語学力が急に伸びた人ほど、忘れるスピードも速いよ!っていう話

語学力が急激に上達する人ほど、忘れるのも速い。
その理由を説明します。




「急に上達」の罠

急速に伸びたモノはすぐに衰退する

急に上達するほど、忘れるスピードも速い。

これは語学に限らず、テトリス等の他の分野でも同じ。

ここでは、(語学と全く関係ないが)不動産で説明する。

多摩ニュータウンの事例

それでもあなたは買いますか?新しく開発された分譲地のメリット・デメリットを考えてみた。

「ニュータウン」っていう用語を聞いたことはあるだろうか?
簡単に言うと、何もなかった場所を人工的に開発して人口を無理やり増やしたエリア。

日本の代表的な例として「多摩ニュータウン」がある。

 

不動産の知識があると、wikipedia記事のどこの部分がヤバイのか分かる。

私が特に「ヤバイ!」って感じるのが以下。


>全人口の16%を高齢者が占めるという状況で、高齢化が進んでいる

>2050年には、2010年現在より7%人口が減少し、高齢化率は35%に達すると推計されている

>建築物も同時期に供給されたため一気に経年劣化


 

え?今の高齢者の人口はたったの16%?
五人に一人だから別にヤバくないじゃん!

 

と思う兄貴もいるかもしれない。

私としては住みたい街とは思いませんねぇ~

ニュータウン発展の様子

不動産は、とにかく客に土地や家、マンション等を売りつけて利益をあげたい。
だけど、人気のあるエリアは土地が無くてなかなか不動産が売れない・・・

そこで目を付けたのが郊外にある工業地帯や農業エリアの土地。
その土地代は都心と比べて安く買える。

買った後で、水道や電気などのインフラを同時に作って
その上に家やマンションをどんどん建てる。

そうすれば、従来よりも安い値段で売れる
おまけに開発エリアだから街並みがキレイ、治安が良い
という付加価値を付けれる。

 

そういう街に魅力を感じるのが、子供を持つファミリー層。
ハイペースで建てられた家やマンションを、どんどんファミリー層へ売りつける。

すると、ファミリー層が一斉にニュータウンへ引っ越しする。
その結果、人口が急激に増える。

「急激に増える」というのが重要。

 

人口が急に増えた結果として、学校やショッピングセンター、病院等の
公共施設も一斉に建てられる

ニュータウンは同じファミリー層がたくさんいるから、
町のコミュニティーが活発になりにぎわう。

 

・・・その時点だけ見れば、ニュータウンは魅力的に見えるね。




ニュータウン衰退のはじまり

先ほど述べた「急速に伸びたモノはすぐに衰退する」は不動産でも当てはまる。

 

「人口が急激に増える」を悪い意味で言い換えると

「住民は一斉に老いる」

ニュータウンに住んでいたファミリー層は同時に老いる。

引っ越ししてから20~30年後を考えてみると・・・


・子供は大人になる

・大人になった子供は職を求めて巣立つ
(ニュータウンは郊外にある為、職が見つかりにくい)

・残された住民は、年寄りの父母。
(あとはニートの息子)

・家やマンション、公共施設が同時に老朽化する


 

人工的に開発された町では、20~30年後あたりに高齢化が急速に進む。
これは「多摩ニュータウン」の歴史が証明している。

 

え?外部の人がニュータウンへ移住する事は考慮に入れないの?
と思った兄貴!

そもそもニュータウンは郊外に作られている。
都心から遠い場所なので、人気が無い。

おまけに「ニュータウン」と言っているが、老朽化した建物だらけ。
資産価値が落ちるし、修繕にかかるお金がどんどん上がる。

そしてニュータウンは工業地帯や耕地から人工的に作られた町。
元々は、町として魅力が無い場所だったの!

 

そういう場所に住みたい人がどれくらい居るのだろうか?

ニュータウンがゴーストタウン化する様子

最近、日本では「空き家」が問題になっている。
「空き家」が多いエリアを「ゴーストタウン」と呼んでいる。

それは別に田舎でなくても、都心部エリアでも急速に進んでいる。

 

ニュータウンは、どんどん高齢化して建物も同時に老朽化している。
ここに住みたい!と思う人が減っていく。

すると、家やマンションの資産価値が落ちる。

高齢者が引っ越ししたくても、老朽化した家やマンションが期待通りの値段で売れない。値段を下げても売れない・・・
だから高齢者は同じ町へ居座る。

 

このループで、ニュータウンの高齢化がさらに加速する。

子供が巣立って、高齢化がどんどん亡くなっていくと、町の人口が減る。
するとデパートや病院は売上が減るのでどんどん撤退していく。

 

結果、高齢者がスーパーで食べ物を買いに行くために
わざわざ隣の町へ行かないといけない事態になる。

しかも電車やバス便は減らされて2~3時間に1本・・・
という事態になる。

 

ニュータウンは、いつかは急に衰退する運命になる

 

だから、私は「ニュータウン」と呼ばれるような
人口が急に増えたエリアには住みたいとは思わない。

住むとしたら賃貸だね。

語学は「今」だけを見てはいけない

ニュータウンの「今」だけを見て家を買ってはいけない

ニュータウンは、現在「だけ」みれば


・ファミリー層が多くてコミュニティーが盛ん

・道路がキレイに整備されて歩きやすい

・学校、ショッピングモール、病院が豊富

・居酒屋や風俗店が無いので、治安が良い


 

・・・・みたいな、ファミリー層にとっては魅力的な要素がたくさんある

 

私から言わせてもらうと

「人間の歳を取らなければ、ニュータウンは魅力的な物件だね!」

と回答する。

 

だけど、現在だけではなく20~30年後の未来も考えると
あの「多摩ニュータウン」のような歴史が繰り返されそうで怖い・・・

こんな風に「今」だけ見ないで「未来」も見ると


・家を買うのは危なそうだな~

・いつでも逃げれるように、賃貸にしとこうか


と判断できる。

語学力上達だけに飛びつくな

先ほどの不動産とかニュータウンの事例は
他の分野でも同じことが言える。


急速に伸びたモノはすぐに衰退する!


