おフランス語と同様に、ブルトン語にはリエゾンがある
ブルトン語のリエゾン文法を解説した日本語サイトが見つからないので、多分これが初投稿だと思います。
ブルトン語って何?
フランスで使われている言語
なお、フランス語とは遠い親戚の模様
アイルランド語やウェールズ語に近い親戚
↓アイルランド語
↓ウェールズ語
あっ、そうだ(唐突
コーンウォール語もブルトン語に近い親戚だゾ~
ブルトン語、アイルランド語、ウェールズ語、コーンウォール語の知識がある日本人は、多分ワイしか居ない
ブルトン語のリエゾン(連音化)
そもそもリエゾン(連音化)って何?
韓国語の例を読んで、どうぞ
基本的な考え方
例えば、以下の例文がある
Mont a ra mat
/モン・ダ ラ マト/
元気です
Mont a ra mat
をスペル通りに読むと「モント ア ラ マト」
だけど、実際は Mont と a の間でリエゾン(連音化)を起こして「モン・ダ」と発音する。
Montの語尾 “t” で、次に続く単語の先頭 /a/ が「母音」なので、
発音しやすくする為に
・Mont の語尾 “t” は /d/ と読む。
・Mont と a をつなげて発音する
だからMont aは「モン・ダ」と発音する必要があったんですね。
これがリエゾン(連音化)だゾ~
つなげて読む箇所(リエゾン)は、本記事では「・」で示すんだぴょん。
リエゾンは4種類ある
日本語で書かれたブルトン語の語学書が無いので、文法用語は自分で勝手に決めた。異論は認める。
・軟音化リエゾン(Soft liaisons)
・硬音化リエゾン(Hard liaisons)
・補強リエゾン(Reinforced liaisons)
・連携リエゾン(Strengthened liaison)
えぇ…4つもあるのか…(困惑)
ってなる兄貴が114514人居ると思うので~
まずは2つだけ覚えよう(提案
4つの内、優先して覚えておくのはこ↑れ↓
・軟音化リエゾン(Soft liaisons)
・硬音化リエゾン(Hard liaisons)
↑は、要するに
軟音化=「弱く発音する」音変化
硬音化=「強く発音する」音変化
軟音化の詳しい説明は↓を読んで、どうぞ
硬音化は、アイルランド語だと「暗音化」に相当する
パスワードの暗号化ではない
残った2つのリエゾンは頻度数が低いので忘れて、どうぞ。
本記事では4つのリエゾンを全部説明するんですけどね。初見さん。
軟音化リエゾン
概要
語尾の子音(t,s,k,c’h,p)に続く単語の語頭が「母音」の場合、
子音の発音が弱くなる。
/t→d/
/s→z/
/k→g/
/c’h→h/
/p→b/
↑にある/c’h/は「ハ」に近い音。
詳しくは、後で説明するゾ~
ちなみに、ブルトン語の「母音」は↓
a,i,u,e,o=/ア、イ、ウ、エ、オ/
eu=/エ/ (「オ」の口)
ou=/ユ/ (口を突き出した「ウ」)
ai=/アイ/
ei=/エイ/
その他「鼻母音」もあるけど、リエゾンとは関係ない(と思う)ので、省略ゥ~!(後で説明する)
/t→d/
語尾“t”に続く単語の語頭が「母音」の場合、
“t”の発音が/t/→/d/に変化する
mat eo
/マーデ(オ)/ /’ma:dê/
彼は良い
mat a-walc’h
/マーダワフ/ /ma:daw’ax/
かなり良い
Gant an Aotrou
/ガン・ダン アオトロゥ/
~さん(男)と一緒に
N’eo ket ur paotr
/ネオ ケ・ドゥル ポト/
彼は、男の子ではない
paotr(ポト)=男の子
↑は、スペルと発音が異なる特殊なケース。
丸暗記するしかないんだって、ハッキリわかんだね。
N’eo ket aes
/ネオ ケ・ダエス/
それは、簡単ではありません
serret eo
/セレ・デオ/
それは、閉まっている
n’eus ket unan
/ネス ケ・ドゥナン/
誰も居ないです
ret eo
/レ・デオ/
~しなければならない (彼は~が必要です)
nemet unnek
/ネメ・ドゥンネク/
11個だけ
emaout o skrivañ
/エマウ・ド スクリヴァン/
君は、書いています
skrivañ(スクリヴァン)=書く
の最後にあるñは、前の母音が鼻母音であることを示すマーク。
ñ自体は発音しないゾ~(←そこ重要)
n’emaout ket o lenn
/ネマウト ケ・ド レン/
君は、読んでいないです
n’emaint ket er gêr
/ネマイント ケ・デル ゲール/
彼らは、家に居ないです
o labourat emaout
/オ ラビューラ・デマウト/
君は、働いています
emaout o vont
/エマウ・ド ヴォント/
君は、行く
gant Anna
/ガン・ダンナ/
アンナと一緒に
aet eo d’ar porzh
/アエ・デオ ダル ポルズ/
港へ行った(?)
Labourat a rit
/ラビューラ・ダ リト/
アナタは、働く(?)
gwelout a ran
/グエリュ・ダ ラン/
(?)
