「こころぴょんぴょん」の無活用ラテン語を分析してみた

ラテン語ガチ勢や人工言語マニアなら誰もが惹かれる事に定評のある無活用ラテン語にも翻訳されている。

それを分析してみた。




「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?

色々な言語で翻訳された「こころぴょんぴょん」を解読してみた

そもそも無活用ラテン語って何?

アナタはラテン語の存在を知っていますか?

「こころぴょんぴょん」のラテン語訳を分析してみた

語学マニアやヨーロッパ言語学者なら、誰もが「ラテン語」の存在を知っている。
(多分)

それくらい権力のある言語です。

なお、ラテン語は死語のもよう

ラテン語の活用は死ぬほど多い

ラテン語の活用はものすごく多くて複雑な事に定評があり、語学マニアですら恐れる言語。

 

参考までに英語の動詞活用だと、多くてもbe動詞8個


be,being,am,are,is,was,were,been


 

だけど、ラテン語のbe動詞60個以上の活用がある。

一般の動詞なら、軽く100個以上の活用があるぞ!

ラテン語を無活用にした言語

ある偉い人はこう言った。

じゃあ、活用を無くせばいいんじゃね?

という理由で作られた言語が無活用ラテン語です。

エスペラントと同じ人工言語の仲間ですよ!

「こころぴょんぴょん」のエスペラント語訳を分析してみた

なお、偉い人は言語学者ではなく数学者のもよう。

無活用ラテン語訳


A^~Meo corde exult^~
ア~ メオー コルデ エクスルトゥ~


 

参考までに、本来の(活用がある)ラテン語訳を以下に示す。


A^~cor meum exsultat^~


無活用ラテン語の発音方法

発音はラテン語と同じと考えていい。

「c」=「カ」

「c」は常に「カ」になる。

corde=ルデ

「x」=「クス」

「グズ」と濁らないよ!

exult=エクスルトゥ




無活用ラテン語を解読してみる

単語の意味は、「ラテン語」で調べた。
(無活用ラテン語の辞書が無いので)

「A」=「あぁ^~」


A^~Meo corde exult^~
~ メオー コルデ エクスルトゥ~


「A」は「あぁ^~」を意味する感嘆詞。

ラテン語と同じ訳になっている。

「Meo」=「私」


A^~Meo corde exult^~
ア~ メオー コルデ エクスルトゥ~


ラテン語の「meo」は「私の」を意味する。

格変化は以下の4通りが考えられる。

1.男性・単数・与格
2.男性・単数・奪格
3.中性・単数・与格
4.中性・単数・奪格

もうこれ、わかんねえな・・・

Wiktionary meus

でも、無活用ラテン語の場合は複雑な格変化をまとめて「meo」に統一した模様。

覚える手間が減るよ!
やったね!チノちゃん!

「corde」=「心」


A^~Meo corde exult^~
ア~ メオー コルデ エクスルトゥ~


ラテン語の「corde」は「心によって」の訳になる。

「cor」の単数・奪格の形になっています。

Wiktionary cor

でも、無活用ラテン語の名詞は・・・

ラテン語の「cor」は「第三変化名詞」というグループに属する。

この場合,「cor」を「単数・属格」にした形の「語幹」の後ろに「e」を付ける。

 

ラテン語「cor」の単数・属格「cordis」

この語幹の部分が「cord」になる。
「-is」の部分を取る)

よって、無活用ラテン語は

「cord」+「e」=「corde

になる。

 

・・・

・・・・・・

んんんwwww

よく分かりませんぞwwww

なんで、シンプルに単数・主格「cor」を使わないの???

無活用ラテン語を知れば知るほど、突っ込みどころだらけの言語じゃないですかー。ヤダー

「exult」=「ジャンプする」


A^~Meo corde exult^~
ア~ メオー コルデ エクスルトゥ


「exult」は,おそらく「exsult」のスペルミスだと思われる。

 

それに近いラテン語の形として「exsultō(エクススルトー)」がある。

意味は「私はジャンプする」
直説法・現在形・一人称・単数の形になっています。

参考までに、直説法・能動態・単数の活用表だけ以下に示す。(全体の17%)

もうこれ、わかんねえな・・・
(2回目)

Wiktionary exsultō

 

無活用ラテン語の動詞の作り方について説明する。

まず、前提として面倒くさい「人称」・「数」・「時制」による活用は考えなくていい!
だって「無活用」ラテン語だもの!(みつお)

 

元のラテン語「exsultō」は「第一変化動詞」というグループに属する。

そのグループの現在形は,動詞の「語幹」「a」になる。

 

・・・あれ?
心ぴょんぴょんの無活用ラテン語「exult」は最後が「a」で終わってないじゃん!

