語学マニアの間では密かに人気がある事に定評のあるバスク語は何故か翻訳されていない。
なので私の方で翻訳してみた。
目次
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?
そもそもバスク語って何?
スペインとフランスの隅っこに「バスク」という地方がある。
そこで話される言語がバスク語
なお、バスク語はスペイン語・フランス語と全く異なる言語です!
バスク語とスペイン語・フランス語を混ぜて話しても全然通じませんぞ
なぜバスク語は語学マニアに人気があるのか?
バスク語の魅力を三行でまとめると以下
・完全に孤立した言語
・能格(のうかく)がある
・動詞の使い方が特殊
それを聞いた一般人の反応↓
語学マニアの反応↓
↑の台湾版
完全に孤立した言語
普通の言語の場合、他にも似た言語がたくさん見つかる
例えば以下
英語とドイツ語は似ている
スペイン語・フランス語・イタリア語は似ている
こんな風に、似ている言語をまとめて「言語グループ」と呼ぶ。
家族で例えるなら兄弟みたいなモノです。
じゃあ、バスク語の場合はどうなのかって?
実は・・・
バスク語と似ている言語はこの地球上で一個も存在しない!
完全に一人っ子の言語なんですよ!
能格(のうかく)がある
そもそも「能格」って何?
っていう読者が99%だと思います。
「能格」を真面目に説明すると「心ぴょんぴょんのバスク語」の話から大きく外れる。
なのでウィキペディアを見て、どうぞ
ちなみにグルジア語やウルドゥー語も能格がありますぜ!
動詞の使い方が特殊
動詞を使う場合,ほぼ必ず助動詞がセットで付く
しかも、その助動詞がものすごく活用する。
直説法・現在形だけで90通りも変化するぞ!
Gramatika / バスク語の文法について – バスク語を読もう
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のバスク語訳
Ah^ ~nire bihotza jauzi egin da^ ~
ア^~ニレ ビオツァ ヤウツィ エギン ダ^ ~
最初に言っておくが、このバスク語訳は不完全です!
何故不完全なのか?は続きを読んで♡
バスク語の発音方法
発音はお隣のスペイン語やフランス語と似ている。
(ただし言葉のしくみは全然違う!)
「h」=発音しない
バスクの地方によっては「h」を「ハ」と発音することもある。
本記事では「発音しない」で統一する。
Ah=ア
bihotza=ビオツァ
「z」=「サ」
「ザ」ではなく「サ」です。
(スペイン語と同じ)
bihotza=ビオツァ
jauzi=ヤウツィ
「j」=「ヤ」
「j」の発音がごちゃごちゃしている。
バスク語は「ヤ」
スペイン語は「ハ」
フランス語は「ジャ」
本記事で扱うバスク語の「j」はドイツ語と同じ「ヤ」なので注意!
jauzi=ヤウツィ
発音の参考URL
バスク語会話集 – ウィキトラベル – Wikitravel
バスク語を分析するとこうなる
まずは文に目的語(~を)があるかどうかを見る
先ほど紹介したが、バスク語は「能格」の概念がある言語
「能格」がある言語を扱う場合、動詞の目的語(~を)の存在に注意する。
あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~
の場合の動詞は「ぴょんぴょんする」
動詞「ぴょんぴょんする」に対する目的語(~を)は無い。
よって主語となる「心が」は基本形が使える。
(この時の「心が(=基本形)」を「絶対格」と呼ぶ)
もし、目的語(~を)があった場合は・・・
「心が」の単語を「能格」という形に変える必要がある。
更に、目的語(~を)を「絶対格」に戻す必要がある。
・・・なんかややこしいなぁ~
「Ah」=「あぁ^~」
Ah^ ~nire bihotza jauzi egin da^ ~
ア^~ニレ ビオツァ ヤウツィ エギン ダ^ ~
説明不要の超有名な感嘆詞。
「nire」=「私の」
Ah^ ~nire bihotza jauzi egin da^ ~
ア^~ニレ ビオツァ ヤウツィ エギン ダ^ ~
参考までに「nire」を使った例文を紹介する。
Nire izena ~ da.
ニレ イセナ ~ ダ
私の名前は~です。
「bihotza」=「心が」
Ah^ ~nire bihotza jauzi egin da^ ~
ア^~ニレ ビオツァ ヤウツィ エギン ダ^ ~
この文の主語は「心」
よって「bihotz(心)」という単語を「絶対格 bihotza」の形にした。
「能格」という形じゃないよ!
バスク語で「絶対格」を作る時は
「名詞の基本形」+「a」
でOK
「jauzi」=「ジャンプ(する)」
Ah^ ~nire bihotza jauzi egin da^ ~
ア^~ニレ ビオツァ ヤウツィ エギン ダ^ ~
「jauzi」は「ジャンプする」という意味の動詞
完了体として訳した。
動詞なので、後に助動詞「da」が来る。
「egin」=「~する」
Ah^ ~nire bihotza jauzi egin da^ ~
ア^~ニレ ビオツァ ヤウツィ エギン ダ^ ~
「egin」は「~する」という意味を持つ動詞。
前のjauzi(ジャンプ)とつながっている。
jauzi(ジャンプ) egin(する)=ジャンプする
なお、「egin」は完了体として訳した。
本当は「ぴょんぴょんする」を表すために「未完了体」っていう形を使いたい。
「未完了体」は「完了体」jauziの後に 「-ten」を付けると作れるらしい。
完了体 :jauzi egin
未完了体:jauziten egiten
Gramatika / バスク語の文法について – バスク語を読もう
だけど、未完了体jauziten egitenにしてgoogle検索すると・・・
たったの「3件」しかヒットしない。
(完了体jauzi eginは3000万件くらいヒットする)
要するに「未完了体」の作り方が分からないから仕方なく「完了体」を使った。
「da」=「~です」
Ah^ ~nire bihotza jauzi egin da^ ~
ア^~ニレ ビオツァ ヤウツィ エギン ダ^ ~
「da」は助動詞としての「~です」
必ず動詞とセットになる。
今回はjauzi egin(ジャンプする)とセットになっている。
更に、「da」は文の主語のタイプによって変わる。
主語は「心」だから三人称・単数
以下の形を使うよ!
正確に言うと、「da」は「izan」の直説法・現在形・三人称・単数
バスク語訳のまとめ
Ah^ ~nire bihotza jauzi egin da^ ~
ア^~ニレ ビオツァ ヤウツィ エギン ダ^ ~
を日本語に直訳すると
あぁ^~私の心がジャンプしてしまったですぅ^~
翻訳元となった文の主語は「心」
主語に対応する目的語(~を)は無い!
よって「能格」の形に変えるとかいう面倒くさい作業はやらなくて済む。
バスク語に限らず、「能格」がある言語を「辺境言語」と呼んでいる。
言語学者やマイナー言語をこよなく愛する人たちは~
「能格」がある言語だと聞くと、すぐに飛びついて勉強するんです!
そんなオタク的な言語「バスク語」を学んでみませんか?
なお、筆者はバスク語を勉強したことが無いもよう。