ニコニコ大百科にある「こころぴょんぴょん」の記事を見ると世界中の全言語に翻訳されている。
国連公用語になっているロシア語も訳されている。
そのロシア語はどうやって翻訳したのかを分析してみた。
目次
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のロシア語訳
Ах^~ Мое сердце прыгнет^~
アハ~ モイォ セルッツェ プルィグニェト~
ロシア語の発音方法
キリル文字を使います
ロシア語は英語のアルファベットのような文字で書かれている。
だけど、アルファベットとは全く別の文字。
ロシア語はキリル文字を使う。
英語の「A」とロシア語の「А」は別物なので注意してね!
ロシア語の発音概要
ロシア語の発音をポケモンで紹介してみた。
ロシア語は基本的にキリル文字に書かれている通りに読む。
たまに濁音が消えたりする。
キリル文字をアルファベットに置き換えるとこうなる
Ах^~ Мое сердце прыгнет^~
を英語のアルファベットに置き換えると
Ah^~ Moyo serdtsye prygnyet^~
ロシア語のキリル文字は、大体英語のアルファベットと同じ発音になる。
英語の知識だけでは発音方法が分からないキリル文字
日本語と英語しか知らない人にとっては
「なるほど、良く分からん!」
ってなるキリル文字だけを抜き出すと・・・
でも、半分はギリシャ文字から発音を予測できる。
ギリシャ文字の知識から導けるキリル文字の発音
そもそもギリシャ文字とは何か?
ギリシャ文字は数学や物理でよく出てくる。
円周率はπ(パイ)=3.1415…..
面積はΔ(デルタ)
何かの係数γ(ガンマ)やρ(ロー),η(エータ)
そんな風に、数学や物理の計算式で使われる。
そういうギリシャ文字がロシア語のキリル文字になったのが以下。
キリル文字の読み方は以下になる。
「р」=「ρ(ロー)」=「r」
「д」=「Δ(デルタ)」=「d」
「п」=「π(パイ)」=「p」
「г」=「γ(ガンマ)」=「g」
「н」=「η(エータ)」=「n」
新たに覚える必要があるキリル文字
残ったキリル文字は以下。
これらはロシア語として新たに覚えるしかない。
読み方は以下になる。
「х」=「フ(h)」
「е」=「イェ(ye)」か「イォ(yo)」
「с」=「ス(s)」
「ц」=「ツァ(ts)」
「ы」=「ウィ」
この中で一番難しい発音が「ы(ウィ)」
「ы」は「ウ」と「イ」の音ではなく、まとめて「ウィ」と発音する。
「イ」の口の形で「ウ」と発音すると「ы」っぽい音になる。
発音が変わるキリル文字
先ほど、ロシア語は文字通りに読むと紹介した。
だけど
とも言った。
その例が「сердце(セルッツェ)」
「сердце」は英語表記で「serdtsye」となる。
だけど、発音時は「serttsye」と読む。
「д(d)」の音が「т(t)」に変わっている。
理由は、「д」の後に濁音でない「ц(ツァ)」が来ているから。
その場合、「ц」の前に来た子音の濁音が消える。
今回は濁音「д」なので、濁音でない「т」として発音される。
ロシア語を分析するとこうなる
「Ах」=「アハ~」
Ах^~ Мое сердце прыгнет^~
アハ~ モイォ セルッツェ プルィグニェト~
ロシア語「Ах」は「アハ~」という声を出しているだけ。
感嘆詞ですね。
「Ах」がこころぴょんぴょんの「あぁ^~」に相当する。
「Мое」=「私の」
Ах^~ Мое сердце прыгнет^~
アハ~ モイォ セルッツェ プルィグニェト~
「Мое」は「私の」の意味。
英語の「my(私の)」に相当する。
正確に言うと、所有代名詞・中性・単数・主格
表を見ると分かるのだが・・・
「Мое」は、正確には「Моё」と書く。
ロシア語の一般的な本で「ё」を書く場合、上の2つの点を省いて「е」と書く場合が多い。
なので「е」は「イェ」か「イォ」の2つの読み方がある。
「Мое」の場合、「ё」が「е」で書かれていたことになる。
間違った翻訳ではないです。
「сердце」=「心が」
Ах^~ Мое сердце прыгнет^~
アハ~ モイォ セルッツェ プルィグニェト~
「сердце」は「心が」を意味する名詞。
正確に言うと中性名詞・単数・主格
「сердце」が中性名詞・単数・主格なので・・・
先ほど紹介した「私の」を意味する「Мой(モイ)」を「Мое(モイォ)」へ格変化させる必要がある。
「прыгнет」=「ジャンプする」
完了体動詞「прыгнет」は誤訳?
Ах^~ Мое сердце прыгнет^~
アハ~ モイォ セルッツェ プルィグニェト~
「прыгнет」は「ジャンプする」という意味をもつ動詞。
未来形・三人称・単数になっている。
私としては
「прыгнет」は、正確には「ジャンプしてしまった」という意味になる。
難しく言うと完了体動詞
つまり、今はもうすでにジャンプが終わって地面に着陸した状態になっている。
それだと「心がぴょんぴょんした状態」にならない。
だから不完了体動詞「прыгает」は不適切ではないか?
と思います。
不完了体動詞「прыгает」に修正すべきでは?
「心がぴょんぴょんした状態」を表したければ・・・
・「ジャンプする」行為を続ける必要がある
なので、
完了体動詞「прыгнет(プルィグニェト)」
↓
不完了体動詞「прыгает(プルゥィガイェト)」
へ修正する必要がある。
こころぴょんぴょんのロシア語は以下のように修正すべきだと思う。
Ах^~ Мое сердце прыгает^~
アハ~ モイォ セルッツェ プルィガィエト~
参考までに、チェコ語訳では不完了体動詞「skáče(スカーチェ・ジャンプする)」が使われている。
ロシア語訳のまとめ
とりあえず、誤訳を修正する前のロシア語でまとめる。
Ах^~ Мое сердце прыгнет^~
アハ~ モイォ セルッツェ プルィグニェト~
これを分解すると
1.Ах^~
アハ~
「あぁ^~」
Мое сердце прыгнет^~
モイォ セルッツェ プルィグニェト~
「心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」
の2つに分かれる。
2番目の「Мое сердце прыгнет」に注目してみよう。
日本語の単語で並べると「私の」・「心は」・「ジャンプしてしまった」
まとめると「私の心がジャンプした」
したがって、
になる。
正確に言うと「心がぴょんぴょんしてしまったんじゃぁ^~」になる。
ロシア語とゆかいな仲間たち
ウクライナ語
ロシア語に近い言語。
ロシア語学習者の間では超有名な言語。
ベラルーシ語
ロシア語に近い言語。
だけどウクライナ語のせいで影が薄い
ポーランド語
ウクライナ語・ベラルーシ語に近い言語。
スロバキア語
ポーランド語に近い言語。
チェコ語
スロバキア語に近い言語。
セルビア語
ポーランド語・スロバキア語・チェコ語からちょっとだけ離れた言語。
クロアチア語
セルビア語とほぼ同じ。
ボスニア語
クロアチア語とほぼ同じ
スロベニア語
クロアチア語に近い言語。
「双数」という概念がある珍しい言語。
ブルガリア語
ロシア語と文法がちょっとだけ異なる。
でも、語彙はロシア語に近いらしい。
何故かロシア語系の言語グループ内に含まれている。
マケドニア語
ブルガリア語に近い言語。