 

これは語学でも同じ。

「7日でマスターできる英語勉強方法!」
みたいな自己啓発書や怪しいセミナーの通りに、必死になって英語を勉強したとしよう。

 

確かに英語力は急速に伸びると思う。

だけど、その後のメンテナンスをしない限り
ニュータウンと同じ運命になる。

 

英語力のメンテナンスをしないと、どんどん忘れていく
(ニュータウンで言うと「建物の老朽化」)

そして、英語という言語も少しずつ変わっていく。
その「変化」にも対応しないといけない。
(ニュータウンで言うと「住民は年老いる、子供が巣立つ」)

 

要するに「語学力上達」にとらわれて、急に伸びた語学力は
ニュータウンみたいにすぐに衰退するよ!

っていう話。

「今」だけではなく「将来」も見据えた語学をしよう!(提案

人間は全ての事を知ることができない。

 

自分の詳しい分野では将来の事も考慮できるかもしれないが・・・
知らない分野では将来のイメージができない。

だから多くの人は、目先の利益ばかり追い求める。

 

自分の知らない分野に関して3~5年後、強いては10年後のスパンで
「将来」なんて考えたくない。

だって、調べるのが面倒だし・・・

 

そうやって、自分で考える事を放棄した人は

「7日でマスターできる英語勉強方法!」

みたいな自己啓発書や怪しいセミナーに引っかかる。

 

ちょっと考えてみれば、語学は1~2年程度の短い期間では身に付くものではない。
それは、中学校・高校の6年間で英語を勉強しても全然身に付かない経験から分かると思う。

 

そういう経験があると「7日で英語をマスター!」ってありえないでしょ・・

ついでに言うと、7日で身に着けた英語は、7日でキレイさっぱり忘れる。
だって、急速に覚えた内容は急速に忘れるんだもん。

学校の定期テスト勉強をしても、テスト後はすっかり忘れるでしょ?

どうやって語学と向き合えばいいのか?

ニュータウンをマネしてはいけない(戒め

ニュータウンは急速に発展した町。
だけど、急速に衰退するリスクを抱える町でもある。

 

私が、夏休みにサイクリングで埼玉県にあるニュータウンへ行ってみた。

越谷レイクタウン

 

あそこは本当に歩道が広くて自転車が通りやすい。
おまけにでっかいショッピングセンターがあって、買い物には困らない。

ファミリー層が多くて、治安もよさそう。

本当にいい街だなぁ・・・
今だけ見ればね!

 

だけど、私は越谷レイクタウンで家を買いたい!
とは思わない。
仮に住むとしても、すぐに逃げれる賃貸だね。

 

・・・とまぁ、これは語学でも同じ。

語学力を「急速に伸ばす」みたいなケチな事を考えてはいけない(戒め

 

語学力が急速に伸びると・・・
一気に覚えた知識を忘れないようにするためのメンテナンスも大変になる。
毎日が忙しい復習に追われて嫌になる。

ついには復習自体が面倒になり、語学を諦めてしまう。
すると、習った内容を急速に忘れる・・・

 

ああ、ニュータウンの衰退と同じ道をたどっているわ。

ゆっくり学べ!

語学マニアなら、以下のラテン語格言を知っているだろう


Festina lente
フェスティーナ レンテー
ゆっくり急げ


 

要するに、語学力が欲しければゆっくり学ぶのが良い。

 

語学力を身に付けたい!
という目先の事ばかり考えるとニュータウンと同じ結末になる。

急いで覚えた場合、その知識を維持するための復習も大変になる。

ならば、復習の量を減らせばよい。

そのためには、一度に新しく学ぶ量を減らす。
「ゆっくり学ぶ」語学ですな

結局は他人を見ないのが一番やで

多くの人は他の人の語学力を気にするあまり、上達を急いでしまう。
昔の私もそうだった。

だけど、語学力で他人と競う意味はあるのだろうか?
と少しずつ悟ってきた。

 

今でも、知りたい欲求のあまり「急いで学ぶ」語学をやってしまう。

その度に、ニュータウンの事を思い出しながら「ゆっくり学ぶ」ように心掛けている。

学んだ知識を維持するための「復習」の負担を減らして
挫折の確率を減らそうか。

私なりのゆっくり学ぶ語学

今はアラビア語の勉強を再開して、なんだかんだ言って8か月も続いている。

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のアラビア語訳を修正してみた

 

「急いで学ぶ」を諦めたので、8か月学んでも上達はあんまり感じない。

その代わりに、覚えた知識を忘れないための復習はほとんど必要ない。
今はアラビア語例文を書いたノートを毎日2~6ページ程度読んでいる程度。


・この例文は文法的にどう分解できるか?
・動詞の「時制」・「人称」・「数」はどうなっているか?
・名詞や形容詞の3語源は何か?


 

等を軽~く再確認しながらアラビア語例文を読んでいる。

また、アラビア語を別の角度から見るために、ペルシア語も勉強している。
(最近はペルシア語がメインになっているが・・)

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のペルシア語訳を修正してみた

 


急に上達した語学力は、急速に忘れる


これをモットーに語学を続けていこうか。