ヨーロッパ言語の文法書で良く見かけるのが、「格変化」の説明。
大抵は秀才向けの説明になっていたり、びっしりと表で整理されている。
普通の人にとっては格変化が呪文のように見える。
そんな「格変化」の内容をポケモンで分かりやすく説明する。
目次
そもそも格変化って何?
名詞や形容詞の語尾が変化することを格変化と呼ぶ。
英語で言うと、
形容詞:good→better→best
ちなみに、動詞の語尾が変化する現象は格変化と呼ばない。
動詞の場合、「活用」と呼びます。
「ポケモン」をポーランド語で言うと何?
英語と全く同じ。
ポーランド語では「Pokémon」が12通りも変化します
「Pokémon」は以下のように変化する
更に、「~よ!」に相当する「呼格(こかく)」を加えると14通りの変化になる。
だけど、「呼格」はほとんど出てこないので無視しちゃっていい。
「Pokémon」という名詞が変化する様子
「Pokémon」の名詞変化は大まかに分けて6通りに分類できる。
生格 ポケモンの
与格 ポケモンに
対格 ポケモンを
造格 ポケモンで
前置格 ポケモンについて
上から順番に紹介する。
主格「~が」
2個以上:Pokémony(ポケモヌィ)
主格(しゅかく)だと「ポケモンが」の意味になる。
「Pokémon」の基本形です。
辞書を引くと出てくるのが主格と思っていい。
「これはポケモンだよ!」と言いたい場合、「ポケモン」は主格になる。
To jest Pokémon.
(ト イェスト ポケモン)
これはポケモンです
To są Pokémony.
(ト ソン ポケモヌィ)
これらはポケモンたちです。
ただし・・・
「これは~です」以外の「AはBです」の文になると・・・
「ポケモン」は造格(ぞうかく)に変わる。
つまり、Pokémon「ポケモンが」→Pokémonem「ポケモンで」に変わる。
Ja jestem Pokémonem.
(ヤ イェステム ポケモネム)
私はポケモンです。
なんか不思議だけどこれがポーランド語の文法です。
生格「~の」
2個以上:Pokémonów(ポケモヌフ)
生格(せいかく)になると、「ポケモンの」という意味に変わる。
語学書によっては属格(ぞっかく)と呼ぶ場合もある。
「ポケモンの~~~」という表現をしたい場合は、
へ変化させる必要がある。
Termin pokémony
(テルミン ポケモヌィ)
ポケモンの用語
świat pokémonów
(シフィアト ポケモヌフ)
ポケモンたちの世界
与格「~に」
2個以上:Pokémonom(ポケモノム)
与格(よかく)になると、「ポケモンに」という意味に変わる。
「ポケモンに▲▲をあげる」という表現をしたい場合、
へ変化させる必要がある。
だけど、必ずしも与格が「ポケモンに」という意味になるとは限らない。
他の単語との組み合わせで与格になっちゃった!
のケースが多い。
PP punkty potrzebne Pokémonowi
(PP プンクティ ポトシェブネ ポケモノヴィ)
ポケモンが必要とするPPポイント
Pokémonom potrzebne są lody
(ポケモノム ポトシェブネ ソン ロディ)
ポケモンたちにとってアイスクリームが必要
potrzebne(ポトシェブネ・必要)という単語が出てきた場合、「ポケモン」は「ポケモンに」という形になる。
日本語だと「ポケモンは、が」になるハズなのに、ポーランド語では「ポケモンに」になってしまう。
まぁ、そこは外国語ってことで大目に見てほしい。
対格「~を」
2個以上:Pokémonów(ポケモヌフ)
対格(たいかく)になると、「ポケモンを」という意味に変わる。
語学書によっては目的格(もくてきかく)と呼ばれる場合もある。
「ポケモンを~~する」で表現したい場合、
へ変化させる必要がある。
wymyślił pokémony
(ヴィムィシリゥ ポケモヌィ)
彼はポケモンを発明した
odległość do okolicznych Pokémonów
(オドレグウォシチ ド オコリチュニュィフ ポケモヌフ)
隣のポケモンたちまでの距離
対格だと、「ポケモンを」の意味になると説明した。
だけど、「ポケモンを」の意味にならないケースもある。
それが、前置詞「do(ド)」が付いた場合。
ポーランド語の「do」は「~へ」の意味がある。
Pokémonの前に「do」が付いた場合、Pokémon自体が「ポケモンを」の形に変わる。
造格「~で」
2個以上:Pokémonami(ポケモナミ)
造格(ぞうかく)は、6つの「格」の中でも一番イメージしにくい。
簡単に言うと、「ポケモンで~」「ポケモンを使って~」の意味になる。
語学書によっては具格(ぐかく)の言葉を使うケースもある。
具格は「道具を使う格」から来ている。
「ポケモンで~」の意味を持たせたい場合、
→Pokémonem
へ変化させる必要がある。
ポーランド語の造格は、「ポケモンで~」に訳せないケースが多いので注意。
Marill stał się Pokémonem wodno-baśniowym
(マリル スタゥ シェン ポケモネム ヴォドノ-バシニョヴィム)
マリルは「水」+「フェアリー」タイプのポケモンとして造られた
→マリルは「水」+「フェアリー」タイプのポケモンになった
Z pokémonami przez Europę
(ス ポケモナミ プシェス エウロペ)
ポケモンたちとヨーロッパ
前置格「~について」
2個以上:Pokémonach(ポケモナハ)
前置格(ぜんちかく)は、文字通り前置詞と組み合わせて使う。
場所を表す場合に使われることが多い。
語学書によっては処格(しょかく)や奪格(だっかく)等、色々な呼び方がある。
例えば、「ポケモンについて~」の意味を持たせたい場合、
へ変化させる必要がある。
ちなみにポーランド語の「o(オ)」は「~について」の意味がある。
Informacje o pokémonie
(インフォルマツイェ オ ポケモニェ)
ポケモンについての情報
wiedza o Pokémonach
(ヴィエヅァ オ ポケモナハ)
ポケモンたちについての知識
ポーランド語の格変化まとめ
ポーランド語には6つの「格」がありました。
ポケモンを6つの「格」で言うと、
生格 ポケモンの
与格 ポケモンに
対格 ポケモンを
造格 ポケモンで
前置格 ポケモンについて
更に1個の場合(=単数)と2個以上の場合(=複数)の2つに分類できる。
なので6×2=12通り変化する。
「ポケモン」という名詞をそのまま使いたい場合、「~が」に相当する主格を使う。
そうではなく、「ポケモン」自体に意味を持たせたい場合は色々と格変化させてあげる必要がある。
また「ポケモン」を1匹ではなく、2匹以上として扱いたい場合は複数形に変える。
これがヨーロッパ言語の格変化です。
格変化を覚える方法
ポーランド語
チェコ語
ロシア語