人生に遠回りは無い。
それは語学でも同じやで!
「元」中国語学習者だった私が色々なヨーロッパ言語を学んで、やっとアスペクト「了」を理解した。
その体験を紹介する。
中国語のアスペクト「了」は難しいぞ!
そもそもアスペクト「了」って何?
中国語の場合,ある動作が
終わったか?
それとも
まだ続いているか?
を区別する。
その区別を中国語文法では「アスペクト」と呼ぶ。
意識高い系の人が使いそうなカタカナ用語
「終わった?」「まだ続いている?」
の区別をするために、文末に「了」を付けたり付けなかったりする。
これがアスペクト「了」の説明です。
ちなみに中国語の「了」はle(ラ)と読むよ。
文末に「了」を付けるべきかの判断がものすごく難しい
中国語を学んでいる外国人にとって難しいのが
文末に「了」を付けるべきか?付けないべきか?
の判断。
「了」の使い分けが自然にできるようになったら、もう中国語のネイティブレベルと言ってもいいくらい。
それくらい「了」の使い方は難しいです。
私も中国語を学んで8年になるけど、「了」の使い分けがよく分からない・・・
「了」を付ける場合と付けない場合
ある動作が
すでに終わった→「了」を付ける
まだ終わっていない→「了」以外の単語を付ける
とりあえず、中国語の文末が
「了」→動作はもう終わっている
「了」以外→動作はまだ続いている
じゃあ「了」を付けない場合はどんな漢字が来るの?
この文は「了」以外の場合だ!
あっ!これは進研ゼミで出たところだ!
と判断できても、その後の難問が待ち構えている。
「了」以外のどんな漢字を置くべきか?
で迷う。
私の今までの中国語学習歴から、思いつく範囲で挙げてみた。
●何も付けないパターン
→名詞・形容詞・代名詞で文が終わるケース
●助詞で終わるパターン
→的(de)=~なのです!
→吗(ma)=~ですか?
→着(zhe)=~しているところだ
→吧(ba)=~だ!
→呢(ne)=~ですよね?
→啊(a)=~だなぁ
→呀(ya)=~なの!
→哦(o)=~してね!
→嘛(ma)=~だねぇ。
→呗(bei)=~であります。
→啦(la)=~で~す
→啰(luo)=~だよーん
→喽(lou)=~だね!うん。
●補語で終わるパターン
→上(-shang)=~してしまう
→上来(-shanglai)=↑と大体同じ
→过来(-guolai)=やってくる
→下(-xia)=↑と大体同じ
→下来(-xialai)=今まで~してきた
→下去(-xiaqu)=これから~する
→过去(-guoqu)=~してしまう
→不得(-bude)=~できない
→得很(-de hen)=とても~である
→不对(-budui)=~が合わない
→不起(-buqi)=相手に申し訳が立たない
●その他、よく分からんけど「了」で終わらないもの
→才行(-caixing)=~しなきゃダメだぞ!
→即可(-jike)=~でOKだよ
●「了」で終わっているけど、完了の「了」とは違うケース
→极了(-jile)=とても~だ!
→死了(-sile)=めちゃくちゃ~だ!
とりあえず、中国語は動詞で文を終わらせることができない!
(文末が動詞で終わると命令形になっちゃう)
アスペクト「了」の使い分けは難しい
いくら中国語を学んでも、
文末に「了」を置くべか?
それとも他の漢字を置くべき?
そもそも不要?
の判断基準がよく分からない。
色々な中国語の文章パターンから、このケースでは「了」が来ると分かるんだけど・・・
なぜ「了」が来るのかを文法的に説明できない。
アスペクト「了」の使い分けをハッキリ説明できたら、もう中国語専攻の大学教授と言ってもいいんじゃないかな?
(適当)
で、アナタはアスペクトの説明を理解できた?
言語に詳しくない人なら、中国語のアスペクト「了」の説明が難しく感じるハズ。
(逆にすんなり理解できる化け物なんて居るのかな?)
私も、中国語の習い始め時はアスペクト「了」の説明が全然分からなかった。
当時は若く、
アスペクト=「了」
だと勘違いしてました・・・
アスペクト「了」を理解できなくても中国語力は伸びる
中国語の場合、アスペクト「了」が理解できなくてもOK
大量の例文や文章を読んで中国語の文に慣れればなんとかなる。
でも中国語と同じ感覚でロシア語を勉強してはいけない。
(戒め)
中国語学習者がヨーロッパ言語を学ぶとどうなるのか?
中国語が上手い人ほどヨーロッパ言語を嫌う傾向が強い
まず、これだけは言っておく。
中国語学習者はヨーロッパ言語を嫌う人が多い(気がする)
中国語をどっぷり勉強していた頃の私も、ヨーロッパ言語を敵対視していた。
意地でもドイツ語とかフランス語なんていう言語を学ぼうとしなかった。
だってヨーロッパ言語と中国語は全然違う言語でしょ?
