ヘブライ語とアラビア語みたいに隣り合っている国の言語を同時に学ぶと、都合の悪い事が見えてくる

私は、ヘブライ語とアラビア語を同時に学んでいる。
言語が使われている国が隣り合っているので、お互いの国にとって都合の悪い事が見えてくる。




そもそもヘブライ語とアラビア語って何?

ヘブライ語

ニコニコ大百科にある「心ぴょんぴょん」の現代ヘブライ語訳を修正してみた

イスラエルという国で使われている。
ユダヤ人の言語。

アラビア語

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のアラビア語訳を修正してみた

アラブ圏の国で使われている言語。
主にアラブ人の言語。

どちらも右から左に読む言語

日本語とは逆に
←←←←←←

から読む言語です。

 

ヘブライ語の場合
יְרוּשָׁלַיִם הִיא עִיר יִשְׂרָאֵל

←←←←←←←(読む方向)←←←←←←←←

【カタカナ読み】イェルシャライム ヒー イル イスラエル

 

アラビア語の場合
اَلْقُدْسُ هِيَ مَدِينَةُ إِسْرَائِيلِ

←←←←←←←(読む方向)←←←←←←←←

【カタカナ読み】アルクドゥス ヒヤ マディーナトゥ イスラーイーリ

 

なお【カタカナ読み】の箇所は日本語と同様、左から右に読んで、どうぞ。

アラブ人にとって都合の良いアラビア語例文

イスラエルはアラブの領地を占領している

تَحْتَلُّ إِسْرَائِيلُ أَرَاضِيًّا عَرَبِيَّةً وَاسِعَةً
【カタカナ読み】タフタッル イスラーイール アラーズィヤン アラビーヤタン ワースィアタン
【日本語訳】イスラエルは広大なアラブの領地を占領している

例文の引用元

東京外国語大学が出版したアラビア語の語学書から抜粋した。

大学のアラビア語初級表現 P137,201

 

例文作成には,アラブ人留学生も関わっている。
なお、イスラエル人は一人も関わっていない(協力者リストに無いので)

 

ちなみにイスラエルの公用語は、昔は「ヘブライ語」と「アラビア語」の2言語だった。

でも、いつの間にか「アラビア語」が公用語から除外された。
そりゃあ、アラブ人は怒るわな。

イスラエルが実際に占領しているアラブ人の領土

イスラエルの国土全部が、過去のアラブ人の領土です!

 

以下の赤枠が、イスラエルが占領している領土

赤枠をアラブ人の領土にすると、イスラエルという国が消える

 

googleマップ イスラエル

 

イスラエルの中にパレスチナ自治区とかガザ地区とかあるけど・・・
それ以外のイスラエル領土も、元々はアラブ人の土地だったから!

なんでアラブ人にとって都合の良い例文なの?

「イスラエルは広大なアラブの領地を占領している」
だと、イスラエルがアラブを侵略したイメージを持つよね?

 

この例文を思いついたのは、おそらく日本人の先生ではない。
アラビア語の語学書作成に協力したアラブ人留学生だと思う。

 

イスラエルの周りに住んでいるアラブ人は、とにかくイスラエルが嫌い

アラブ圏で売られている世界地図の「イスラエル」の部分は空白になっている。

日本で言うと、北方領土とか竹島が日本領土になっているようなモノ。

 

まぁ、とりあえず
「イスラエルは広大なアラブの領地を占領している」
のアラビア語例文を日本人に教えれば、「アンチ・イスラエル派」が増える。

アラブ人にとっては都合のいい例文ですねぇ~




イスラエル側の言い訳

元は俺たちの領土だぞ!

ここまでは、アラブ人の都合のいい話。

次はイスラエル、つまり「ユダヤ人」にとって都合のいい話をする。

 

イスラエルに「エルサレム」という都市がある。
ここにキリスト教・イスラム教・ユダヤ教の聖地がある。

 

以下の赤丸「エルサレム」

 

「エルサレム」のヘブライ語

יְרוּשָׁלַיִם
【カタカナ読み】イェルシャライム
【日本語訳】平和の町

 

語源は以下だと思われる。

עִיר־שָׁלוֹם
【カタカナ読み】イル シャロム
【日本語訳】「町(連語形)」+「平和(の)」

エッフェル塔の「平和の壁」に書かれているヘブライ語(とアラビア語)

「エルサレム」のアラビア語

اَلْقُدْسُ
【カタカナ読み】アルクドゥス
【日本語訳】神聖(なる都)

 

上記を詳しく分析すると・・・
三語源「Q(ق)・D(د)・S(س)」第1形動詞が元になっている

قَدُسَ
【カタカナ読み】カドゥサ
【日本語訳】神聖である

アラビア語の紹介で良く聞く「三語源」って何よ!?

上記の動名詞(マスダル)が以下
قُدْسٌ
【カタカナ読み】クドゥス(ゥン)
【日本語訳】神聖である事

 

上記に定冠詞「アル」を付けると「アルクドゥス」にある
اَلْ
【カタカナ読み】アル
【日本語訳】その~

なんでヘブライ語とアラビア語で表現が違うの?

