ヘブライ語の語学書に書かれている易しい例文を文法的に説明してみた

日本人から見たら変な例文が多いけど。

だがそれがいい

「易しい例文」と言いつつ、文法解説の内容が複雑なのは内緒




凡例

日本語訳

עִבְרִית  [←ヘブライ語]
イヴリト   [←カタカナ読み]

★文法の解説★

 

ちなみに、ヘブライ語は右から読む
カタカナ読みは左から読んで、どうぞ

2つの単語から成る文

私はYHWHである

אֲנִי יְהוָה

アニ アドナイ

 

יְהוָהをそのまま読むと「Yehova (イェホヴァ)」

「(ユダヤ教の)唯一神」の意味

 

だけど、何度も

「イェホヴァ「イェホヴァ「イェホヴァ

って叫ぶとご利益がなくなるんで・・・

 

יְהוָהは特別に「アドナイ」と読む

ヘブライ語表記だと אֲדֹנָי (Adonay)

ちなみに「アドナイ」「わが主」の意味

 

日本語訳は語学書に従って、יְהוָהそのまま英語アルファベットに置き換えたYHWHと書く事にする。

 

もっと詳しく知りたい兄貴は以下を読んで、どうぞ。

聖書ヘブライ語で良く出てくるיהוה(YHWH)の読み方を詳しく説明してみた

YHWHは、生きている

חַי־יְהוָה

ハイ・アドナイ

 

ヘブライ語の場合、基本は名詞→形容詞の語順

・・・なのだが、上記は特別な決まり文句なんで形容詞→名詞と逆の語順になっている。

YHWHの言葉

דִּבְרֵי יְהוָה

ディヴレ アドナイ

 

「~の」を表す時は、修飾される単語が先に来る

この場合はדִּבְרֵי (divre)、「~の言葉」が先に来ている

 

語順としては、「~の言葉」→「YHWAの~」

YHWHの油注がれし者

מְשִׁיחַ יְהוָה

メシアハ アドナイ

 

聖書で出てくる「メシア」の由来

מְשִׁיחַ(Meshiakh)の語末がחַ(kh)になっている

発音しやすくするために前にחַの前に「ア(a)」の音が挿入される。

こういう発音変化を潜入パタハと呼ぶ

語末に母音「ア」が入り込む「潜入パタハ」の紹介

私は、生きている

חַי אָנִי

ハイ アニ

 

神自身が何かを誓う時、最初に言う決まり文句

直訳すると「生きている、私は」

私は、全身を耳にして聞く

כֻּלִּי אֹזֶן

クリ オゼン

 

直訳すると「私の全ては、耳です」

 

כֻּלִּי(kuli) は「私の全て」と言う意味。

元の形はכָּל(kol)

その後に「私の~」を意味する接尾人称代名詞が付いてכֻּלִּי(kuli)になっている

私は、神を見た

רָאִיתִי אֱלֹהִים

ライティ エロヒム

 

古典ヘブライ語なら「私は見てしまった (完了)

現代ヘブライ語なら「私は見た  (過去)

彼は、預言者だ

נָבִיא הוּא

ナヴィ フ

 

主語「彼」は、הוּא (hu)

「AはBです」の倒置パターンになっている

安息日に平安がありますように

שַׁבַּת שָׁלוֹם

シャバト シャロム

 

ユダヤ人が日曜日を過ごす時の決まり文句

なお、שַׁבַּת(shabat) は現代ヘブライ語だと「土曜日」の意味

インマヌエル

עִמָּנוּ אֵל
イマヌ エル

 

インマヌエルは男の名前

直訳すると「神は、私たちと共に居る」

十戒

עֲשֶׂרֶת הַדְּבָרִים

アセレト ハドゥヴァリム

 

直訳すると「10個の言葉」

イスラエルの王たち

מַלְכֵי יִשְׂרָאֵל

マルヘ イスラエル

 

「~の」の表現。

最初に来る「王」の単語 מֶלֶךְ(melekh) の形が מַלְכֵי(malkhe) 変わっている。

その形を連語形と呼ぶ。

「我が子よ」…「はい、私はここに居ます」

בְּנִי…הִנֵּנִי

ベニ…  ヒネニ

 

小辞 הִנֵּה (hine)「ほら!」「見よ!」と注意を促す意味。

そこに接尾人称代名詞が付くと、主語を表す

第七日に

בַּיּוֹם הַשְּׁבִיעִי

バヨム ハッシヴィイ

 

直訳すると「7番目の日の中で~」

殺してはならない

לֹא תִּרְצָח

ロ ティルツァハ

 

未完了形の動詞の前に、לֹא(lo)が付くと強い禁止を表す

単なる否定文ならאַל(al)

聞け、イスラエルよ!