おっぱいぷるんぷるんのドイツ語とか、
おフランス語なんか勉強したって自分の中国語力が伸びるハズが無い!
それよりも、中国語の文を大量に読んだ方がマシ!
そういう理由で、ヨーロッパ言語には全く興味を示さない中国語学習者が多い。
でもヨーロッパ言語はいいぞ!
ガルパンおじさん「ガルパンはいいぞ!」
「元」中国語学習者だった私は、まぁ色々あって中国語を勉強しなくなった。
その代わりに、中国語以外の言語を学ぶようになりました。
まず目を付けたのが、過去に敵対視していたヨーロッパ言語
とりあえず色々なヨーロッパ言語を学んでみた。
気づいたらヨーロッパ言語だけで30言語以上も学んでいた・・・
その中で
なんだか中国語のアスペクト「了」と似ているな~
と気づいた言語があった。
それがロシア語とアラビア語です。
アラビア語はヨーロッパ言語ではないけど大目に見て♡
なんでロシア語が「了」と似ているの?
ロシア語は、中国語の「了」に相当する単語が無い
(多分)
その代わりに、「了」の意味を持つ動詞が存在する。
ロシア語場合、動詞は必ず以下2つの「どちらか」に属する。
完了体動詞=~してしまった=「了」あり
不完了体動詞=まだ~している=「了」なし
(同時に完了と不完了の2つの意味を持つ動詞は無いらしい)
つまり、動詞を見ただけで
「了」が付いているか?
付いていないか?
が一発で分かるぞ!
ただし、「完了体動詞」と「不完了体動詞」の形にルールが無いケースが多い。
そういう場合は、
この動詞は「完了体動詞」だ!
そして、この動詞は「不完了体動詞」だ!
と1つ1つ覚えるしかない。
これが中国語の「了」と比べて面倒!
その代わりにロシア語にも簡単な文法があるぞ!
中国語の「了」を「付けない」場合のロシア語文は簡単に作れる。
単に「不完了体動詞」をポーンと置くだけで終わり!
中国語みたいに文末にどんな単語を置くべきか??
で悩む必要は無いよ!
なんでアラビア語が「了」と似ているの?
アラビア語も中国語の「了」に相当する単語が無い。
※過去の時制を表す「لقد(laqad)」はあるけどね・・・
アラビア語の場合、1つの動詞で
完了体=~してしまった=「了」あり
不完了体=まだ~している=「了」なし
の2つのどちらかを表すことができる。
(※完了と不完了を同時に表すことはできません!)
アラビア語の動詞の「元の形」は完了体(~してしまった)
=「了」あり
(厳密に言うと能動態/直説法/現在形/三人称/単数/男性形)
まー、とりあえず「元の形」をそのまま使えば完了体(~してしまった)になる。
一方、「元の形」をちょこっとだけ変えると不完了体(まだ~している)になる。
=「了」なし
(その変化がものすごく難しいのだが)
だから、動詞の形を見れば
「了」が付いているか?
付いていないか?
が一発で分かるぞ!
アラビア語の場合、動詞の変化がものすごく複雑。
あのロシア語よりも鬼畜。
活用が10パターン以上もあるの、やめちくり~
「要求法」は「接続法」か「命令法」のどちらかに統一すべきやろ
せめて「性」と「両数」が無ければいいのにぃ~
その代わりにアラビア語にも簡単な文法があるぞ!
中国語の「了」を「付けない」場合のアラビア語文はロシア語と同様、簡単に作れる。
単に動詞を「不完了体」の形へ変えてポーンと置くだけやで!
アラビア語の文末はどーでもいい。
中国語みたいに文末にどんな単語を置くべきか??
で悩むのが馬鹿らしくなる。
ヨーロッパ言語を学んで、やっとアスペクト「了」を理解した
私の場合、ものすごく遠回りになったけど・・
ロシア語とアラビア語を学んでようやく中国語のアスペクトもなんとなく理解した。
ヨーロッパ言語をやって、初めてアスペクト=「了」ではない事に気づいたわ・・・
私なりのアスペクト「了」の理解が以下
「アスペクト」=「完了」か「不完了」のどちらかを選んで♡
「了」=「アスペクト」が「完了」の場合に使う単語
中国語の教科書にあるアスペクト「了」の説明について
学習者に誤解されそう
今の私だから言えるんだけど、
中国語の語学書にあるアスペクトの説明って、学習者に誤解を与えるんじゃないか?
アスペクト「了」
って書くと、中国語学習者は絶対に
アスペクト=「了」
と覚えちゃうじゃん!
なんでアスペクト「了」と教えるの?
まず、「アスペクト」そのモノの概念が難しい。
私の場合、恥ずかしながら「アスペクト」を理解するのに6~7年かかりました・・・
「アスペクト」を言語学的に説明すると文章が長ったらしくなる。
私なりに中国語の「アスペクト」をクソ真面目に説明すると・・
「アスペクト」は、動詞が「完了」か「未完了」のどちらかを表す用語やで!
