外国語を学ぶ時,どうしてもの文法用語の理解が必要になる。
その中で「過去」と「完了」は学生の時に英語の先生から教わるけど・・・
しっかり区別できている大人は少ないように思える。
アナタは「過去」と「完了」をしっかり理解していますか?
「過去」と「完了」理解度チェック
一般人の回答
普通の人に「過去」と「完了」の違いを説明させたら,大体以下のような回答になるだろう。
過去 = 昔,ある動作が行われていた
完了 = ある動作が終わった
それだけだと,「過去」と「完了」の区別を理解しているかどうか分からない。
そこで,追加の質問をしてみる。
「ジャンプする」の動作を「過去」と「完了」の2通りで言うと?
「ある動作」を「ジャンプする」と仮定する。
「ジャンプする」を「過去」と「完了」それぞれで言うとどうなる?
一般人なら、 以下の回答になるだろう。
過去 = ジャンプした
完了 = ジャンプしてしまった
普通の人が、「過去」と「完了」を区別して日本語で説明すると「~した」「~してしまった」という表現になるだろう。
逆に「未来」と「未完了」での2通りで言うと?
「過去」「完了」の逆は「未来」「未完了」になる。
(「未完了」は「不完了」でもOK)
「未来」と「未完了」で「ジャンプする」を日本語で言うとどうなる?
ここらへんで一般人は頭が混乱するだろう。
未来 = ジャンプするだろう
未完了 = まだジャンプしてない???
「過去」「未来」「完了」「未完了」の概念は難しい
普通の人は、ある動作の「未完了」に対応する日本語なんて意識しない。
だから、いきなり「ジャンプする」を「未完了」で言って♡
と言われても、すぐに答えられないだろう。
仮に回答できたとしても・・・
以下のような日本語になるかもしれない。
未完了 = 「ジャンプする」動作が終わっていない。これからジャンプする
言語学に詳しくない人は,おそらく「未完了」を「未来」とごちゃ混ぜした日本語になるんじゃない?
(適当)
「未完了」を文字通りに読むと「まだ動作が完了していない」
だから、動作が行われる時の「時制」は「未来」だと勘違いしてしまう。
(昔の俺です)
アナタは「過去」と「完了」を区別できましたか・・・?
「未来」と「未完了」をしっかり区別できなければ、「過去」と「完了」を区別できているとは言えない。
まさかアナタは
「未完了」=「未来」
と考えてないよね??
英語の授業であった「過去完了」
「過去完了」=「動詞の過去形・完了体」
学生の英語授業で
「動詞の過去完了形」
とかいう訳のわからん文法用語を教わったと思う。
今の私から言わせてもらうと・・・
「過去完了形」っていう書き方が悪いんじゃないか?
と思う。
私なら「動詞の過去形・完了体」と説明する。
「過去完了」を分解せよ!
TOEICのスコア上げに必死になっている
多くの大人は「動詞の過去完了形」を「過去完了」と覚えているんじゃないかな?
でも、実は「過去完了」という文法用語は「過去」「完了」の2つに分割できる。
え?当たり前じゃないの???
と思うかもしれない。
じゃあ、
英語の「過去完了」の反対「未来未完了」で文を作って♡
と言われたら、アナタは一瞬で英文を作れますか?
まぁ、とりあえず「過去完了」を1つのカタマリとして覚えてはいけない!
だから私は「動詞の過去形・完了体」と表現している。
で、「過去」と「完了」の違いって何?
ちょっと難しい「文法カテゴリ」の話
「過去」と「完了」の違いをしっかり説明するために言語学の力を借りる。
その時だけ言語学の知識が役に立つ
「時制」という用語は学校の授業で出てきたと思う。
過去・現在・未来の3つがあったよね?
その「時制」を言語学的な立場で見ると、「文法カテゴリ」の1つにすぎない。
「文法カテゴリ」が「動物」なら、「時制」は「ライオン」みたいな感じ。
「時制(=ライオン)」は、あくまでも「文法カテゴリ(動物)」の1つにすぎない。
ところで・・・
動物はライオンだけじゃない。
他にも色々な動物がいるよね?
例えばペンギンとかトラとかサルとか・・・・
ライオン(=時制)の他にもペンギン(=人称)があるよ。
人称っていうのはね、英語の授業で出てきたよね?
一人称とか二人称・三人称だよ!
他にもトラ(=数)が居るよ!
言語学上の「数(すう)」は「かず」の事じゃないよ!
単数や複数の事だよ!
同じ一人称でも単数だと「私」、複数だと「私たち」になるよね?
これが言語学上の「数(すう)」です。
ライオン(=時制)、ペンギン(=人称)、トラ(=数)の他にも動物(=文法カテゴリ)があるぞ!
ここでは、サルを相(そう)と考えようか。
相(そう)は、別に占いの手相の事じゃないぞ!
