ウェールズ語の語順は「動詞+主語」が基本だゾ~
だけど「主語」が動詞の前に来ると「強調文」になる。
その時のBOD動詞は、人称に関係なく sy(スィ) や sydd(スィズ) になるんだって、はっきりわかんだね
前回の記事
Bod動詞の三人称・単数だけの形を並べてみた
実は、sy(スィ)やsydd(スィズ)もBod動詞の変化形の中に含まれる。
だけど人称変化が無いので、省略したのよん
sy(スィ)やsydd(スィズ)って何?
とあるサイトからの引用
ウェールズ語をあまり知らない兄貴から見たら、BOD動詞の
「三人称・単数・現在・肯定形」
だけでも色々あって区別が難しいらしい
mae (マエ)
yw (イウ)
ydy (アディ)
sy (スィ)
sydd (スィズ)
上記サイトから引用↓
ウェールズ語は、ゲール語に比べたら綴りから発音が分かり易い言語。
が、文法は鬼畜。bod動詞とか、なにあれ意味分からん。
三人称単数現在肯定形だけでmaeだのywだのydyだのsyddだのsyだのいくつあるんだよ。使い分け方が分からんよ。
↑のBOD動詞は、大まかに2つに分かれる
先ほどの兄貴が挙げたBod動詞の活用形は、大体2つに分けれる。
①通常の使い方「~です」
②強調文「~するのは…(主語)である」
①②それぞれのBod動詞の活用形にコメントを入れてみたゾ~
①通常の使い方「~です」
教科書の最初当たりに出てくるBod動詞の活用形が↓
mae (マエ) → 彼は~である(肯定・標準)
yw (イウ) → mae(マエ)の方言形
ydy (アディ) → 彼は~ですか?(疑問・標準)
ydy (アディ)は、標準ウェールズ語だと「肯定形」ではなく「疑問形」になる。
「疑問形」と言えばoes(オエス)もある。
だけどoes(オエス)は「~を持っていますか?」という所有の表現になる。
違いを整理すると、以下になる。
ydy (アディ) → 彼は~ですか?
oes(オエス) → (非人称)~を持っていますか?
②強調文「~するのは…(主語)である」
教科書の中盤以降で出てくるBod動詞の活用形が↓
sy (スィ) → 強調文・話し言葉
sydd (スィズ) → 強調文・書き言葉
↑の2つのどちらも、強調文で使われる形。
「話し言葉」か「書き言葉」だけの違いっす。
「強調文」って何ですかねぇ…
英語の場合
(ウェールズ語の記事を読むような語学マニアの兄貴なら)
以下の「強調構文」は知っているよなぁ~当たり前だよなぁ?
It is …(主語) that ~
~なのは…(主語)です
↑の場合は、It isの後に来た …(主語)を強調している。
最初のIt(イットゥ)は「それ」を意味する代名詞ではなく、「非人称」であることを示すマーク
It(イットゥ)そのものに意味は持たない。
こういう単語を 虚辞(きょじ)と呼ぶらしい。
ウェールズ語にも「動詞前虚辞(きょじ)」という文法用語があるからね、多少はね?
とりあえず、英語で強調文を作る時は、文頭に
It(イットゥ)
を置く。この後は
be動詞 + 強調したい主語 + that + 主語の説明
という流れになるゾ~
ウェールズ語の場合
記事の最初に説明したけど、もう一度説明するゾ~
語学は繰り返しだって、それ一番言われてるから
ウェールズ語の語順は「動詞+主語」が基本。
英語が「SVO」なら、ウェールズ語は「VSO」
で、主語となるSが、動詞Vの前に来ると「強調文」になる。
その時に使うBOD動詞の形がsy(スィ)又はsydd(スィズ)になる。
あっ、そうだ(唐突)
sy(スィ)やsydd(スィズ)は人称変化しないゾ~
例文を紹介するあるね
文法説明だけだと
ってなる兄貴が全国に 114514人 いると思うんで、例文を紹介するお!
Pwy sydd yn talu?
プゥィ スィズ アン タリ?
誰が支払うの?
Chi sydd yn talu
ヒ スィズ アン タリ
アナタが払います
難聴兄貴に終止符。こ↑こ↓論争の3つの説と4つの検証から結論を見出す記事
上記の例文を英語風に書くと、以下みたいな感じになるゾ~
(It is) who (that) pays?
(It is) you (that) pays
Pwy sydd yn talu?
