イディッシュ語の文字の読み方を軽く紹介

ヘブライ文字を使うけど、ヘブライ語ではない言語。

そんなイディッシュ語から見たヘブライ文字の読み方を紹介する




ヘブライ語とイディッシュ語の文字の違い

1つの母音

※ヘブライ語は「現代ヘブライ語」とする。
(古典ヘブライ語ではない)

イディッシュ語・ヘブライ語共に、母音は5つ。
「ア,イ,ウ,エ,オ」と、日本語に近い

2つの母音

ヘブライ語の場合、2つの母音専用の表記が無い。
(二重母音自体はある。)

「ay」が顔文字に見えるが、きちんとした文字ですぞ。

子音

ヘブライ語とイディッシュ語で異なる子音だけ示す。

イディッシュ語における子音の読み方

1つのヘブライ文字で1パターンの読み方

左下の 「kh [x]」 は喉を震わせる「h」の音
いびきの呼気音のようなイメージ

2パターンの読み方

ヘブライ文字のそばに「ー」とか「●」とかの符号を付けると、別の読み方になる。

語尾の時だけ現れる子音

単語の一番最後に来た文字の一部は
「語末専用の子音」として書かなければならない。

「m」以外は、線が下に伸びる。

一番下の 「ts [c]」 は、「タチツテト」の「ツ」の子音。

子音を2つ以上組み合わせたケース

大まかに2ケースある。


1.「v」の音を明記

2.ロシア語系や英語系の単語専用 (dz,zh,ch,dzh)


 

 

以上が、イディッシュ語における子音の読み方。

まだ母音の読み方に関して細かいルールがあるのだが、気にしない




実際にイディッシュ語を読んでみよう!(提案)

英語やドイツ語に近い単語

ヘブライ文字は ←←← に向かって読む。
(アラビア語と同じ)

上記から、イディッシュ語は英語やドイツ語に近い言語だと感じ取れる。

まぁ、実際は英語に近い単語ばかりではないのが現実。
(私はドイツ語がほどんど分からないので、ドイツ語単語に関しては何とも言えない)

母音を区切るマークを含む単語

母音の読み方に関して細かいルールが残っていたので、簡単に紹介する。

「i,u」の前後に母音がくっついたり、子音「v,y」がくっつくと、読み方が複数ケースあって紛らわしい。
それを防ぐために、母音を明示するを付ける。

 

他にも区別方法がある。
方法を以下に示す。

読まない文字を含む単語

「i,u」最初に始まる場合、子音「y」や二重母音と区別する必要がある。

そこで、読まない文字 「א」 の出番。

 

「א」に何も符号が付かないと,無音になる。
つまり、なにも読まない。

以上が、基本的な読み方。

 

ヘブライ語由来の単語は、イディッシュ語発音ルールでは読めないのだが

ヘブライ語の単語をイディッシュ語表記で書いてみた

簡単なあいさつ

参考サイトは以下。

イディッシュ語会話集 – ウィキトラベル – Wikitravel

 

なお、上記サイトにおけるカタカナ読みでは「アー」のように母音を伸ばしている箇所がある。
だけど、イディッシュ語の場合、母音の長短で発音を区別しない。

よって、「アー」でも「ア」でもどっちでもOK。

 


גוטן מאָרגן
Gutn morgn (グトン モルグン)
おはようございます



גאָטן אָװענט
Gutn ovent (グトン オヴェント)
こんばんは



אַ גוטע נאַכט
A gute nakht (ア グテ ナフト)
おやすみなさい



װאָס מאַכט איר
Vos makht ir (ヴォス マフト イル)
お元気ですか



װי הײסט איר
Vi heyst ir (ヴィ ヘイスト イル)
お名前は何ですか。



זײַט אַזױ גוט
Zayt azoy gut (ザイト アゾイ グト)
お願いします



אַ דאַנק
A dank (ア ダンク)
どうもありがとう



נישטאָ פֿאַרװאָס
Nishto farvos (ニシト ファルヴォス)
どういたしまして



ענטשולדיק
Entshuldik (エントシュルディク)
すみません



זײַ געזונט
Zay gezunt (ザイ ゲズント)
さようなら


 

なお、イディッシュ語の発音ルール通りに読まない単語があれば、
それはヘブライ語由来だと思えばよい。