さっき出てきた「完了」「未完了」の事だよ!
サル(=相)は動作が「終わった?」「終わってない?」を区別するよ!
まとめると・・・
この地球上(=言語学)には動物(=文法カテゴリ)が居る。
動物としてライオン(=時制)、ペンギン(=人称)、トラ(=数)、サル(=相)等が存在する。
以上が文法カテゴリ(=動物)の説明でした。
ライオン(=時制)とサル(=相)に注目する
今回、見る動物(=文法カテゴリ)はライオン(=時制)とサル(=相)の2種類だけに絞る。
ライオン(=時制)は「過去」「現在」「未来」の3つを区別できる生き物です。
一方、サル(=相)は「完了」「未完了」の2つを区別できる生き物です。
ここまで読んだアナタはもうお分かりだと思うが・・・
「過去」「現在」「未来」
と
「完了」「未完了」
は別物です!
ライオン(=時制)は、ある動作に対して「過去」「現在」「未来」のどれか?
つまり、動作が行われた時の「時刻」しか見ることができない。
ライオン(=時制)には動作の「完了」「未完了」を区別する力が備わっていないんです。
でも、サル(=相)なら動作の「完了」「未完了」を分けてみることができる。
その代わりに、動作が行われた時の「時刻」は理解できない。
ライオン(=時制)は、ずっと時計とにらめっこ
サル(=相)は、ある動作をしている人をじ~っと見つめている。
「過去」が分かるのはライオン(=時制)だけ
「ジャンプする」という動作が
「過去」「現在」「未来」
のどれか判断できるのはライオン(=時制)だけ。
ライオンなら、ずっと時計に注目している。
だから、「ジャンプする」という動作が行われた時点での時刻を覚えている。
そして、ある人は「ジャンプする」と言う。
その時の時刻もライオンは覚えている。
「ジャンプする」という動作が行われた時の時刻は12時15分
ある人が「ジャンプする」と言った時の時刻は12時20分
その場合・・・
12時15分は12時20分より5分前の「過去」
よって、ある人が12時15分に行われた「ジャンプする」を表現するためには、「過去形」を使う必要がある。
逆に
「ジャンプする」という動作が行われた時の時刻は12時25分
ある人が「ジャンプする」と言った時の時刻は12時20分
その場合・・・
12時25分は12時20分よりも5分後の「未来」
よって、ある人が12時20分に行われた「ジャンプする」を表現するためには「未来形」を使う必要がある。
「過去形」かどうか判断できるのは、ずっと時計に注目しているライオン(=時制)だけなんです。
「完了」が分かるのはサル(=相)だけ
「ジャンプする」という動作が
「完了」「未完了」
のどれか判断できるのはサル(=相)だけ。
サルは、ある人が「ジャンプする」という動作をじっと見つめている。
ジャンプが終わったのか?
これからジャンプ始めるのか?
ぴょんぴょんジャンプしているのか?
普段からジャンプする習慣があるのか?
サルは、「ジャンプする」人の動作をじ~っと見つめている。
だから。ジャンプするという動作の「結果」を知っている。
(↑そこ大事)
ライオン(=時制)は時計しか見ていない。
ジャンプする人の動作なんて全く見ていない。
だから、ライオン(=時制)が動作の「結果」なんて分かるハズが無い!
一方、サル(=相)はライオン(=時制)みたいに時計を持っているわけじゃない。
時刻なんて分からない。
だけど、ある人が「ジャンプ」した「結果」だけは分かる。
時刻に関係なく、ある人が「ジャンプ」を終えていれば・・・
その「ジャンプ」は完了した。
つまりサル(=相)は「完了」と回答する。
「完了」かどうか判断できるのは、ずっとジャンプする人を見ている去る(=相)だけなんです。
「ジャンプする」を「過去」「未来」「完了」「未完了」で言うとどうなるの?
日本語はライオン(=時制)やサル(=相)をあまり区別しない世界(=言語)です。
私が「ジャンプする」を「過去」「未来」「完了」「未完了」に分けて言うと・・・
★時制=「過去」、相=「完了」の場合
→「ジャンプしてしまった」
★時制=「現在」、相=「完了」の場合
→「ジャンプした」
★時制=「未来」、相=「完了」の場合
→「ジャンプしてしまうだろう」
★時制=「過去」、相=「未完了」の場合
→「ジャンプしていた」
★時制=「現在」、相=「未完了」の場合
→「ジャンプする」
★時制=「未来」、相=「未完了」の場合
→「ジャンプするだろう」
適当に書き並べてみた。
日本語訳はあくまでも参考。
大切なのはライオン(=時制)やサル(=相)を意識する事です!
人によっては時制が「現在」で、相が「完了」、「未完了」のどちらでも「ジャンプする」の回答になるかもしれないね。