単語の意味は、以下になる
Pwy(プゥィ)=誰?
sydd(スィズ)=強調の「~です」
yn talu(アン タリ)=支払う
文の最初に来ているのは、動詞ではなく疑問詞 Pwy(プゥィ)
動詞が最初に来ていないので、語順「VSO」から外れてしまう
なので、Bod動詞の通常の活用形は使わない(事が多い)
安易にBod動詞の「3人称・単数」の疑問形 ydy(アディ)を使ってはいけない(戒め
Pwy ydy yn talu? (←NGと思われる例文)
プゥィ アディ アン タリ?
疑問詞 Pwy(プゥィ)が文頭に来たら、じゃけん sydd(スィズ) を使いましょうね~
話し言葉なら、sy(スィ)でもいいゾ^~、これ~
強調文でも通常のBod動詞の変化形を使うことがある
通常のBod動詞の変化形
yw(イゥ)、ydy(アディ)
を強調文で使う例文もある。
だけど本記事では sy(スィ) や sydd(スィズ) の説明なんだよなぁ…
なのでyw(イゥ)やydy(アディ)の事は、一旦忘れてください!オナシャス!
Chi sydd yn talu
前に紹介した例文
Pwy sydd yn talu?
プゥィ スィズ アン タリ?
誰が支払うの?
の文頭にあるPwy(プゥィ)をChi(ヒ)に置き換えると↓になる
Chi sydd yn talu
ヒ スィズ アン タリ
アナタが払います
Chi(ヒ)は、「アナタたち」の意味を持つ人称代名詞。
「君」の丁寧な言い方としても使える。
Chi(ヒ)を使った例文も、動詞が最初に来ていない。
つまり語順「VSO」から外れてしまう
だからBod動詞の通常の活用形ではなくsydd(スィズ)を使う必要があったんですね。
Bod動詞の「3人称・単数」の肯定形 mae(マエ)を使ったら、まずいですよ!
Chi mae yn talu (←NGと思われる例文)
ヒ マエ アン タリ
「sydd yn」の短縮形は「sy’n」
「sy’n」は「スィン」と読む
強調文で使うBod動詞 sy(スィ)やsydd(スィズ) の後にはyn(アン)が続くことが多い。
ウェールズ語話者の兄貴は、いちいち
sydd yn(スィズ アン)
と発音するのが面倒!
なので話し言葉では sy’n(スィン) と省略する事が多いゾ~
短縮形を使った例文
先ほど紹介した例文
Pwy sydd yn talu?
プゥィ スィズ アン タリ?
誰が支払うの?
Chi sydd yn talu
ヒ スィズ アン タリ
アナタが払います
は、以下のように書いてもOK
Pwy sy’n talu?
プゥィ スィン タリ?
誰が支払うの?
Chi sy’n talu
ヒ スィン タリ
アナタが払います
他の強調文に関する文法
3行で書くと?
以下になる
1.sy(dd)を使った強調文を否定する方法
2.sy(dd)を使わない強調文
3.強調文が「目的節」に来る時の表現方法(taw/mai)
文法説明が面倒くさいので
1.~3.の例文を1つずつ挙げて、本記事の締めとする
1.sy(dd)を使った強調文を否定する方法
Nid fi sy’n talu
ニド ヴィ スィン タリ
支払うのは、「私」(強調)ではない
否定を意味する「動詞前虚辞(きょじ)」であるNid(ニド)を文頭に置けば、強調文を否定できる
2.sy(dd)を使わない強調文
Japaneg yw’r iaith anoddaf
ジャパネグ イウ・ル イアイス アノザヴ
一番難しい言語は「日本語」(強調)です
↑の例文にあるBod動詞は yw(イウ)
この前に「日本語」を意味する名詞 Japaneg(ジャパネグ)が来ている。
動詞の前に主語が来ているので、強調文になる。
syddを使わなくても、通常のBod動詞の変化形 yw(イウ)でも強調文を作れる。
3.強調文が「目的節」に来る時の表現方法(taw/mai)
「私は~と言った」
の「~」の部分が「目的節」になる。
Dywedais i taw Japaneg yw’r iaith anoddaf
ダウェデス・ィ タウ ジャパネグ イウ・ル イアイス アノザヴ
一番難しい言語は「日本語」(強調)です、と私は言った
↑は、先ほどの2.の例文の最初に「~と私は言った」を意味する
Dywedais i taw
を追加しただけ。
強調文でない通常の文の場合、bod(ボード)やy(ア)などで「目的節」とつなげる。
でも強調文になると、taw(タウ)やmai(マイ)を使う。
参考までに・・・
taw(タウ)は南部方言、mai(マイ)は北部方言
もっと詳しい文法を知りたい兄貴は
図書館からウェールズ語の語学書を借りて読んで♡