動詞が「完了」っていうのは、「~してしまった」っていう事や
一方、「未完了」は「完了」の反対。つまり「~している状態だ」を表すぞ!
中国語の場合、動詞が「完了」の場合、文末に「了」を付ける。
一方、動詞が「未完了」の場合は、文末に「了」を付けないYO!
その代わりに「的(de)」等、色々な単語を文末に置く必要があるんや。
実は、「完了」「未完了」の判断はものすごく難しいぞ!
「さ~で寝るか」という日本語を中国語で言う場合、「完了」になる。
まだ「寝る」という動作自体は終わっていないけど、なぜか「完了」になるんや!
つまり「さ~で寝るか」を中国語で訳する場合は文末に「了」を添えないとダメやで!
〇:睡了(shuìle) ←さ~て寝るか
×:睡(shuì) ←寝ろ!
×:睡的(shuìde) ←寝る事
↑「アスペクト」をできる限り分かりやすく説明しても13行になる。
↑の説明、学習者は全部読むと思う?
↑と言うか、こんな説明文を見せられたら100%中国語を学ぶやる気を無くす
だから中国語の教科書では
ハイ!これがアスペクト「了」だよ!
難しいことは考えない!
さっさと「了」を使った例文を読んで、どうぞ
のテンポで教えているんじゃないかな?
(適当)
語学に遠回りは無い
ヨーロッパ言語を学ぶと中国語のしくみを再発見できる
元中国語学習者だった私がヨーロッパ言語を学んで、ようやくアスペクト「了」を理解したぜ!
と紹介した。
だけど、理解したのはアスペクト「了」だけではない。
他にもたくさんの中国語文法を整理して理解できたYO!
・時制は一応ある
→過去時制における否定は「没有(meiyou)」を使う。
→その他、時制に関する文法ルールは無かった気がする
・法(ほう)が無い
→中国語をヨーロッパ言語へ翻訳するのがものすごく難しい!
→接続法なんてどうやって訳すんだよ!?
・相(そう)はある
→さっき説明したアスペクトの事
・態(たい)が無い
→「被(bei)」「让(rang)」「使(shi)」「令(ling)」で態を表す
→私「で、結局はどれを使えば良いの?」
・性(せい)は無い
→性別を表すなら他(ta)か她(ta)程度
・数(すう)は無い
→ただし、「あなたたち」が2人なら「你们俩(nimenlia)」
→3人なら「你们仨(nimensa)」と書くことがある。
・人称は無い
・定性(a/the)も無い
・極性(Yes/No)はある
→ただし、否定する場合は「不(bu)」「没(mei)」「没有(meiyou)」の3通りがある。
(アラビア語の方がもっと面倒くさいが・・)
↑が理解できたアナタは立派な言語学者です
私はヨーロッパ言語を色々学ぶことで、改めて中国語の「文法カテゴリ」というものを理解できた。
おかげで中国語について難しく書かれているウィキペディア記事(※日本語です)もすらすら読めるようになったわ。
1つの外国語を究めと、他の外国語に手を出しにくくなる
中国語に限らないんだけど・・・
ある1つの言語をある程度学ぶと、他の外国語を学ぶのが億劫になる。
何と言うか・・・面倒くさいんだよね。
いままで学んできた言語だけでも苦労してきたのに、
また1から新しい言語を学ぶのはしんどい・・・
そういう「めんどうくさがり」心理のせいか、他の言語にチャレンジしなくなってしまう。
良い意味で言えば、1つの言語を究めるプロフェッショナル
悪い意味で言えば、新しい事にチャレンジしないお年寄り
少なくとも私は中国語がかなり上手い人が
「今度はアラビア語を猛烈に勉強しているぞ!」
という話は聞いたことが無い。
私みたいに、中国語をマスターしたから、今度はアラビア語もマスターするぞ!
と考える中国語学習者はいないのだろうか?
中国語学習者はぜひともヨーロッパ言語も学んで、どうぞ
中国語だけの人生じゃあもったいない!
この地球上に存在する言語は中国語だけではないよ。
他にもたくさんの言語があるんやで!
4000~8000個もあるらしいヨ~
中国語をマスターした人だからこそ、ぜひともヨーロッパ言語やアラビア語にも挑戦してほしい。
私は中国語をマスターしてロシア語やアラビア語も勉強したからこそ、こんなマニアックな記事が書けるんですよ!
こういう記事を書ける人って、私以外に居ないんじゃないかな?
って思えてくる。
ここまで記事を読んでくれた兄貴は、少なくともヨーロッパ言語は学んでほしい。
ドイツ語とかフランス語を敵対視しないで♡
ヨーロッパ言語なら、教材も多いから学習環境に困らないぞ~
中国語とは全く異なる言語を学んでみる。
それがキッカケで、今まで理解できなかった中国語文法が分かるかもしれないよ!
人生は一度きり。
だったら、色々な事にチャレンジした方がお得だと思わんかね?