古典ヘブライ語で出てくる「ヴァヴ倒置法」を使って「心ぴょんぴょん」を作文してみた
(正確な古典ヘブライ語訳では)ないです
前回の記事
現代ヘブライ語に「ヴァヴ倒置法」は無い!
「ヴァヴ倒置法」って何?
3行で言うと?
・文頭に「Va(ヴァ)」が来て、その後に動詞が来ると、その動詞の相(=アスペクト)が逆になる
・完了形の動詞なら、未完了形の意味になる
・逆に未完了形の動詞なら、完了形の意味になる
・・・な、何が何だか・・・わからない
日本語に例えると?
以下の例文で説明する。
ヴァ、私は兄貴を呼ぶ
文の最初にある「ヴァ」は、「ヴァヴ倒置法」を示すマーク「Va(ヴァ)」
また、「(私は)呼ぶ」という動詞を未完了形と見なす。
「呼ぶ」の形は、見た目は未完了形なんだけど・・・
文頭に「ヴァ」が来ている。
すると「ヴァヴ倒置法」が発動!
「呼ぶ」が「呼んでしまった」という完了の意味に変わる。
「ヴァ、私は兄貴を呼ぶ」の文に対して「ヴァヴ倒置法」を発動させると
私は兄貴を呼んでしまった
の意味になる。
・・・な、何が何だか・・・わからない (二回目
「ヴァヴ倒置法」で使われる「Va(ヴァ)」は何?
古典ヘブライ語で出てくる特殊な接続詞
ヘブライ文字で書くと、以下になる。
וַ
ヴァ (Va)
接続詞「そして」とは全く別物!
英語だと and に相当する単語がヘブライ語にもある
ヘブライ文字で書くと以下になる。
וְ
ヴェ (Ve)
ヴェ(Ve)とヴァ(Va)は似ているけど、全く別の単語である事に注意!
וַ ≠ וְ
古典ヘブライ語に訳するとどうなる?
「ヴァヴ倒置法」を使った作文
הָא, וַיִּקְפֹּץ לִבִּי
ハ, ヴァイクポツ リビー
私の心は、跳ねてしまった (完了の意味)
未完了→完了になっている箇所
文頭で「ヴァヴ倒置法」が発生している。
וַיִּקְפֹּץ
ヴァイクポツ
彼は、跳ねてしまった
文の最初に
וַ ヴァ (Va)
が来ている。
その次に、未完了形の動詞がくっついている。
すると、動詞の意味上では「完了形」に変わる。
元々、未完了形だった動詞は何?
以下が、未完了形の動詞。
יִקְפֹּץ
イクポツ
彼は、跳ねている (未完了形)
Va(ヴァ)が付くと、動詞の最初に点が付く
文頭に
וַ ヴァ (Va)
が付いた後で、動詞が来ると・・・
動詞の最初の文字に1つの点が付く。
以下の画像で言うと、緑の点に相当する。
上記の緑の点は「強ダゲッシュ」と呼ぶ。
詳細は以下を読んで、どうぞ。
「私の心」のヘブライ語訳も解説
分解すると「心」+「私の」
לִבִּי
リビー
私の心
上記を分解すると、以下になる
לֵב+י
レヴ+イ
「心」+「私の」
名詞の後ろに接尾人称代名詞がくっついている
「心」を表す名詞は以下。
לֵב
レヴ
心
「私の」を意味する接尾人称代名詞が以下
י
イ
「私の心」を表す時、名詞「心」の形は以下のように変わる。
赤文字が、「私の」に相当する箇所
名詞の最後の子音に「イ」の音を添えて、「私の」の意味を追加している。
まとめ
古典ヘブライ語訳をもう一度紹介
הָא, וַיִּקְפֹּץ לִבִּי
ハ, ヴァイクポツ リビー
私の心は、跳ねてしまった (完了の意味)
前から順番に直訳すると
ヴァ、彼は跳ねてしまった、心、私の
のような感じになる。
「ヴァヴ倒置法」は聖書でよく出てくる
古典ヘブライ語の語学書では「ヴァヴ倒置法」に関する詳しい説明がある。
今回、私が作文した古典ヘブライ語は「未完了→完了」による「ヴァヴ倒置法」
なお、逆の「未完了→完了」は以下の記事を書いた時に初めて気づいた。
こんな風に、役に立たない古典ヘブライ語を勉強する私であった
参考文献
ニューエクスプレス語学書シリーズの中では、難易度が高い
〇〇語四週間レベルのボリューム