שְׁמַע יִשְׂרָאֵל

シェマア イスラエル

 

動詞の不定詞にある語頭ל(L)を取り除くと、命令形になる

その水は、悪い

וְהַמַּיִם רָעִים

ヴェハマイム ライム

 

「AはBです」が現在形の場合、英語のbe動詞に相当する単語は不要

青と白

כָּחֹל וְלָבָן

カホル ヴェラヴァン

 

イスラエル国旗は「青と白」

なので、この例文がヘブライ語語学書に良く出てくる。

ニコニコ大百科にある「心ぴょんぴょん」の現代ヘブライ語訳を修正してみた

天にいます、我らの父

אָבִינוּ שֶׁבַּשָּׁמַיִם

アヴィヌ シェバシャマイム

 

直訳すると「天の中に居るところの、私たちの父」

 

現代ヘブライ語の場合、関係代名詞の短縮形 שֶׁ(she) が使われる

元の形は אֲשֶׁר (asher)ね!

王の(両)目

עֵינֵי הַמֶּלֶךְ

エネ ハメレフ

 

עַיִן (ayin) =「目(め)」は、2つのペア

なので、複数形ではなく双数形 עֵינֵי (ene) になる

その連語形になっている

その水は、我々のモノだ

לָנוּ הַמָּיִם

ラヌ ハマイム

 

単語を並べると「私たちに(属する)」→「その水」

モーセの律法

תּוֹרַת־משֶׁה

トラト・モシェ

 

ユダヤ教の תּוֹרָה(tora)=律法(りっぽう)は、日本語では「トーラー」と呼ぶ

王の息子たち

בְּנֵי הַמֶּלֶךְ

ベネ ハメレフ

 

「~の」を表す単語の組み合わせで、定冠詞הַ(ha)を付ける場合・・・

後ろの単語だけ付ける。

前の単語 (=連語形) に定冠詞は付けない!

その書物の言葉

דִּבְרֵי הַסֵּפֶר

ディヴレ ハセフェル

 

「その本の事柄」という訳も考えられる。

これらは、その言葉である

אֵלֶּה הַדְּבָרִים

エレ ハドゥヴァリム

 

דְּבָרִים (devarim) の前に定冠詞 הַ(ha) を付けないと「これらの言葉」の意味になる

「これらは、言葉である」とは意味が微妙に異なるよね?

私は、神なのか?

הַאֱלֹהִים אָנִי

ハエロヒム アニ

 

ここで言うהַ(ha)は、定冠詞ではない!

古典ヘブライ語で出てくる疑問詞「~か?」

 

ちなみに現代ヘブライ語だとהַאִם(haim)

神の言葉

דְּבַר־אֱלֹהִים

デヴァル・エロヒム

 

「神の事」という訳は変かな?

3つの単語から成る文

わが主YHWH、あなたは偉大だ

גָּדַלְתָּ אֲדֹנָי יְהוִה
ガドルタ アドナイ エロヒム

 

最後のיְהוִהは「アドナイ(わが主)」ではなく「エロヒム(神)」と読む

YHWHを愛しなさい

וְאָהַבְתָּ אֵת יְהוָה
ヴェアハヴタ エト アドナイ

 

語頭に וְ(ve) が付いて、ヴァヴ倒置が起きている

「心ぴょんぴょん」を古典ヘブライ語の「ヴァヴ倒置法」を使って作文してみた

上記例文は

「貴男は愛してしまった(完了)」→「貴男は愛している(未完了)

のように、相(アスペクト)になっている。

 

そして、未完了・二人称命令としても使えるので「貴男は愛しろ!」と解釈できる。

YHWHが、彼と共に居た

וַיהוָה הָיָה עִמּוֹ
ヴァドナイ ハヤ イモ

 

