「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」をイディッシュ語で作文してみた

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」
の作文をするために必要なイディッシュ語文法を整理してみた。




「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?

以下を読んで、どうぞ

色々な言語で翻訳された「こころぴょんぴょん」を解読してみた

文字と発音

以下を読んで、どうぞ(二回目)

イディッシュ語の文字の読み方を軽く紹介

文法の概要

結論

文法は英語ドイツ語に近い。

「こころぴょんぴょん」のドイツ語訳を分析してみた

必要な個所だけ分類

赤字が,「心ぴょんぴょん」作文の為に必要となる項目

なお、動詞の時制に「進行形」や「過去形(単純過去)」は無い。

基本的な語順

英語やドイツ語と同じSVO型
つまり


主語+動詞+目的語


の語順を好む。

ただし、強調する場合は語順が入れ替わる事もある。

動詞の位置

ドイツ語と同様、動詞は基本的に文の2番目に置かれる。

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の分解

意味上の区切りで分けると?

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」は、大まかに3つの意味に分けれると思う。


1.「あぁ^~」 →感嘆詞
2.「(私の)心が」 →所有代名詞+名詞(主格)
3.「ぴょんぴょんするんじゃぁ^~」 →動詞(直接法・現在形・3人称・単数・繰り返し)


感嘆詞の部分に関して

作文で一番難しい箇所

感嘆詞の翻訳は外国人には難しいので、単純に音訳する。

 

一応、感嘆詞としての「オイ」というイディッシュ語があるらしいのだが・・


אָוי
oy (オイ)
ああ


 

אָויで画像検索すると、以下のようなイメージ。

「ああ、しまった!」みたいなニュアンスなので、「あぁ^~」には不適切だろう(多分)

動詞の部分に関して

3.の「ぴょんぴょんするんじゃぁ^~」は、ストレートではなくて遠回しの言い方と見ることもできる。
(動詞の話法で見ると「条件法」に相当)

 

だが、本記事では単純化するために「ぴょんぴょんするんじゃぁ^~」を

「ぴょんぴょんしている」

というストレートな意味に置き換えて考える。
(動詞の話法で見ると「直説法」)




必要なイディッシュ語文法の紹介

紹介する文法は3つだけ

以下の順番に文法を軽く紹介する


1.所有代名詞+名詞(主格)
2.動詞(直接法・現在形・3人称・単数)
3.SVO語順


所有代名詞+名詞(主格)

「私の~」の語順は以下3ケースがある
(もっとあるかも?)


ケース1:所有代名詞+名詞

ケース2:名詞+(所有代名詞+語尾)

ケース3:定冠詞+名詞+…+人称代名詞<与格>


所有代名詞人称代名詞は全く別物です!

 

上記だけでは何のことか分からないので、例文で示す。

ケース1の例文(所有代名詞+単数名詞)

 

ケース2の例文(名詞+(所有代名詞+語尾))

 

ケース3の例文(所有の与格)

動詞の部分は、とりあえず無視して♡

 

上記の「私の心臓」の部分は,以下のように置き換えれる。(ケース1のパターン)

 

なお、「所有の与格」は現代ドイツ語にもあるらしい。

Title 現代ドイツ語における与格の機能

動詞(直接法・現在形・3人称・単数)

イディッシュ語における動詞の構成は、英語やドイツ語と同様、以下になる。


語幹+語尾


 

動詞の基本形(=不定詞)は2パターンある


ケース1:語幹+ n
ケース2:語幹+ en


 

上記だと分かりにくいので、先ほど示した「鼓動する」の動詞で説明する。

「鼓動する」の場合、ケース1の「語幹+ nになる。
※動詞によっては、ケース2の「語幹+ en」をとる場合もある

 

動詞の直接法・現在形・3人称・単数の作り方は、不定詞と同様に


語幹+語尾


イディッシュ語の場合、上記の語尾は ט (t) で終わることが多い。

 

不定詞


klap + n (鼓動する)


の場合、直接法・現在形・3人称・単数


klap + t (彼は鼓動する)


になる

参考URL
קלאַפּן wiktionary

SVO語順

先ほども述べたが、動詞は基本的に文(の意味上の区切り)の2番目に置かれる。

 

一番簡単な例として、「私は~する」の語順を紹介する。

 

 

もっと長い例文を紹介する。

 

とりあえず、動詞が2番目に来るんだな~
の認識でOK

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の翻訳方法

語順

品詞の並べ方は以下になる


文1
①番目:感嘆詞 (あぁ^~)

文1と文2の間をカンマ等(^~) で区切る

文2
①番目:所有代名詞+名詞 (私の心が)
②番目:動詞 (ぴょんぴょんするんじゃぁ^~)


イディッシュ語の場合、「動詞が2番目」が原則!
(ドイツ語やチェコ語も同様)

「こころぴょんぴょん」のチェコ語訳を分析してみた

 

もし「あぁ^~」に相当する感嘆詞の後で、カンマ区切り等(^~) が無いと・・・
その次は動詞を置かないといけない!

よって、以下の語順になってしまう。


①番目:感嘆詞 (あぁ^~)
②番目:動詞 (ぴょんぴょんするんじゃぁ^~)
③番目:所有代名詞+名詞 (私の心が)


文型としてはVSOになってしまう。
(ウェールズ語と同じ)

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のウェールズ語訳を修正してみた

 

イディッシュ語の場合、名詞に「てにをは」に相当する「格」があるので
語順が変になっても意味は変わらないと思うが・・・

イディッシュ語文法書の規範から外れるんで、とりあえずVSO語順は考慮しない。

品詞の中身

「私の心が」の部分は、先ほど示したケース1の「所有代名詞+名詞」を採用する。

 

「ぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の部分は、


ぴょんぴょんしている


というストレートな意味に置き換えて考える。
(話法は「直説法」、時制は「現在形」)

 

次に「ぴょんぴょんする」の動詞の基本形(=不定詞)を調べる。
その不定詞の語尾を取り除く


語幹+語尾(e,en)


 

「私の心が」は三人称・単数なので、それに対応する語尾をくっつける


語幹+語尾(tが多い)


作文した結果

結論

「ぴょんぴょんする」を英語の「jump」と置き換えて作文した。


אַה^~מיין האַרץ שפּרינגט^~
ah^~mayn harts shpringt
あぁ^~私の心がジャンプします。


解説

英語の「(to) jump」は、イディッシュ語だと以下になる。


שפּרינגען
shpringen


動詞の活用 参考URL
wiktionary שפּרינגען

 

上記の動詞は、基本形(=不定詞)において語尾「en」を持つ
よって動詞を活用させるときは、語尾の「en」を取り除けばよい。


shpringen(語幹+語尾) → shpring(語幹のみ)


 

あとは、直説法・現在形・三人称・単数に相当する語尾「t」をくっつければ動詞の完成!

ね?簡単でしょ? (んなわけあるか)

【オマケ】ヘブライ文字の筆記体バージョン

ヘブライ文字には、英語みたいな筆記体がある。

筆記体については、また今度紹介しようか(紹介するとは言ってない)