別々の民族で、都合のいい事が異なるから。


・イスラエル(=ユダヤ人)
・アラブ人


 

「エルサレム」という都市の歴史をちょこっとだけ説明するんじゃよ!

 

元々あった「エルサレム」という都市は、古代ヘブライ王国の都だったらしい。

 

ユダヤ人「エルサレムはユダヤ人発祥ニダ!」
日本の起源は韓国ニダ!

 

とりあえず、ユダヤ人は「平和の町(=エルサレム)」って名付けた。

 

でもまぁ、「平和の町」は後で古代ローマによって支配されたけど。
(だからキリスト教の聖地にもなっている)

 

その後で、イスラム教徒が侵略してエルサレムを占領した
アラブ人「その都は、”神聖なる都”と名付けたろか!」

 

という訳で同じ都市「エルサレム」でも、ヘブライ語とアラビア語で表現が違うのです!
(※歴史的な説明は、厳密には正しくない部分もあるだろうけど)

ユダヤ人とアラブ人との争い

ユダヤ人「エルサレムはユダヤ人発祥ニダ!」

 

アラブ人「違うぞ。俺たちの聖なる都だ!」

 

ユダヤ人「最初にエルサレムを作ったのはユダヤ人。だから、イスラエルは俺の物ニダ」

 

アラブ人「俺らのアッラー(神)は、元はエルサレムにいたんだぞ」

 

ユダヤ人「ファビョーン」

 

アラブ人「ぐぬぬ」

 

・・・という風に、ユダヤ人は言い訳しているんですね。
(アラブ人もだけど)

ニダー・・・ファビョーン!
ぐぬぬ|元ネタ辞典

イスラエルにとって都合のいい例文は?

ヘブライ語の語学書には絶対載せないであろう例文

先ほどのアラビア語例文を、google翻訳でヘブライ語に訳してもらった

 

google翻訳を元にして、私の方で母音記号を付けたヘブライ語例文にした

 

יִשְׂרָאֵל כּוֹבֶשֶׁת אֲדָמוֹת עֲרָבִיּוֹת עָצוּמוֹת
【カタカナ読み】イスラエル コヴェシェト アダモト アラヴィヨト アツモト
【日本語訳】イスラエルは膨大なアラブ人の土地を占領している

現代ヘブライ語で出てくる「ニクダー」や「ダゲッシュ」って何?

参考までに、動詞のベースとなる「彼は占領した」は、アラビア語とヘブライ語で異なる。
(アラビア語とヘブライ語は近い言語なんだけどね…)

 

アラビア語:
اِحْتَلَّ
イフタッラ
第8形動詞、語源は「ح(Kh)・ل(L)・ل(L)」

 

ヘブライ語:
כָּבַשׁ
カヴァシュ
パアル態動詞、語源はそのまんま

都合の悪い事実は隠す

国にとって都合の悪い事は隠蔽するのが常。

それはイスラエル国家でも同じ。

 

「イスラエルはアラブ領地を占領している」

はイスラエル(=ユダヤ人)にとっては都合が悪い!

 

だから、先ほど載せた
יִשְׂרָאֵל כּוֹבֶשֶׁת אֲדָמוֹת עֲרָבִיּוֹת עָצוּמוֹת

 

みたいなヘブライ語例文なんて絶対に語学書に載せない!

と言うか、検閲的に書けないと思う(イスラエル軍の目もあるし)

ユダヤ人にとって都合のいいヘブライ語例文は?

ヘブライ語の語学書に、以下のような例文があった気がする。
私の方で、google翻訳を参考に作文してみた。

יְרוּשָׁלַיִם הִיא עִיר יִשְׂרָאֵל
【カタカナ読み】イェルシャライム ヒー イル イスラエル
【日本語訳】エルサレムはイスラエルの都市です。

 

「領土」ではなく「都市」と表現しているのがポイント!

 

「領土」だと、まるで(アラブ人を)征服しているイメージがあるよね?
その代わりにぃ~、「都市」という表現におきかえま~す

それに「領土」よりも「都市」の方が良く出てくる単語だから…(震え声

イスラエルはアラブ人から嫌われている

アラビア語の語学書に、こんな例文は無い!

逆にアラビア語の語学書で、以下の例文は見たことが無い。

اَلْقُدْسُ هِيَ مَدِينَةُ إِسْرَائِيلِ
【カタカナ読み】アルクドゥス ヒヤ マディーナトゥ イスラーイーリ
【日本語訳】エルサレムはイスラエルの都市です。

 

エルサレムって、元はアラブ人が住んでいたパレスチナの都市なの。

アラブ人が「エルサレムはイスラエルの都市です」って書いたら、確実に周りのアラブ人から叩かれる

 

アラビア語の語学書に、エジプトとかサウジアラビアなどの話題はよく出て来るけど、「イスラエル」の話題はめったに出てこない。

と言うか
「イスラエルは広大なアラブの領地を占領している」
以外の例文は見た事が無い。

 

なお、イスラエルのお隣の国であるレバノン、シリア、ヨルダンはごくまれに例文に出てくるかな?