הָיָה(haya) は、英語で言うとwas(~だった)とかhad(持っていた)の意味。

(YHWHが)あなたに平安を賜るように

וְיָשֵׂם לְךָ שָׁלוֹם
ヴェヤセム レハ シャロム

 

直訳すると「彼は、貴男に平安を置いて欲しい」

יָשֵׂם (yasem)要求形になっている

ノアは、箱舟の方へやってきた

נֹחַ בָּא אֶל הַתֵּבָה
ノアハ バ エル ハテヴァ

 

聖書で出てくるノアは、ヘブライ語だと「ノアと読む

メシアと同じく、נֹחַ (Noakh)の最後がחַ(kh)

なのでחַの前に「a」の母音が挿入される (=潜入パタハ)

その物語は、聖書に書かれている

הַסִּפּוּר כָּתוּב בַּתַּנַ״ךְ
ハシプル カトゥヴ バタナフ

 

כָּתוּב(katuv) 受動分詞

「書かれているモノ」と言う意味

 

聖書תַּנַ״ךְ(Tanakh)と言う

途中に付いている「״」は、発音しない

略語を示すマーク

 

省略しないで全部書くと以下になる

תּוֹרָה, נְבִיאִים, כְּתוּבִים

トラ‎、ネヴィイム、ケトゥヴィム

【日本語訳】律法、預言者たち、書かれた物 (複数)

彼のような人は、その他に居ない

אֵין כָּמֹהוּ בָּאָרֶץ

エン カモフ バアレツ

 

直訳すると「土地の中に、彼のような人は、居ない」

אֵין(en)は、「持っていない」という存在の否定を表す

彼らは、大いなる光を見た

רָאוּ אוֹר גָּדוֹל

ラウ オル ガドル

 

形容詞は、名詞の後に置いて修飾する。

この場合は「光」→「大きい」

私は、大いなる王である

מֶלֶךְ גָּדוֹל אָנִי

メレフ ガドル アニ

 

主語אָנִי(ani)が文の最後に来ている。

古典ヘブライ語でよくみられる倒置パターン

王は、非常に年老いている

וְהַמֶּלֶךְ זָקֵן מְאֹד

ヴェハメレフ ザケン メオド

 

「とても~」を意味する副詞 מְאֹד(meod) は、形容詞の後に置かれる。

私たちは、火と水の中を通ってきた

בָּאנוּ בָאֵשׁ וּבַמַּיִם

バヌ ヴァエシュ ウヴァマイム

 

最期のוּבַמַּיִם (uvamaim) は

「וְ (ve)」+「בְּ (be)」+「מַיִם (maim)
「~と」+「~の中に」+「水」

のように分解できる

貴男が、その神である

אַתָּה הוּא הָאֱלֹהִים

アタ フ ハエロヒム

 

הוּא(hu)は「彼」の意味ではなく、「AはBである」のAとBをつなぐ単語

英語で言うとbe動詞に相当する。

イスラエルの上に、平安がありますように

שָׁלוֹם עַל־יִשְׂרָאֵל

シャロム アル・イスラエル

 

前置詞עַל(al)の後に名詞を置く

 

なおヘブライ語は英語と同様に名詞の格(かく)が無い

なので前置詞の後に来た名詞の形は変わらない。

彼らは、一人で食べることができなかった

וְלֹא יָכְלוּ לֶאֱכֹל

ヴェロ ヤフル レエホル

 

לֶאֱכֹל(le’ekhol) 「食べる事」を意味する不定詞になっている

女王の息子たち

בָּנֶיהָ שֶׁל הַמַּלְכָּה

バネハ シェル ハマルカ

 

演説やスピーチで使われる堅めの所有表現

直訳すると「息子」+「彼女の」→「~の」→「その女王」

私は、神様を信じています

אֲנִי מַאֲמִין בֵּאלֹהִים

アニ マアミン ベロヒム

 

動詞のヒフィル態の例としてהֶאֱמִין (he’emin) が語学書では良く紹介される

「彼は信じた」の意味

これを現在形・単数・男性形にしたのが מַאֲמִין (ma’amin)

私は、予言者ではない

לֹא־נָבִיא אָנֹכִי

ロ・ナヴィ アノヒ

 

