マイナー言語の中級以上の語学書=辞書という話

最近は、辞書ごと読む趣味が流行っている。

英語学習でも辞書を読む学習がオススメされている。

でもマイナー言語の場合は、英語みたいに贅沢を言ってられない。
辞書=語学書になってしまうんじゃね?っていう話




私が学んでいるマイナー言語と語学書の話

ウェールズ語

私は以下のようなマイナー言語を学んでいる。


Rydw i’n dysgu Cymraeg
ラドゥ イン ダスギ カムラエグ
私はウェールズ語を学んでいます


 

話者人口は50万人程度。

ウェールズ語の概要は以下を読んで、どうぞ。

「こころぴょんぴょん」のウェールズ語訳を分析してみた

まぁ、日本人のほとんどは「ウェールズ」という言葉すら知らないだろう。

日本語で書かれたウェールズ語の語学書は2冊だけ!

日本語で出版されているウェールズ語の語学書は、
私の知る限りでは2冊しかない。

当然「日本語ーウェールズ語辞書」なんて無い!

 

英語だと、何百冊も何千冊も語学書があるし、
「日本語ー英語辞書」なんて腐るほどあるんだよねぇ~

英語で書かれたウェールズ語の語学書だと?

日本では需要の低いウェールズ語。
じゃあ、英語版だとどうかって?

幸い、ウェールズ語はイギリスの言語。

なので、英語で書かれたウェールズ語の語学書はある程度そろっている。
(マイナー言語の中では多い方だと思う)

「ウェールズ語中級」以上のレベルの語学書は無い?

英語版の「ウェールズ語入門」みたいな語学書ならamazonでたくさん見つかるんだけど・・・

「ウェールズ語中級」以上の語学書は見つけにくい。
(と言うか、あるのかな?)

 

「ウェールズ語入門」以上のレベルの語学書となると、
どうも英語でウェールズ語について詳しく説明した専門書っぽい感じ。

なんか地雷が多そう。

 

以上の理由より「ウェールズ語中級」以上の語学書は無い!
と私は悟った。




中級以上の語学書=辞書という話

私はこうしてウェールズ語入門書を卒業した

私はウェールズ語入門の語学書を使いつぶした。
(完全にマスターした訳ではないのだが)

ウエールズ語の基本 単行本(ソフトカバー)

この入門書にある単語1000語を全部覚えた。

文法やテキスト文も飽きるほど読んだ。
(100~200回)

ウェールズ語中級に入りたいのだが…

そろそろ1つ上のレベルの語学書で学びたいなぁ~

でも「ウェールズ語中級」以上の語学書なんて無いんだよなぁ~

 

一応、英語で書かれたウェールズ語入門書も買って勉強してみた。

Beginner’s Welsh with Online Audio (Hippocrene Beginner’s)

とりあえず、巻末の単語リストと未知の文法事項を覚えた。

その状態でテキスト文を10回程度読んだのだが・・・
文章の内容が、何だが文法を覚えるために加工されたモノで面白くない!

ネイティブ向けのウェールズ語は全く歯が立たない

ネット検索して出てきたウェールズ語の文章は難しすぎて読めない。

「星の王子様」のウェールズ語版も難しい。

Y Tywysog Bach. Cymraeg: Le Petit Prince, Walisisch

あらかじめ日本語訳を読んでおかないと、内容がさっぱり理解できない。

でも、そこで諦めないのが語学マニア!

 

「ウェールズ語中級」以上の語学書が無いんだったら、
自分で勉強内容を作ればいいじゃないか!

中級以上の語学書は辞書しか無いんじゃね?

私はこれまでに色々とウェールズ語中級以上の勉強方法を探してきた。

その結果「ウェールズ語ー英語辞書」の単語や例文を覚えるのが一番楽で速いんじゃね?
と気づいた。

 

私が使いこんでボロボロになった「ウェールズ語ー英語辞書」が以下
(辞書のカバーが破れている)

Modern Welsh Dictionary: A Guide to the Living Language

 

何度も言うが、「ウェールズ語ー日本語辞書」なんて無い!
だから仕方なく英語版を使っているだけ。

別に英語力アップのために「ウェールズ語ー英語辞書」を使っているわけではない。
ウェールズ語力アップの為である。

 

もし「ウェールズ語ー日本語辞書」があれば
そっちの方をボロボロになるまで使い込んでいたと思う。

マイナー言語の中級以上の語学書=辞書になる理由

マイナー言語の語学書は入門書まで

大きな本屋さんとか、amazonで語学書を探すと
ウェールズ語に限らず、マイナー言語の場合「入門書」のみしか出ないことが多い。

当然「中級」とか「上級」とか言うレベルをハッキリ示した語学書なんて無い!