パレスチナの例文は、アラビア語上級 (難しいヤツ) の語学書で見たことがある気がする…

アラビア語辞書で「イスラエル」を探してみた

私は「パスポート 初級アラビア語辞典 白水社」というアラビア語-日本語辞書を持っている

この辞書には、4000語くらいのアラビア語単語と例文が載っている。

 

試しに「イスラエル」のアラビア語例文があるか調べてみた。

إِسْرَائِيلُ
【カタカナ読み】イスラーイール
【日本語訳】イスラエル

 

以下の右上にある青枠が「イスラエル」のアラビア語単語

 

確かに単語は載っているんだけど、イスラエルに関する例文が無いwww

一方、他の単語は例文が丁寧に載っている。

 

やっぱり「イスラエル」のアラビア語単語はあまり出てこないんだ・・・
地図に「イスラエル」の存在を抹消するほど、アラブ人は「イスラエル」が嫌いだからね。

語学書そのものが洗脳教材

語学書は都合のいい事しか書かない

ある言語を学ぶと、その国の事情にも詳しくなる。
食べ物とか宗教とか政治とか・・・

 

でもね、語学書はねー
言語が使われている国の都合のいい例文しか書かれていないの!

逆に、都合の悪い例文は少なくとも入門書では書かない!

 

ちょっと考えてみて。

自分が学んでいる言語が使われている国に対してマイナスイメージを持ってしまったら、

「ガーン!ショックー!」
「今までは〇〇国がすばらしい!って思ってたのに・・・」
「もうこの言語、学ぶのやーめた!」

ってなるよね?

 

我が国の言語を学んでくれる人が減るのは避けたい!
観光業としてもマイナスになる。

 

だから語学書は極力、国のプラスの事ばかり学習者に教えるように作られている

実際に隣り合う国の言語を学ぶと

お互いの国の都合の悪い事がよ~く分かる。

 

私の場合は2つですね。


・イスラエルのヘブライ語
・アラブ圏のアラビア語


そもそも2言語を同時に学ぶ人はほとんど居ないのだが

 

2つの言語ごとを学ぶと、例文のパターンもなんとなく見えてくる。

「あー、この言語の例文って、国の都合のいい事しか書いてないなー」
って言うことが丸わかりになる。

 

もっとひどいことを言うと、語学書そのものが国の洗脳教材
小学校で使う教科書と同じ方針で、語学者を洗脳してくる。

だって、国にとってマイナスの事を教えたら観光業が(ry

 

私はヘブライ語とアラビア語を同時に学んでいるので、お互いの国に興味を持って当然!

でも2言語の例文を比較すると、お互いの国の都合の悪い事がなーんとなく見えてしまう。

 

別にイスラエルやアラブ圏の国って、日本よりも素晴らしい国じゃない!
日本みたいにクソな国ですね。ハイハイ。

そもそも「国」はヤクザの縄張りと全く変わらないから・・・

 

って事が分かる。

「〇〇国はすばらしい!」アピールに注意

語学書あるあるwww

まぁ、語学書に限らず海外に関する本とかネットで露骨に

「〇〇国はすばらしい!」

ってアピールしているのを見ると、

「あ~、筆者は〇〇国に洗脳されているなぁ~」

って思う。

 

どの国でも、必ず悪い面はある!
だけど、マイナス面は絶対に隠蔽される!

 

だから、日本に伝わってくる外国の情報は「キレイ事」ばかりになる。

それでは、自分が洗脳されちゃうぅ~
らめぇっ!

語学書から洗脳されないためには?

語学書やその国からの情報だけではなく、幅広い国からの情報を得る!

私の場合はヘブライ語とアラビア語を同時に学ぶ、かな?
(別に、語学じゃなくてもいいんだけどね)

 

まず、ヘブライ語やアラビア語を学んでいる日本人そのものが変わり者。
更に「ヘブライ語×アラビア語」コラボをやっている変人は専門家か私くらい。

「ヘブライ語×アラビア語」コラボをしている日本人って、100人も居ないんじゃないですか!?

 

ネットでggっても
「ヘブライ語」と「アラビア語」のガチな語学内容を書いている(私みたいな)ブログはほとんど無い!
(言語の概要を説明したサイトは除く)

 

やっぱり、1つの言語だけしか学ばない人が多いんだな~
1言語だけだと、その言語習得に熱中しすぎて他の世界が見えなくなる。

 

多くの人だと、以下のパターンに当てはまると思う。
英語は最高!アメリカやイギリスは最高!

 

マイナー言語でも、以下のどちらかに当てはまる人って相当洗脳されているんじゃないかな?

ヘブライ語は最高!ユダヤ人は最高!

アラビア語は最高!アラブ人は最高

 

私はヘブライ語学習がキッカケで、言語を学んでいる国の都合の悪い事に興味を持ってきた。

それを知ろうとする語学者って、相当ひねくれていますな。
へっへっへ。

 

そういう、ひねくれた興味を持つと語学書に対する見方が変わってきて面白いと思った(小並感)