要するに、BOD動詞の三人称 mae(マエ)と maen(マエン)の使い分け
語学書の最初の方に書いてあるけど、つい忘れがち(N敗)
そもそもBOD動詞って何?
BODは「ボード」と読む
Bob(ボブ)さんではない!
ボードゲームの「ボード」ではない!
ウェールズ語のBODは「ボド」ではなく、「ボード」と発音しますよ~発音しますよ~
行く行く~ヌッ!
英語の「be動詞」に相当
英語と同様に、ウェールズ語も「~です」に相当する動詞があるゾ~
英語→be動詞 (例:am,are,is)
ウェールズ語→BOD動詞 (例:ydw,wyt,mae)
なお、動詞の変化形はウェールズ語の方が圧倒的に多い模様
mae(マエ)と maen(マエン)はBOD動詞の変化形の1つ
英語に置き換えると
mae(マエ)→ he is のis
maen(マエン)→ they are の are
mae(マエ)と maen(マエン)は、どちらもBOD動詞の「三人称」だゾ~
「数(すう)」だけが異なるっす
mae(マエ)→三人称・単数
maen(マエン)→三人称・複数
正確に言うと、直説法・現在形・肯定形・三人称・単数or複数だけど、そんなものなんてなかった、いいね?
BOD動詞の使い方
BOD動詞を使った文を「BOD構文」と呼ぶ
そのBOD動詞は、文の一番最初に置く!
一番最初に置くんだゾ~
大事なことなので、2回言いました。
Ah^~ Mae fy nghalon yn neidio^~
アハ~ マエ ヴァ ングハロン アン ネイディオ~
あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~
↑のMae(マエ)がBOD動詞
文の最初に置いているよーん。
英語みたいに文の2番目に動詞を置いたら、マズいですよ!
(あーん♡強調構文になっちゃうぅ~)
もうちょいシンプルな例文を紹介するゾ~
Mae hi’n rhedeg
マエ ヒン フレデグ
彼女は走っています
↑も同様に、文の先頭にあるMae(マエ)がBOD動詞
「BOD構文」の場合、語順は以下になる
「BOD動詞」+「主語」+yn(アン)+「一般動詞」
↑のyn(アン)って何?
ってなった兄貴は以下を読んで、どうぞ。
主語が「彼ら」の場合はMaen(マエン)を使う
先ほどの例文の主語を変えてみる
先ほどの例文
Mae hi‘n rhedeg
マエ ヒン フレデグ
彼女は走っています
の主語は「彼女」
文の2番目にあるhi(ヒ)が「彼女」を意味する
「人称代名詞・三人称・単数・女性形」だゾ~
(やっぱり文法用語は長い…)
じゃけん、主語を「彼ら」に変えましょうね〜
(人称代名詞・三人称・複数に性の区別は)ないです
「彼女」→「彼ら」(=彼女たち)
hi(ヒ) → nhw(ヌゥ)
nhwは「ヌフゥ」ではなく、例外的に「ヌゥ」って読むんだゾ~
ヌッではない
主語を変えた例文がこ↑れ↓
Maen nhw‘n rhedeg
マエ・ヌゥン フレデグ
彼女たちは、走っています
Maen(マエン)+nhw(ヌゥ)+‘n(ン)
の部分は
「マエ・ヌゥン」
とつなげて読んで行きましょうね~
まるでフランス語みたいだなぁ~(適当
Mae(マエ)の複数形がMaen(マエン)
例文を比べてみるゾ~
主語が「彼女」の場合
Mae hi‘n rhedeg
マエ ヒン フレデグ
彼女は走っています
主語が「彼ら」の場合
Maen nhw‘n rhedeg
マエ・ヌゥン フレデグ
彼女たちは、走っています
主語が人称代名詞の場合(←そこ重要)
動詞の形は「三人称・複数形」であるMaen(マエン)の形を使う。
主語が複数名詞の場合は、Mae(マエ)を使う
要するに、主語が「彼ら」でない場合
ここから、ややこしくなるゾ~
