「こころぴょんぴょん」の広東語訳を分析してみた

ニコニコ大百科にある「こころぴょんぴょん」の記事を見ると世界中の全言語に翻訳されている。

中国語を学んだことのある人なら、なんとなく読めてしまう広東語にも訳されている。

その広東語はどうやって翻訳したのかを分析してみた。





「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?

色々な言語で翻訳された「こころぴょんぴょん」を解読してみた

そもそも広東語って何?

広東語は香港マカオで使われる言語。

香港・マカオは中国の南にある。

googleマップ

地図を拡大させると・・・

右の赤丸が香港左の青丸がマカオ

googleマップ

一方、香港の北にある深圳(シンセン)は大陸の中国。

深圳は香港のすぐ隣なんだけど、広東語は全く通じない。

広東語 = 香港・マカオの言語

だと思っていい。

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の広東語訳


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


広東語の発音方法

広東語の発音は中国語と全然違う

日本人が良く言っている「中国語」は中国全土で通じる普通話(プートンファ)」を指す。

こころぴょんぴょんの中国語は、正確には「中国語普通話」

「こころぴょんぴょん」の中国語訳(簡体)を分析してみた

その普通話広東語の発音は全く別物。

日本語の方言が違う、というレベルじゃない。

まるでお互いが外国語。

 

普通話の知識で広東語を聞いても全然理解できない。

中国語(普通話)を勉強した人が広東語を学ぶ場合、新たに発音を覚える必要がある。

声調は9個もある!

声調とは、声の「高さ」を表す。

声の「大きさ」じゃないよ!

 

広東語では声の高さで言葉を区別する。

広東語の声調をまとめると以下

7,8,9番目は軽く発音する軽音(けいおん)を表す。

ちなみに中国語(普通話)の声調は5個だけ。

5番目は軽く発音する軽音を表す。

広東語は普通話よりも声調をたくさん使い分ける言語です。

漢字一つで1つの音を持つ

広東語の漢字一個で1つの音を持つ。

例えば、広東語の「我(ngo5)」をあえてカタカナで書くと「ンゴ」

だけど、実際は「ンゴ」のように発音しない。

1つの音として素早く「ンゴッ!」と発音する。

 

ちなみに「我(ンゴ)」はなんj用語ではない。




広東語を分析するとこうなる

広東語の単語の意味は以下サイトで調べた。

粤语審音配詞字庫(※中国語普通話で書かれている)

「丫」=「ア~」


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


「丫」は感嘆詞。

英語のY(ワイ)ではない!

「我」=「わたし」


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


「我」は普通話でも広東語でも同じ漢字になる。

「嘅」=「~の」


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


「嘅(ge3)」「~の」の意味がある。

「我(ngo5)」+「嘅(ge3)」「私の」の意味を作る。

「嘅(ge3)」は普通話の「的(de)」に相当する。

「心」=「こころ」


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


「心」は普通話でも広東語でも同じ漢字になる。

「怦怦」=「ぴょんぴょん」


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


「怦怦(ping1 ping1)」「ぴょんぴょん」という擬音を表す。

普通話でも広東語でも同じ漢字になる。

「地」=「~の状態で~する」


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


「地(deng6)」は普通話と同じ用法。

「地(deng6)」の前にある「怦怦(ぴょんぴょん)」の状態で、後の「跳(ドキドキする)」をつなげている。

「跳」=「ドキドキする」


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


広東語の「跳(tiu3)」「ジャンプする」という意味もあるんだけど・・

「ドキドキする」という意味もある。

普通話で書くと「心跳(xīntiào)」

普通話のこころぴょんぴょんでは「跳着(tiàozhe)」だけど、広東語では「跳(tiu3)」だけで済ませている。

広東語訳のまとめ


丫^~我嘅心怦怦地跳^~
aa^~ ngo5 ge3 sam1 ping1 ping1 deng6 tiu3^~
アー~ ンゴ ゲ サム パン パン ダン ティゥ


を日本語に直訳すると


あ~、わたしのこころがぴょんぴょんとドキドキしている


広東語の場合、「跳(tiu3)」「ジャンプする」「ドキドキする」を掛け合わせている。

参考までに普通話だと以下になる


啊^~我的心怦怦地跳着^~
Ā^~ wǒ de xīn pēng pēng de tiàozhe^~
ア~ ウォ ダ シン ポン ポン ダ チィァォ ヂェァ


広東語と普通話はお互いに外国語に見えるんだけど・・・

中国語としての根本的な文法は共通しているね!