ウェールズ語のbod動詞の活用形を、全ての法・時制で紹介してみた

ウェールズ語のbod(ボード)動詞の活用形は難しいと思われているらしい。

そこで人称・数「彼」だけに絞って、全ての時制のbod動詞の活用形を整理してみた




前回の記事

ウェールズ語は、前置詞人称変化する事を説明した。

【ウェールズ語】前置詞の後に人称代名詞が来たら「前置詞」が人称変化する

bod動詞って何?

bodは「ボード」と読む

板の「ボード」ではない!

船の「ボート」でもないゾ~

「~である」を意味する動詞

英語だと「be動詞」に相当する。

ウェールズ語講座その13~現在形の色々な表現方法

bodは色々な形に変化する

例えば、biim兄貴ことbûm(ビーム)は、bod動詞が変化した形。

 

bûm(ビーム)で「私は~だった(点過去)」の意味になる

ウェールズ語には、biim兄貴の名前を使ったbûm(ビーム)がよく出てくる


Bûm yn Japan
ビーム アン ジャパン
私は、日本に居た (今、どこに居るのかは知らんけど)


 

他にもrydw(ラドゥ)は、bod動詞の活用形。
「私は~である(現在)」の意味になる。

「愛してる♡」はフランス語だとJe t’aime(ジュテーム)。なお、ウェールズ語は


Rydw i’n dy garu di
ラドゥ イ・ン ダ ガリ デイ
私は、君を愛している


ウェールズ語の動詞における法と時制

簡単に言うと?

ざ~っと挙げると、以下になる
インド・ヨーロッパ語族ではよくある事

 

短縮形とか方言、書き言葉などは見なかった事にして・・・

 

ウェールズ語の「法と時制」の組み合わせは9パターンだけ!

ああ~少なくていいっすね~
古典ギリシャ語と比べて(感覚麻痺)

 


1.現在
2.状態の過去
3.点過去
4.未来
5.条件(or習慣)
6.仮定法(現在)
7.仮定法(状態の過去)
8.仮定法(大過去)
9.命令法


 

ちなみに、フランス語は「法と時制」の組み合わせが20パターンもあるらしい・・・

【全20パターン】フランス語-法と時制のまとめ – フラエテュ

人称・数の変化パターンは6つある

これもインド・ヨーロッパ語族ではよくある事。


・私は~です (1人称・単数)
・君は~です (2人称・単数)
・彼は~です (3人称・単数)
・私たちは~です (1人称・複数)
・アナタたちは~です (2人称・複数)
・彼らは~です (3人称・複数)


 

(動詞の活用に「性」の区別は) ないです

(あと、双数は) ないです

「態(たい)」は気にしない

能動態「~する」と受動態「~される」の区別を「態(たい)」と呼ぶ。

 

ウェールズ語の場合、受動態「~される」の活用形は、全ての「人称・数」で共通する。
「分詞」みたいな物なので、本記事では無視するゾ~

ウェールズ語講座その32~主語が無い文の作り方




bod動詞の活用形

更に細かい活用形がある

先ほど挙げたウェールズ語の「法と時制」


1.現在
2.状態の過去
3.点過去
4.未来
5.条件(or習慣)
6.仮定法(現在)
7.仮定法(状態の過去)
8.仮定法(大過去)
9.命令法


 

の内、「1.現在」「2.状態の過去」「話し言葉」の場合、更に3つの活用形がある。

のオレンジを参考にして♡

 

右側に新しく列を追加した

「動詞前虚辞(きょじ)」は、動詞の前に付ける「しるし」と考えて♡

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のウェールズ語を「書き言葉」にしてみた

で、bod動詞の「(直説法)現在」だけでも、更に3つの活用形がある


・現在・肯定形
・現在・否定形
・現在・疑問形


 

「(直説法)状態の過去」も同様に、3つの活用形がある


・状態の過去・肯定形
・状態の過去・否定形
・状態の過去・疑問形


活用形を全部書くには余白が狭すぎるので

活用形のベースとなる(事が多い)のは「3人称・単数」
つまり「彼は~である」の形だけ抜き取ってExcelに書いてみた。

今の時代は、エクセルで語学だしな!

 

「仮定法」にある「-aiは「アイ」ではなく「エ」と読む

 

以下2つはスペルが異なるけど発音が同じになってしまう


「条件法」bydde (バゼ)
「仮定法・状態の過去」byddai (バ)


「3人称・単数」の命令法は省略

「3人称・単数」の命令法はめったに出てこないと思うので省略した

wiktionaryにあるbod動詞の活用表によると…

bydded(バゼド), boed(ボエド), bid(ビド)
が載っているけど、今まで見たこと無いなぁ~

それぞれの活用形の意味

 

「3人称・単数」の活用形の意味を、日本語で書くと以下になる


mae (マエ)=彼は~です
dydy (ダディ)=彼は~ではない
ydy (アディ)=彼は~ですか?
roedd (ロエズ)=彼は~でした
doedd (ドエズ)=彼は~ではなかった
oedd (オエズ)=彼は~でしたか?
buodd (ビオズ)=彼は~だった
bydd (ビズ)=彼は~するつもりです
bydde (バゼ)=もし彼が~であれば…
byddo (バゾ)=もし彼が~なら…
byddai (バゼ)=もし彼が~だったら…
buasai (ビアセ)=もし彼が(あの時)~だったら…


日本語訳は、あくまでも参考にして♡

活用形をジーっと眺めてみると?

全くバラバラではなく、ある程度の共通点がある。

 

箇条書きすると、以下になる


・(直説法)現在形→肯定を除いて「-ydy(アディ)」がベース

・(直説法)過去形→「-oedd(オエズ)」がベース

・(直説法)未来形、条件法、(仮定法)現在+過去→「bydd-(ビズ)」がベース

・(直説法)点過去と(仮定法)大過去→「bu-(ビ)」がベース


 

のベースを元に、前や後ろに文字をくっつけるだけで「3人称・単数」bod活用形が作れる。
これが、ウェールズ語学習者の頭の中の動きっす。

 

もっと細かく説明する のが面倒なので には余白が狭すぎるので
活用形の紹介はここまでにするゾ~

強調文で使うBod動詞の特殊な形

【ウェールズ語】BOD動詞の一種であるsy(スィ)やsydd(スィズ)は「強調文」で使う