先ほどは、主語が人称代名詞の場合。
Maen nhw’n rhedeg
マエ・ヌゥン フレデグ
彼女たちは、走っています
nhw(ヌゥ)が「彼ら」を意味する人称代名詞・三人称・複数
では、じゃけん「彼ら」を「女の子たち」に置き換えましょうね~
Mae‘r merched yn rhedeg
マエ・ル メルヘド アン フレデグ
その女の子たちは、走っています
文の2番目のmerched(メルヘド)が「女の子たち」で、主語になっている。
主語は複数の「女の子たち」だけど、BOD動詞は単数形のMae(マエ)になっている事に注意ゾ~
「女の子たち」は、「彼ら」のnhw(ヌゥ)に置き換えれるから・・・
BOD動詞はMaen(マエン)になるハズなんだけどなぁ~?俺もな~
アレ?おかしいなぁ~
ん!? まちがったかな…
いいえ、それで正しいです
いいえ、ケフィアです。
先ほどの説明を、もう一回繰り返すゾ~
主語が人称代名詞の場合(←そこ重要)
つまり主語が「彼ら」だと、動詞の形は
「三人称・複数形」であるMaen(マエン)の形を使う。
では、主語が人称代名詞でない場合・・・
つまり主語が「彼ら」でない場合(例:女の子たち)、動詞の形は
「三人称・単数形」(←そこ重要)
であるMae(マエ)の形を使う。
主語が人称代名詞でない、すなわち「一般名詞」の場合
その主語が「単数」であろうが「複数」であろうがMae(マエ)を使うッ!
たとえ主語が「100億個のリンゴ」であったとしてもMae(マエ)を使う
前述のルールは屈折構文にも適用される
Mae(マエ)やMaen(マエン)のようなBOD動詞を使う構文を「BOD構文」って言う。
それに対して、BOD動詞以外の一般動詞を使う構文を「屈折構文」と呼ぶ
要するに、ウェールズ語動詞の形が「三人称・複数」になるのは
主語が「彼ら」の時だけ。
主語が「彼ら」以外の三人称だと、たとえ主語が複数であっても
動詞の形は「三人称・単数」になってしまう。
例えば「(複数の)女の子たち」が主語だと・・・
BOD構文の場合
Mae‘r merched yn rhedeg
マエ・ル メルヘド アン フレデグ
その女の子たちは、走っています
BOD動詞の三人称・複数形のMaen(マエン)ではなく、三人称・単数形のMae(マエ)を使う
屈折構文の場合
Rhediff y merched
フレディフ ア メルヘド
その女の子たちは、走るゾ~
rhedeg(フレデグ)が「走る」と言う意味の一般動詞
この三人称・複数形であるrhedan(フレダン)ではなく、三人称・単数形のrhediff(フレディフ)を使うんやで!
動詞が単数形と複数形で混ざった会話文
新しいBOD動詞の形を紹介
今まで説明したMae(マエ)やMaen(マエン)は、「肯定形」だゾ~
その他にも「疑問形」「否定形」があるゾ~
Mae(マエ)とMaen(マエン)の「疑問形」はYdy(アディ),Ydyn(アディン)っす。
文で説明しても分かりにくいのでぇ~
そんな皆様のためにぃ~
クッキー☆上映会
表に整理してみたゾ~
これを踏まえて、↓の例文を読んで、どうぞ。
複数の女の子に対する質問
Ydy‘r merched yn rhedeg?
アディ・ル メルヘド アン フレデグ?
その女の子たちは、走りますか?
Ydyn. Maen nhw’n rhedeg.
アディン. マエ・ヌゥン フレデグ
(彼女たちは)はい。彼女たちは、走ります
nhw(ヌゥ)は「彼ら」「彼女たち」を意味する人称代名詞ゾ~
性の区別は無いんだって、ハッキリわかんだね。
1つ目の例文を解説
まず、1つ目の例文~
Ydy‘r merched yn rhedeg?
アディ・ル メルヘド アン フレデグ?
その女の子たちは、走りますか?
