランド

左が艦娘ポートランド

右上が重巡洋艦としてのポートランド

右下がポーランド語

「インディちゃん」とは?

先ほどの艦娘ポートランドは日本語で

インディちゃんの薄い本を見たいですか?

と言っている。

ここで出てくる「インディちゃん」とは艦娘インディアナポリスの愛称。
重巡洋艦インディアナポリスを元に擬人化した艦娘です。

艦娘ポートランドのセリフをポーランド語に翻訳した結果

googleに翻訳してもらった結果

「インディちゃんの薄い本を見たいですか?」

という日本語をそのままgoogle翻訳へ入れてみた。

googleで翻訳してくれたポーランド語が以下


Czy chcesz zobaczyć cienką książkę Indy?
チィ フツェシュ ゾバチュチ チェンコン クションシュケ インディ?


かなり正確にポーランド語へ翻訳されてる!

google翻訳ってすごいね

私が修正したポーランド語

ポーランド語を勉強すると、google翻訳の結果を見て

あれ?ここの翻訳が変だなぁ・・?

と感じる。

私なりに訂正したポーランド語が以下


Czy chcesz widzieć cienką książkę Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンコン クションシュケ インディィ


なぜ、こういう風に修正したのか?は後で説明する。



艦娘ポートランドで学ぶポーランド語

「Czy」=「~ですか?」


Czy chcesz widzieć cienką książkę Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンコン クションシュケ インディィ?


ポーランド語で疑問文を作る場合,文の先頭に「Czy」を置くことが多い。

ただし、英語みたいに「必ず先頭にDoを置かないと疑問文にならない!」という訳ではない。

「Czy」が無くても、分の最後に「?」を付ければ疑問文になる。

「chcesz」=「君は~したい」


Czy chcesz widzieć cienką książkę Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンコン クションシュケ インディィ?


「chcesz」は「~したい」という意味を持つ動詞。

「chcesz」の最後が「-sz(シュ)」で終わっているので「君は~」の意味になる。

親しい人との間で使われる言い方。

もし、親しい人でない場合は・・・
「あなたは~」の意味を持つ

「chcecie(フチェツィエ)」

「chce pan(フチェ パン)」

が使われる。

艦娘ポートランドと提督は親しい人間関係なので、「君は~」の意味になる「chcesz」で良いと思う。

「widzieć」=「見る」

「zobaczyć」「widzieć」両方とも「見る」


Czy chcesz widzieć cienką książkę Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンコン クションシュケ インディィ?


google翻訳の結果は「zobaczyć(ゾバチュシ)」。

私はそれを「widzieć(ヴィヂェチ)」に修正した。

実は「zobaczyć」「widzieć」両方とも「見る」の意味を持つ動詞なんだけど・・・

ポーランド語では別々の意味になる。

完了体動詞と不完了体動詞がある

ちょっと難しい話になりますが・・・

ポーランド語には完了体動詞(かんりょうたいどうし)不完了体動詞(ふかんりょうたいどうし)の2つのグループがある。


zobaczyćは「見終えてしまった」の意味を持つ完了体動詞

widziećは「今、見ている」の意味を持つ不完了体動詞


完了体動詞は、「見る」という行為を終えたい!という意味

それに対して不完了体動詞は、「見る」という行為をしたい!という意味。

「本」の中身を見たいので不完了体動詞を使う

zobaczyćにした場合、「インディちゃんの薄い本」を「すべて見てしまいたいですか?」という訳になる。

「本」の内容を見たい?とは聞いていない。

さっさと「本」を読み終えて読書感想文でも書きたいですか?
という意味になる。

それをwidziećに修正すれば「インディちゃんの薄い本」を「眺めたい」という意味になる。

艦娘ポートランドは

「本」の中身を見たいですか?

と聞いている。

だから不完了体動詞widziećを使うべき。

 

まぁ、こんな風に完了体動詞不完了体動詞の使い分けは非ネイティブにとっては、かなり難しい。

どっちを使うべきかはポーランド人に聞かないと分からないです。

「cienką」=「薄い~を」


Czy chcesz widzieć cienką książkę Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンコン クションシュケ インディィ?


