そいやヘブライ文字を使う言語って、ヘブライ語以外にもイディッシュ語があったな。
ほな、イディッシュ語も学んでみるか。
・・・何やぁ!この文字と発音ルール!
ヘブライ語とイディッシュ語って何?
ヘブライ語
一般人にはほとんど知られていない言語。
アラビア語に近い言語。
イディッシュ語
語学マニアですら、存在をよく忘れられる言語
ドイツ語に近い言語。
ヘブライ語学習者もビックリ!の発音
母音その1
א=無音 ←わかる
אַ=a ←わかる
אָ=o ←まぁ、わかる
ע=e ←ファッ!?
ヘブライ語のעは無音なのよ~
あと、אָは、ヘブライ語では「ア」と「オ」の2通りの読み方がある。
アクセントの有無で発音が変わる。
イディッシュ語のאָは「o」だけど
ヘブライ語は「a」が圧倒的に多い。
母音その2
י=i ←わかる
ו=u ←子音の「V」?
母音記号を付けたヘブライ語で「u」を表す時はוּと書く。
וの真ん中に点「・」を付ける
まぁ、母音記号なしのヘブライ語ならוと書きますけどね
母音その3
イディッシュ語には、二重母音が3つある。
一応、ヘブライ語も二重母音が3つあるんだけど、全然違う
ヘブライ語学習者が,イディッシュ語の二重母音を見た時の感想
וי=oy ←Vi ?
יי=ey ←Yi,YY?
ײַ=ay ←ファッ!?
2文字のייの下に、まとめて1つの記号「ー」を付ける発想は無かった・・・
二重母音を使った単語例が以下。
איי(ey・エイ)=卵
ייは二重母音「ey」ですな。
ヘブライ語も二重母音「ay」「uy」「oy」があるけど、イディッシュ語と違いすぎる・・・
そもそも、ヘブライ語の二重母音は語末限定なので
אַי=ay
וּי=uy
וֹי=oy
子音その1
ב=B ←え?「V」じゃないの?
בֿ=V ←は?
ヘブライ語では、ヘブライ文字の上に「ー」を付ける記号は無い。
古典ヘブライ語に出てくるタアメー・ハミクラーでも、文字の上に「ー」を付ける符号は無いみたい。
ちなみに、ヘブライ文字の下に「ー」を付けた場合、母音「ア」を表す。
例を以下に示す。
בַ=Va
子音その2
פּ=P ←わかる
ף=F ←わかる
פֿ=F ←えっ…?
何度も言うけど、ヘブライ語では文字の上に「ー」を付ける記号は無い!
פでも子音「F」って分かるのに、
イディッシュ語では何故「ー」を付けるんだ・・・?
子音その3
שׂ=S ←わかる
ש=Sh ←あれ?右上の点が無い…?
ヘブライ語で「Sh」の子音を表す時はשׁと書く。
שの右上に点「・」を付ける。
まぁ、母音記号無しの白文ヘブライ語の場合はשと書くんだけど。
子音その4
תּ=T ←分かる
ת=S ←は?
ヘブライ語のתּとתは、どちらも子音「T」になる。
תの音がT→Sに変化したと考えられる
(言語学者気取り)
2つ以上の文字を組み合わせた子音
イディッシュ語には、2つ以上の文字で1つの子音を表す組み合わせが4つある。
ヘブライ語は「1文字=1子音」が前提なので、こういうルールが大っ嫌いだー!
おっぱいぷるんぷるん
דזは「dz・ヅ」
ヘブライ語に、こういうスペルが無いので読みにくい・・・
דזשは「dzh・ジ」
「jam(ジャム)」の「j」らしい
זשは「zh・ズ」
「Z + Sh」じゃないんだね。
「Shift + Z」ではない
טשは「tsh・チュ」
イディッシュ語の単語の読み方
ヘブライ語由来の単語
いきなりこれか!