むしろ「入門」「中級」「上級」でレベル分けされている事をありがたく思うべきだよね~

 

という訳で、マイナー言語の「語学書」と呼べる本は入門書まで!
もっと勉強したい真の変わり者は自分で「勉強内容」を考えて勉強してね!

と言うのが、私の語学経験に基づく結論。

辞書も語学書と考えると?

英語みたいなメジャー言語だと「辞書=言葉の意味を調べる道具」みたいなイメージが強い。
(まぁ、英語辞書ごと読む変わり者もいるのだが)

 

だけど、マイナー言語の場合は「中級」以上の語学書が無いのだから、
「辞書」そのものを「語学書」にするしかない。

ウェールズ語の場合、「ウェールズ語ー英語辞書」は色々ある。
その中で例文がたっぷり掲載されている辞書を選べばいい。

それがウェールズ語「中級」以上の語学書になる。
(他のマイナー言語はOxford辞書とかに例文が付いているかどうか知らんけど)

辞書を「中級」以上の語学書として勉強する

私が使っている「ウェールズ語ー英語」のページの一部を紹介する。

私の場合、以下のルールで辞書にマーカーを引いている。


ピンク=読んで理解できる例文
オレンジ=覚えた単語


 

例としてウェールズ語「dymuno(ダミノ)」の部分を拡大してみた

マーカーがある部分は、自分が理解できる箇所
辞書でマーカーが引いてある箇所だけ読めば、立派な「中級」レベルの語学書になる。

マーカーが無い部分は難しすぎて理解できないところ。
「上級」レベルかな?
まぁ、いつかは理解できるようになるやろ(適当

 

ちなみに、英訳の部分は易しく書かれている。
英語専攻でない私でも、ほぼ全て理解できる。
(たまに理解に苦しむ英訳もあるのだが)

 

今度は「英語ーウェールズ語」のページも紹介しようか。

 

英語の「health」の部分を拡大してみた

名詞としての「health」はウェールズ語だと「iechyd(イェヒド)」
とりあえず、マーカーを引いた例文は100回読んで覚える!

 

・・・という使い方をすれば「中級」の語学書と呼べる。

まぁ、それ以前に辞書の「全部」のページを読んで、
理解できる箇所を探してマーカーを引く作業がしんどいのだが。
(私の場合500ページくらい)

まとめ

やっぱりメジャー言語は勉強しやすい

英語学習の場合、辞書ごと読む学習がオススメされている。
・・・と言えるのは、英語がメジャー言語だから。

別に辞書を読まなくても「中級」とか「上級」向けの語学書で勉強できる。

と言うか「中級」に特化した語学書の方が単語や例文の選び方が優れている(と思う)

学習者は「頻度数」という難しい事は考えなくていい。
語学書に載っている単語や例文を覚えればいい。

本当に英語や他のメジャー言語は恵まれていると思う

マイナー言語の中級以上は勉強しにくい?

マイナー言語を学ぶ場合、辞書ごと読む学習がオススメされている。

・・・と言う話は聞いたことが無い。

 

と言うか、マイナー言語の入門書を卒業したら
次の語学書は辞書しか無いんじゃないかな?(適当

 

まぁ、別に辞書にこだわる必要は無い。
いきなりネイティブが読むような本に挑戦する語学だってあるかもしれない。

だけど、出てくる語彙が難しすぎるから、辞書を何度も引くことになる。
だったら、その辞書に書かれている単語や例文ごと覚えちゃった方が早いんじゃね?

あれ?
辞書が語学書になっている・・・

 

マイナー言語を学ぶと、こういう変な事に気づくのである。

でも覚える苦労は変わらない

今まで「語学書」を中心に述べてきた。

マイナー言語だと勉強方法、すなわち「語学書」探しに苦労する。
その結果、辞書を語学書として使うハメになった人もいる(私です)

 

しかーし!

マイナー言語がメジャー言語よりも苦労するのが「覚える内容探し」

 

でも「覚えるべき内容を覚える」苦労はメジャー言語でもマイナー言語でも変わらない。

例として「おめでとう」という単語を挙げる。


英語(メジャー言語)→「congratulations」

ウェールズ語(マイナー言語)→「llongyfarchiadau」


 

言語がメジャーであろうが、マイナーであろうが、
「congratulations」とか「llongyfarchiadau」という記号を
「おめでとう」として覚える苦労は変わらない。

 

・・・と考えると「マイナー言語は中級以上の語学書が無い!」
というのは語学力が伸びない理由にはならない。

語学書で悩むエネルギーを「覚える作業」に使った方がいいですね~