「cienką(薄い)」は後ろの「książkę(本)」について詳しく説明している。

要するに「cienką」は形容詞です。

「cienką」元の形は「cienki(チェンキ)」

これが「książkę」に合わせて格変化(かくへんか)している。

正確に言うと、このように変化している。

cienkiの格変化

格変化については以下を参考にしてね。

ポーランド語の名詞が変化する様子をポケモンで理解しよう

「książkę」=「本を」

「本」が1冊の場合


Czy chcesz widzieć cienką książkę Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンコン クションシュケ インディィ?


「książkę」は「本」の意味を持つ名詞。

正確に言うと「単数・対格・女性名詞」です。

książkaの格変化

「książkę」の元の形は「książka(クションシュカ)」

książkaは「本だ!」という存在を表す意味になる。

これを格変化させて「książkę」にすると「~を」の意味が追加される。

なので、「książkę」は「本+」の意味になる。

これに合わせて、先ほどの形容詞「cienki(チェンキ・薄い)」も格変化させる必要がある。

「~を」の意味を持つ単数・女性名詞として「cienką」へと形を変えないといけない。

「本」が2冊以上の場合

今まで紹介した「książkę」は1冊を想定している。

なので、「インディちゃんの薄い本」は1冊になる。

もし、2冊以上の「インディちゃんの薄い本」を言いたい場合は、以下のように修正する必要がある。


Czy chcesz widzieć cienkie książki Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンキエ クションシュキ インディィ?


cienką książkę1冊の薄い本)」→「cienkie książki2冊以上の薄い本)」

へと変わる。

「cienki(薄い)」は以下のように格変化する。

「książka(本)」は以下のように格変化する。

ポーランド語は名詞が「男?女?中性?」「1つ?2つ以上?」で色々と格変化する。

それに関しては言葉で説明しても分からないので、実際に格変化を覚えて理解するしかない。

会社でヒマな時でもポーランド語をAnkiアプリで勉強する方法

「Indii」=「インディちゃんの」

人の名前も格変化する


Czy chcesz widzieć cienką książkę Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンコン クションシュケ インディィ


インディは英語で「Indy」と書く。

google翻訳結果も「Indy」になっている。

だけど、ポーランド語は人の名前も格変化する。

「インディちゃん」なので、「~の」の意味を持つ形へ変化させる必要がある。

google翻訳結果の「Indy」が「インディ」という意味を持つならば、元の形は「Inda(インダ)」になってしまう。

それだと「インディ」との発音が大きくズレてしまう。

なので私は「Indy」→「Indii(インディィ)」に修正した。

「Indii」にすれば、元の形は「India(インディア)」になる。

これなら「インディ」に近い発音になるね。

女性の名前は「-a」で終わる

ポーランド語に限らず、ヨーロッパ言語の女の名前は「-a」で終わることが多い。

元の形を「India(インディア)」にすれば、「-a」で終わるので、女性の名前だと分かる。

結局、このポーランド語って正しいの?

自分でポーランド語を訂正してみたが、

これが正しいポーランド語だ!

と自信を持って言えない。

これは日本人のポーランド語専門家でも同じだと思う。

「このポーランド語が正しい!」と自信を持って判断できる人はポーランド人だけです!

だから、ポーランド人に


Czy chcesz widzieć cienką książkę Indii?
チィ フツェシュ ヴィヂェチ チェンコン クションシュケ インディィ?


のポーランド語を見せて

このポーランド語で正しいですか?

と聞く必要がある。

いくらポーランド語を勉強しても、ネイティブのポーランド人には敵わない。

それが外国語です。

実際に翻訳した内容を解説しようとすると、ものすごく長い文章になる。

それだけ外国語を日本語で説明するのは難しい。

翻訳する作業をすると、母語である日本語についても改めて考えさせられる。

そんな優雅な時間を過ごすのも楽しいですよ!