אָנֹכִי (anokhi) は「私」を意味する単語

古典ヘブライ語で使われる。




4つの単語から成る文

私たちの神YHWHは、私たちと共に居ますように

יְהִי יְהוָה אֱלֹהֵינוּ עִמָּנוּ
イェヒ アドナイ エロヘヌ イマヌ

 

文頭のיְהִי (yehi) 要求形になっている

「彼は~してほしい」という希望を表す

終わり良ければ、すべて良し

סוֹף טוֹב ־ הַכֹּל טוֹב

ソフ トヴ ・ ハコル トヴ

 

形容詞 טוֹב(tov)を名詞の後ろに置いて修飾している

ファラオは、貴男たちの言うことを聞かないだろう

לֹא־יִשְׁמַע אֲלֵיכֶם פַּרְעֹה

ロ・イシュマア エレヘム パルオ

 

古代エジプトの王であるファラオはヘブライ語だと以下になる

פַּרְעֹה (Par’o)

「パルオ」と読む

エジプトで、私たちが(いつも)食べていた魚

הַדָּגָה אֲשֶׁר־נֹאכַל בְּמִצְרַיִם
ハダガ アシェル・ノハル ベミツライム

 

関係代名詞 אֲשֶׁר (asher) が使われている

その地は、とても、とても良い

טוֹבָה הָאָרֶץ מְאֹד מְאֹד

トヴァ ハアレツ メオド メオド

 

形容詞→名詞(主語)→副詞→副詞

の語順になっている

 

なお、副詞は1回でも、2回繰り返しても同じ意味。

アブラハムは、神に祈った

וַיִּתְפַּלֵּל אַבְרָהַם אֶל־הָאֱלֹהִים

ヴァイトパレル アヴラハム エル・ハエロヒム

 

これも、ヴァヴ倒置が起きている

וַיִּתְפַּלֵּל (vayitpalel)

「ヴァ」+「彼は祈っている(未完了)」→「彼は祈ってしまった(完了)

貴男の声を、私は聞いたのです。園で。

אֶת־קֹלְךָ שָׁמַעֲתִּי בַּגָּן

アト・コルハ シャマアティ バガン

 

קֹלְךָ (kolkha) を分解すると、「声」+「貴男の」

私たちに、ユダ語を話さないでください

אַל־תְּדַבֵּר אֵלֵינוּ יְהוּדִית

アル・テダベル エレヌ イェフディト

 

אַל(al)動詞の未完了形で、否定を表す

強い禁止ではない事に注意!

私より大きい、私の兄弟

הוּא אָחִי הַגַּדוֹל מִמֶּנּי

フ アヒ ハガドル ミメニ

 

つまり「彼は、私の兄です」の意味

貴男は、ヤコブの家に、このように言いなさい

כֹּה תֹאמַר לְבֵית יַעֲקֹב

コ トマル レヴェト ヤアコヴ

 

「ヤコブの家」とは「イスラエルの民」の意味

貴男は、この教えを読み上げなさい

תִּקְרָא אֶת־הַתּוֹרָה הַזֹּאת

ティクラ エト・ハトラ ハゾト

 

未完了形の二人称で、命令の意味を表している

サウルは、サムエルと共に食事をした

אָכַל שָׁאוּל עִם־שְׁמוּאֵל

アハル シャウル イム・シェムエル

 

前置詞 עִם(im) 「~と一緒に」の意味

太陽が、地上に出た

הַשֶּׁמֶשׁ יָצָא עַל־הָאָרֶץ

ハシェメシュ ヤツァ アル・ハアレツ

 

אָרֶץ(arets) は「地上」だけでなく「イスラエル」の意味もある

私は神であって、人ではない

אֵל אָנֹכִי וְלֹא־אִישׁ

エル アノヒ ヴェロ・イシュ

 

単に「神」と言うのであればאֵל(el)を使う

(われらの)神のように、偉大な神は誰か?