主語は「女の子たち」と複数形だけど「彼ら」じゃないので、動詞は「単数形」を使う(複数形はNG)
で、三人称・単数・肯定形のMae(マエ)を「疑問形」に変化させたのがYdy(アディ)
Ydy(アディ)を文頭に置くだけで、疑問文が作れる。
ここまではOK?
2つ目の例文を解説
お次の例文にイクぞー!
Ydyn. Maen nhw’n rhedeg.
アディン. マエ・ヌゥン フレデグ
(彼女たちは)はい。彼女たちは、走ります
疑問形・単数形のYdy(アディ)で質問しているのに、応答文は疑問形・複数形のYdyn(アディン)になっていますね~
アレ?おかしいなぁ~
ん!? まちがったかな…
いいえ、ケフィア それで正しいです!
1つ目の例文の主語は「女の子たち」
人称代名詞で考えると「彼ら」に相当する。
「彼ら」に関して質問しているのだから、2つ目の例文で回答する時の主語も「彼ら」になる
だから、動詞は「彼ら」に合わせて複数形のYdyn(アディン)で応答する必要があったんですね。
「彼ら」に関して質問しているのに、「彼女」で答えるのは変でしょ?
単数形のYdy(アディ)で答えてはいけない(戒め
疑問形・複数形のYdyn(アディン)で応答した次に続く文のBOD動詞は、肯定形を使う。
Maen nhw’n rhedeg.
マエ・ヌゥン フレデグ
彼女たちは、走ります
2つ目の例文の主語は「彼ら」なので、肯定形・複数形のMaen(マエン)を使う
もし、2つ目の例文の主語を「女の子たち」と、しつこく繰り返す場合は 肯定形・単数形のMae(マエ)を使うんだゾ~
まとめ
3行で
・動詞の三人称・複数形を使うのは、主語が「彼ら」の時だけ
・主語が「彼ら」以外の三人称の場合、動詞は常に単数形
・単数形の動詞で質問したら、複数形の動詞で回答される事がある
ウェールズ語学習者以外の兄貴が、↑の3行を読んでも、理解できないと思うんですけど(名推理
今までの説明は、書き言葉でも同じ
これまで説明したのは、「話し言葉」
それとは別に「書き言葉」のウェールズ語もある
まぁ、「書き言葉」であっても動詞の単数形・複数形に関するルールは同じなんですけどね。初見さん。
復習の意味で、例文を比べてみよう(提案
話し言葉と書き言葉の例文を比較 その1
話し言葉:
Maen nhw‘n rhedeg
マエ・ヌゥン フレデグ
彼女たちは、走っています
書き言葉:
Y maent hwy yn rhedeg
ア マエント フゥィ アン フレデグ
彼女たちは、走っています
話し言葉(肯定形・複数形)のMaen(マエン)は、書き言葉だとY maent(ア マエント)
「彼ら」を意味するnhw(ヌゥ)は hwy(フゥィ)になる
でも、主語は「彼ら」なので動詞は複数形になる点は共通する。
話し言葉と書き言葉の例文を比較 その2
話し言葉:
Mae‘r merched yn rhedeg
マエ・ル メルヘド アン フレデグ
その女の子たちは、走っています
書き言葉:
Y mae‘r merched yn rhedeg
ア マエ・ル メルヘド アン フレデグ
その女の子たちは、走っています
話し言葉(肯定形・単数形)のMae(マエ)は、書き言葉だとY mae(ア マエ)になる。
主語は「女の子たち」と複数なんだけど「彼ら」では無いので、動詞は単数形を使う。
×:Y maent y merched
〇:Y mae’r merched
「書き言葉」であっても「話し言葉」とあまり違いが無いなぁ~(呆れ
ウェールズ語学習者あるあるwww
本記事で説明した文法に慣れてしまうと、他の言語(例:英語)でもうっかり「単数形」を使ってしまう
英語:
The girls is cute (be動詞は単数のisだとNG)
ウェールズ語:
Mae‘r merched yn giwt (BOD動詞は単数のMaeでOK)