 

私が修正するとしたら・・・

「exsultō」の語幹が「exsult」

語幹に「a」を付けて「exsultaだと思うんだけど、どうだろうか?

私が修正した無活用ラテン語が以下。


A^~Meo corde exsulta^~
ア~ メオー コルデ エクススルタ


心ぴょんぴょんを無活用ラテン語へ翻訳された方は、おそらく

語尾に「a」を付ける

というルールをうっかり忘れたのではないだろうか?

でも「exult」でもなんとなく意味は分かるから大差ない

無活用ラテン語訳のまとめ

修正前の、元の原文でまとめる。


A^~Meo corde exult^~
ア~ メオー コルデ エクスルトゥ~


上記を日本語に訳すると「あ~ 私の 心が ジャンプする~」になる。

 

無活用ラテン語は動詞が活用しないので、時制(じせい)、法(ほう)、相(そう)、態(たい)が行方不明になっている。
(↑こういう言い方をすれば言語学者っぽくてカッコイイ!)

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の[ぴょんぴょん]はどう翻訳すべきか?


時制(じせい)の例
・過去?
・現在?
・未来?

法(ほう)の例
・直説法?(~する)
・接続法?(~したいのですが)

相(そう)の例
・完了?
・未完了?

態(たい)の例
・能動態?(~する)
・受動態?(~される)


動詞の意味を添える副詞が文には無いので、時制、法、相、態を判断できない。

 

なので基本形となる「現在形・直説法・完了・能動態」として日本語へ訳した。

 

もし、動詞「exult」が「過去形・接続法・未完了・受動態」なら、

「あ~ 私の 心が ジャンプされていた状態だったのですが~」

になる。
(苦しい日本語訳だが)

無活用ラテン語とラテン語の違いを考察してみる

とはいっても完走した感想レベルのお話ですが・・・

「格変化」と「活用」の違い

ざっくり言うと、以下になる。


格変化=名詞や形容詞の形が変わる事
活用=動詞の形が変わる事


「名詞が活用する」でも相手に通じるかもしれないけど・・・

言語学的には誤った言い方です。

言語学者は、本当に「ことば」にうるさいから気を付けてね。

格変化

ラテン語は名詞の格変化がある。
とにかくものすごい複雑。

でも、そのおかげで語順は自由。

一方、無活用ラテン語は名詞の格変化が無い。
その為、語順に制限があると思われる。

たとえば「私の心」

ラテン語なら「cor meum」や「meum cor」両方とも書ける。

だけど、無活用ラテン語の場合,「meo corde」と書かないといけない(ように見える)

活用

ラテン語における動詞の活用は死ぬほど多い。

1、2年以上前の私は猛烈にラテン語を勉強していた。
(今はアラビア語を熱心に勉強中)

で、今覚えている動詞の活用はこんな感じ


現在形=o,t,mus,
過去形=-ba-
未来形=-bi-
受動態=-bantur
なんか難しい形=-bissi-
たまにbe動詞とペアになる(何とかesse,fuisse)


もう動詞の活用なんて忘れまくったけど・・・

今はネットで調べればラテン語の活用形が一発で分かる。
もう活用を暗記しまくる時代は終わったんや・・・

 

んで無活用ラテン語は、ラテン語の複雑な活用を省いた言語。

覚える手間が減って楽になったんだけど・・・

その代わりに、時制(じせい)や法(ほう)等を表すためにいちいち副詞を添える必要がある!

これじゃあ中国語と同じじゃん!

「こころぴょんぴょん」の中国語訳(簡体)を分析してみた

中国語で難しいのは、動詞の意味を補う単語の組み合わせパターン。
外国人はパターンごと丸暗記しないと使いこなせない。

 

果たして、

(活用は)ないです=簡単な言語

と言えるのだろうか?

まとめ

他の人工言語でも言える事だが・・・

活用や格変化を省いたから、カンタンな言語だ!

と決めつけるのは止めた方がいい。

 

どんなに文法が簡略化されたとしても、結局は単語の意味や表現パターンを覚えまくる必要がある。

これじゃあ、自然言語とあまり変わらないんじゃ・・・
(禁句)

 

っていう教訓を無活用ラテン語は教えてくれる。

そんな魅力な無活用ラテン語を学んでみない・・・?

学んでみない・・・?