/s→z/
語尾“s”に続く単語の語頭が「母音」の場合、
“s”の発音が/s/→/z/に変化する
deus amañ !
/デ・ザマン/
君は、ここへ来い!
Penaos eo ?
/ペナオ・ゼオ/
~はどうですか?
Aes eo
/アエ・ゼオ/
それは、簡単です
/k→g/
語尾“k”に続く単語の語頭が「母音」の場合、
“k”の発音が/k/→/g/に変化する
yaouank eo
/ヤウアン・ゲオ/
彼は、若いです
dirak an ti
/ディラ・ガン ティ/
その家の前
dirak ur stal
/ディラ・グル スタル/
ある店の前で
dirak o stal
/ディラ・ゴ スタル/
店の前で
unnek eur
/ウンネ・ゲル/
11時
pinvidik omp
/ピンヴィディ・ゴンプ/
私たちは、金持ちです
dek eur
/デ・ゲル/
10時
/c’h→h/
/c’h/は、ノド奥をこすらせた「ハ」
/h/は、日本語の「ハ」と同じ
/c’h/と/h/どちらも日本語では区別しない音なので、リエゾンしたかどうか分かりにくいゾ~
Yac’h on
/ヤ・ホン/
私は、健康です
oc’h evañ
/オ・ヘヴァン/
飲む
/p→b/
Hep arc’hant
/ヘ・バルハント/
お金なしで
1つの文で、複数のリエゾンを起こすケース
1つの文でリエゾンは1個だけではなく、2個以上起こすケースもある。
deuet int eus Roazhon
/デエ・ディン・デェス ロアゾン/
彼らは、レンヌから来た
↑は、/t→d/のリエゾンが2連続で起きているゾ~
最初の3単語をつなげるように発音していってね!!!
ez eus unan
/エ・ゼ・ズナン/
1つあります
↑は、/s→z/のリエゾンが2連続で起きているゾ~
emaout oc’h ober
/エマウ・ド・ホベル/
君は~している
↑は、/t→d/と/c’h→h/のリエゾンが同時に起きているゾ~
硬音化リエゾン
概要
語尾の子音(b,g,d,z)に続く単語がzo(ゾ)の場合、
子音の発音が強くなる。
/b→p/
/g→k/
/d→t/
/z→s/
↑の音変化が生じた時、zo(ゾ)の発音は「ソ」に変化する。
/z/→/s/
ちなみに、zo(ゾ)は「彼は~である」を意味する動詞。
主語を強調する時に使うゾ~
/b→p/
pebr zo
/ペプル・ソ/
コショウがあります
pebr(ペブル)の語末の子音は/br/
一番最後の子音は/r/だけど・・・
語末の子音に/b/を含むのでリエゾンを起こす
/g→k/
kig zo
/キク・ソ/
肉があります
/d→t/
tud zo
/トゥト・ソ/
一部の人々が居る
/z→s/
pet zo ?
/ペト・ソ/
それは、いくらですか?
kalz zo
/カルス・ソ/
たくさんあります
補強リエゾン
概要
先ほど説明した「硬音化リエゾン」で、前の単語が音変化しないパターン。
語尾の子音(t)に続く単語がzo(ゾ)の場合、
zo(ゾ)の単語だけ音変化する(硬音化)
/z→s/
なお、語尾の子音(t)は変化しない模様。
/z→s/
pegement zo ?
/ペゲメント・ソ/
いくつありますか?
ugent zo
/ウゲント・ソ/
20個あります
連携リエゾン
概要
語尾の子音(d,m)と、次に来た単語の子音(d,b)の組み合わせによっては
子音の音が変化したり、消えたりする。
/~d d~/→/t/ (/d→t/,2つ目の/d/が消える)
/~m b~/→/m/ (/b/が消える)
/~d d~/→/t/
ed-du
/エ・トゥ/ /e’tu/
そば粉
/~m b~/→/m/
am bo
/ア・モ/ /a’mo/
~しない (誘いを断る時)
まとめ
3行で
・単語間の発音をしやすくする為の音変化がリエゾン
・リエゾンは4種類ある
・「子音→母音」か「子音→zo」の時、リエゾンが起こる可能が高い
おフランス語のリエゾンと似ている
単語間を発音しやすくするために、音をつなげる点では、おフランス語と共通している。
試しにリエゾン無しで発音すると
は~つっかえ
って感じるケースが出てくると思う。
発音の省力化の為に、「は~つっかえ」ってなる箇所は滑らかにしましょー
・・・っていうのがリエゾン。
「ブルトン語 リエゾン」で検索すると?
試しに「フランス語 リエゾン」で検索すると、たくさんのサイトがHITする。
便利すぎィ!
「リエゾン」と言えばフランス語だからね、しょうがないね。
試しに「ブルトン語 リエゾン」で検索すると、なぜかポルトガル語のリエゾンに関するサイトもHITする。
ポルトガル語のリエゾンについて(その1)
↑はブラジルのポルトガル語。
ポルトガルのポルトガル語ではないらしい。
ポルトガル語のlos árboles(ロス アールボレス)
を実際に発音する時はlosárboles (ロサールボレス)と読むらしい。
ブルトン語の場合は、前に来た単語が特定の子音であればリエゾンを起こすんですけどなぁ~俺もな~(意味深)