מִי־אֵל גָּדוֹל כֵּאלֹהִים

ミ エル ガドル ケロヒム

 

כֵּ(ke)「~のように」を意味する前置詞

この世に、彼のような人は居ない

אֵין כָּמוֹהוּ בְּכָל הָעוֹלָם

エン カモフ ベホル ハオラム

 

直訳すると「その世界の全ての中に、彼のような人は居ない」

貴男は人間であって、神ではない

וְאַתָּה אָדָם וְלֹא־אֵל

ヴェアタ アダム ヴェロ・エル

 

聖書で出てくるアダム「人間」の意味もある

ヘブライ語で書くとאָדָם (adam)

なぜなら、彼らが「私たちは皆、死ぬ」と言ったからである

כִּי אָמְרוּ כֻּלָּנוּ מֵתִים

キ アムル クラヌ メティム

 

כִּי(ki)は色々な意味がある。

ここでは「なぜなら~」の意味

私は貴男たちに、その土地を与えた

לָכֶם נָתַתִּי אֶת־הָאָרֶץ

ラヘム ナタティ エト・ハアレツ

 

語順で見ると

「貴男たちに」→「私は与えた」→「~を」→「その土地」

5つの単語から成る文

YHWHが神なら、彼に従いなさい

אִם־יְהוָה הָאֱלֹהִים לְכוּ אַחֲרָיו
イム・アドナイ ハエロヒム レフ アハラヴ

 

「もし~ならば」の条件文になっている。

語頭にאִם(im)を置いて、条件文を示している。

YHWHは、彼を愛するモノたちを守る

שׁוֹמֵר יְהוָה אֶת־כָּל־אֹהֲבָיו
ショメル アドナイ エト・コル・オハヴァヴ

 

אֹהֲבָיו (ohavav) 「彼の愛するモノ(複数)」

現在分詞+「彼の」を表す接尾人称代名詞

になっている

イスラエルの神YHWHは、こう言った

כֹּה־אָמַר יְהוָה אֱלֹהֵי יִשְׂרָאֵל
コ・アマル アドナイ エロヘ イスラエル

 

אֱלֹהֵי(elohe)「~の神」の意味

אֱלֹהִים‎(elohim)連語形になっている

YHWHの言葉が、アブラムにあった

הָיָה דְבַר־יְהוָה אֶל־אַבְרָם

ハヤ デヴァル・アドアイ エル・アヴラム

 

語頭のהָיָה(haya)は、「彼は~を持っていた」の意味

YHWHが、貴男たちに与えた土地

הָאָרֶץ אֲשֶׁר נָתַן לָכֶם יְהוָה

ハアレツ アシェル ナタン ラヘム アドナイ

 

関係代名詞 אֲשֶׁר(asher) を使うパターン

パンを食べず、水を飲むな! (否定辞)

אַל־תֹּאכַל לֶחֶם וְאַל־תֵּשְׁתְּ מָיִם

アル・トハル レヘム ヴェアル テシュト マイム

 

否定辞אַל(al)を覚える為の例文

この事をしたので、お前(ヘビ)は呪われる

כִּי עָשִׂיתָ זֹּאת אָרוּר אַתָּה

キ アスィタ ゾト アルル アタ

 

אָרוּר(arur)「呪われたモノ」と言う意味

受動分詞になっている

 

ちなみに、ぷよぷよに「アルル」というキャラクターが居る。

「呪われた」を意味するヘブライ語 אָרוּר(arur) が由来ではないらしい。

アルル・ナジャとは (アルルナジャとは) [単語記事] – ニコニコ大百科

誰が、このことをしたのか?

מִי עָשָׂה אֶת־הַדָּבָר הַזֶּה

ミ アサ エト・ハダヴァル ハゼ

 

「この事」を表す場合、

「この」を表す単語זֶה(ze)にも定冠詞הַ(ha)を付ける

王は、民(の声)に耳を傾けなかった

וְלֹא־שָׁמַע הַמֶּלֶךְ אֶל־הָעָם
ヴェロ・シャマア ハメレフ エル・ハアム

 

この文にある動詞は過去形(=完了形)なので、לֹא(lo)が付いても禁止の意味にはならない

単なる否定文になる

今日、私はイスラエルの上に(立つ)王である

הַיּוֹם אֲנִי־מֶלֶךְ עַל־יִשְׂרָאֵל

ハヨム アニ・メレフ アル・イスラエル

 

この文の主語である「私」とは、聖書に出てくる「ダビデ」の事

何でもないよ。万事うまくいくだろう

אֵין דָּבָר, הַכֹּל יִהְיֶה בְּסֵדֶר

エン ダヴァル、ハコル イヘイェ ベセデル

 