עבֿריתּ(iVRiT・イヴリト)=現代ヘブライ語
※上記の単語はイディッシュ語です。
イディッシュ語の通りに読むと「eVRiT・エヴリト」
ちなみに、母音記号付きヘブライ語だと
עִבְרִית(iVRiT・イヴリト)
と書く。
ישׂראל(YiSRo’eL・イスロエル)=イスラエル
ヘブライ語だとיִשְׂרָאֵל(YiSRa’eL・イスラエル)
なぜか、3文字目の「ラ」が「ロ」に変化している。
母音a→oに変化しているのは興味深い(言語学者気取り)
שבת(ShaBeS・シャベス)=安息日
ヘブライ語だとשַׁבָּת(ShaBaT・シャバト)と書く。
古典ヘブライ語の場合は、「シャッバト」と読む。
כּלה(KaLe・カレ)=花嫁
イディッシュ語通りに読むと「K・L・H」(母音は不明)
ヘブライ語の知識があれば、母音記号が無くても大体読める。
元のヘブライ語は
כַּלָּה(KaLa・カラ)
になる。
古典ヘブライ語なら「カッラ」と読む。
כּלה(KaLe・カレ)=花嫁
の単語は、ユダヤ人の儀式で重要な単語らしい。
חבֿר(KhaVeR・ハヴェル)=友人
イディッシュ語通りに読むと「Kh・V・R」(母音は不明)
ヘブライ語の知識があればחָבֵר(KhaVeR・ハヴェル)と推測できる
ちなみにחָבֵרの綴りは、イディッシュ語だと「KhoBeR(ホベル)」になってしまう
ヘブライ語だと違和感があるスペル
ヘブライ語は、使う文字数が「ほぼ」決まっている言語
あと、使う文字の組み合わせがルール化されている。
そういうヘブライ語の文法知識があるせいで
イディッシュ語の単語に使われているヘブライ文字の並びがを見ると「???」ってなる
בעט(bet・ベト)=ベット
ヘブライ語学習者から見ると、ע(無音)の位置が奇妙に感じる。
ע(無音)の後は、母音が来るイメージなんだけどなー
לערער(LeReR・レレル)=教師
ヘブライ語の1つの単語で、ע(無音)が2つ付くものは見たことない気がする
יאָר(YoR・ヨル)=年
ヘブライ語では、י(Y)の直後にא(無音)が来る単語は無かった気がする。
וויי(Vey・ヴェイ)=痛み
現代ヘブライ語だと「VY」になってしまう。
איך(iKh・イフ)=私
ヘブライ語の知識があると、以下の単語を連想してしまう。
אֵיךְ(eyKh・エイフ)=どのように?
טאָפּ(top・トプ)=鍋
ヘブライ語の場合、単語の最後の文字にダゲシュの点「・」は付かなかったハズ・・・
ヘブライ語的にはטאָף(tof)って書くべきなんだけどな~
下に点「・」を付けるイディッシュ語
文字の下に1つの点「・」を付けると、母音「イ」を示すのがヘブライ語
イディッシュ語も母音「イ」のマークだけど、付ける時のルールがある。
ייִד(YiD・イド)=ユダヤ人
点「・」を付けずにיידと書くと、二重母音と勘違いして「eyD・エイド」と読む可能がある。
רויִק(Ru’iK・ルイク)=静かな
これも、二重母音「oy」と勘違いするのを防ぐために3文字目の下に点「・」を付けている。
でも、ヘブライ語学習者から見たら、2文字目にも点「・」を付けて
רוּיִק
と書いて欲しいんだけどなぁ・・・
真ん中に点「・」を付けるイディッシュ語
וווּ(Vu・ヴ)=どこに
母音記号ありのヘブライ語ならווּ(Vu・ヴ)になりますな。
טוּונג(TuuNG・トゥウング)=行為
母音「ウ」が2連続するのがイディッシュ語
ヘブライ語は、同じ母音が連続することは無い。
同じ母音が連続する時は、まとめて1つの母音として発音するイメージ。
例としてוַ־אֲדֹנָי(Va-‘aDoNaY)
は、母音「ア」が2連続するので「ヴァ・アドナイ」ではなく「ヴァドナイ」と読む。
イディッシュ語の文字と発音まとめ
ヘブライ語学習者の感想
3行で書くと以下
・70%はヘブライ語の知識で読める
・20%はヘブライ語の知識だと間違える
・10%は未知。読めん。
ヘブライ語起源の単語には強い
まぁ、ヘブライ語学習者だから当然だしねwww
でも、元のヘブライ語から発音変わりすぎィ!
せめて語学書くらい、ヘブライ文字に母音記号を振って欲しい。
イディッシュ語の文からヘブライ語を探す
イディッシュ語の文章の中の、どれがヘブライ語の単語なのか?
を探すというワケの分からない遊びも可能かもしれない。
以下は、イディッシュ語の文章。
ヘブライ語学習者「全然読めない・・・」
ちなみに、ヘブライ語の文章は以下。
ヘブライ語学習者「あー、これなら何となく読めるー」
一般人「えーっ?どっちも同じ言語じゃないですかー?」
私「全然違うぞ!」
スラヴ語系の発音はお手上げ
繰り返しになるが、ヘブライ語は「1文字=1子音」が原則
なので、
דזש=「dzh・ジ」
みたいなルールは、全然頭に入ってこない。
まぁ、ヘブライ文字自体はマスターしているから発音だけ覚えればいいのだが。
イディッシュ語も面白そう
と感じるのが語学マニア。
ヘブライ語はお休みして、イディッシュ語を学ぼうかな~?
ヘブライ語は、休眠状態になりそう
アラビア語→ヘブライ語学習に切り替えた時と全く同じwww
ヘブライ語起源のイディッシュ語単語の読み方
マニアックな内容をまとめてみた。