יִהְיֶה (yiheye) 「彼は~であろう」と言う意味

英語で言うなら he will be ~みたいな感じ

祭司エリは、イスに腰かけている

עֵלִי הַכֹּהֵן יוֹשֵׁב עַל הַכִּסֵּא

エリ ハコヘン ヨシェヴ アル ハキセ

 

祭司(さいし)=儀式を行う者

ちなみにעֵלִי (Eli) は女の子ではなく、の名前

なぜなら、私は聖書を読みたいからです

כִּי אֲנִי רוֹצֶה לִקְרֹא תַּנַ״ךְ

キ アニ ロツェ リクロ タナフ

 

לִקְרֹא (likro) は「読む事」を意味する不定詞になっている

サムエルは、神の声を2度聞く

שְׁמוּאֵל שׁוֹמֵע קוֹל אֱלֹהִים פַּעֲמַיִם

シェムエル ショメア コル エロヒム パアマイム

 

פַּעֲמַיִם(paamaim) 「2回」という意味の名詞。

双数形になっている

6つ以上の単語から成る文

目には目を、歯には歯を

עַיִן תַּחַת עַיִן שֵׁן תַּחַת שֵׁן

アイン タハトゥ アイン シェン タハトゥ シェン

 

直訳すると「目の代わりに目、歯の代わりに歯」

この世は、非常に狭い橋である

כָּל הָעוֹלָם כֻּלּוֹ גֶּשֶׁר צַר מְאֹד

コル ハオラム クロ ゲシェル ツァル メオド

 

直訳すると「全世界にある全ての橋は、とても狭い」

神様は、なんと大いなる奇跡をなさるんだろうか

אֵיזֶה נֵס גָּדוֹל אֱלֹהִים עוֹשֶׂה

エゼ ネス ガドル エロヒム オセ

 

語頭にאֵיזֶה(eze)を付けて、その後に名詞が来ると感嘆文になる

なぜなら、主がイスラエルの上に善を語られたから

כִּי יְהֹוָה דִּבֵּר טוֹב עַל יִשְׂרָאֵל

キ アドナイ ディベル トヴ アル イスラエル

 

この文にある「善」は「幸福」とも解釈できる。

エサウが先に生まれ、ヤコブは彼の後に生まれた

עֵשָׂו נוֹלַד קֹדֶם וְיַעֲקֹב נוֹלַד אַחֲרָיו

エサウ ノラド コデム ヴェヤアコヴ ノラド アハラヴ

 

עֵשָׂו(esau)「エサとは読まない!

「エサと読むことに注意!

イスラエルの民は、40年間マナを食べていた

וּבְנֵי יִשְׂרָאֵל אָכְלוּ אֶת־הַמָּן אַרְבָּעִים שָׁנָה

ウヴネ イスラエル アフル エト・ハマン アルバイム シャナ

 

マナは、聖書に出てくる食べ物

ヘブライ語だとמָן(man)

キブツ員たちは、食堂で歌って、踊った

חַבְרֵי הַקִּבּוּץ שָׁרוּ וְרָקְדוּ בַּחֲדַר־הָאֹכֶל

ハヴレ ハキブツ シャル ヴェラクドゥ バハダル・ハオヘル

 

「キブツ」は、現代イスラエルにあるユダヤ人の共同体

ヘブライ語だとקִבּוּץ(Kibuts)

「私のモノは、貴男のモノ 貴男のモノは、私のモノ」と言う人は風変わりな人

שֶׁלִּי שֶׁלְּךָ וְשֶׁלְּךָ שֶׁלִּי! – אִישׁ מוּזָר

シェリ シェルハ ヴェシェルハ シェリ! ・イシュ ムザル

 

「~の」を意味する単語שֶׁל(shel)所有接尾辞による形の変化を覚えるための例文

参考文献

アイキャッチ画像

本記事のアイキャッチ画像は,以下サイトを使用した

עין תחת עין / שן תחת שן
目には目を、歯には歯を。

ヘブライ語の語学書

・ニューエクスプレスプラス 古典ヘブライ語 (単行本)
山田 恵子 (著)

・ヘブライ語入門
キリスト聖書塾編集部 (編)

アラビア語版

アラビア語の語学書に書かれている易しい例文を文法的に説明してみた