語学は、結局は「例文暗記」に行き着くよ!っていう話

よくある「こうすれば楽に外国語を覚えれる!」
みたいな、うさん臭い話ではない。

語学はどんな方法でやっても覚える手間は同じなんだけど、
結局は「例文暗記」に集約されるんじゃないかなー?

というのを言語学も交えながら紹介する。




そもそも語学とは何か?

新たな「ことば」を覚える作業

学ぶ外国語の例として、アラビア語を挙げる。

ある人は、アラビア語という「ことば」の使い方を知らないと仮定する。
そういう人が、アラビア語の使い方を覚える。

その「覚える」作業を語学と言う

 

・・・のが一般人が抱くイメージ

そもそも「ことば」って何?

「ことば」を言語学では以下のように定義している。


・でたらめに決まった「音」を持つ

・「音」を2段階に分けて分割できる


 

要するに「音」を使って無限の文を作れるのが「ことば」
詳しく説明すると長くなるんで、以下を読んで、どうぞ。

ピカチュウの鳴き声は「ことば」ではない理由を言語学的に説明してみた

語学はランダムにルール化された「音」を覚える作業

アラビア語という「ことば」が持つ「音」はでたらめに決まっている。

例えば「こんにちは」はアラビア語で「アッサラーム・アライクム」と言う。

 

その「アッサラーム・アライクム」と言う音は、必然的に決まったわけではない。
大昔の人が「こんにちは」の意味を持つ音を適当に決めて、その音を徐々に変えながら現在に至っただけの事。

 

「アッサラーム・アライクム」は、数学や物理みたいに法則性のある音ではない!

人間の口の器官を使って発音しやすいように音を整えているだけ。
その「音」自体に法則は無い。

 

でたらめに決まった「アッサラーム・アライクム」という音が


こんにちは


の意味なんだー、と頭の中で結びつけて覚える作業が語学です!

どんな言語でも習得難易度は同じです!

世間一般では


●●●●語は簡単(すぐにマスターできちゃうYO!)
△△△△語は難しい!(そんな言語を学ぶオレってスゲー)


と言う議論が大好きらしい。

 

だけど、どんな言語であっても習得難易度は同じです!

韓国語とアラビア語の習得難易度は同じである理由を説明してみた【文法編】

 

まぁ、自分の「母語」によって「母語」以外の習得難易度がちょぴっとだけ変わる。
だけど、それは語学の初期段階に限られる。

 

ある程度外国語を学ぶと、ひたすら単語や文法を覚えるモードに突入するので、「母語」の影響なんて関係なくなる。

以上が言語学の視線で見た「語学」の定義。

語学書に「文法」がある理由

「ことば」の定義を改めて復習

「ことば」として成立するためには、以下2つの条件を同時に満たす必要がある。


・でたらめに決まった「音」を持つ

・「音」を2段階に分けて分割できる


上記2つのルールに沿って「音」をひたすら覚えまくる作業が語学

「ことば」を使うためには?

以下の2つができるようになれば良い。


・でたらめに決まった「音」と、それが持つ意味を覚える

・「音」を2段階のステップで組み立てる





組み立て1段階目の「音」=単語

でたらめに決まった「音」から成るのが「単語」
言語学的には「語(ご)」と言うのだが、本記事では無視する

 

「アッサラーム・アライクム」で言うと
「アッサラーム」「アライクム」の部分が単語に相当する。
厳密にはもっと分解できるのだが、説明が複雑になるので無視する

 

「アッサラーム」は「A/S/A/L/A/M」の「音」から成る
「アライクム」は「A/L/A/Y/K/U/M」の「音」から成る

 

「A」とか「L」とか言う「音」の最小単位を組み立てて、一段階目の「音」の塊を作る。
「音」の最小単位を「音素(おんそ)」と言う

組み立て2段階目の「音」=文

「アッサラーム」と「アライクム」で「音」の一段階目を組み立てた。

 

次に「アッサラーム」と「アライクム」という単語(=音の塊)を使って、もう一度組み立てると


アッサラーム・アライクム


になる。

これで「音」を二段階で組み立てた事になり、「文」として成立する。

ここまでのまとめ


「音」の最小単位→「単語」→「文」


の流れで「音」を発声すれば「ことば」として成立するのだから・・・

 

「音」の最小単位を組み立てて「単語」を作り、
その「単語」を組み立てて「文」を作るパターンを覚えまくるしかない。

 

そして「文」は無限に作れるのだから・・・
究極的に言えば例文を一億個覚える必要がある。
(それでも「無限」には全然及ばないのだが)

音を組み立てるルールを整理したのが「文法」

例文を一億個も覚えるのは大変だよね?
そこで「文法」ですよ!

 

「文法」は、音を組み立てて文を作るためのマニュアルにすぎない。


・例文を一億個覚える
・音を組み立てる手順(=文法)を覚える


上記2つのどっちが楽かな?
私なら、迷わず文法の方を選んじゃうね!

じゃあ、文法だけ覚えれば言語習得できるのか?

結論:無☆理

文法は、音を組み立てる手順書。
手順書の内容を完璧に覚えれば、外国語が使えるようになるのか?

結論から言うと、無理です

 

アラビア語の文法書ってあるよね?
あの分厚い文法書の内容を丸暗記したらアラビア語がペラペラになる?

私はアラビア語の文法書を何度も読んで少しずつ文法を身に着けているんだけど・・・
「文法」そのものでアラビア語が使いこなせるとは思えない。

文法は語学の手順書にすぎない

しつこいようだが、「ことば」を使う流れをもう一度示す。


「音」の最小単位→「単語」→「文」


文法は、「音」の最小単位から単語を組み立てて、
その単語を使って文を組み立てる方法を説明しているにすぎない。

語学を野球に例えてみる

「打線組んでみた」はやりません

野球に例えると、バットでボールを打つ手順書かな?
本屋さんで売っている「バッティング技術向上」みたいなアレ

 

野球をやっている人が、「バッティング技術向上」の本を読んだだけで
ヒットとかホームランが打てるようになる?

野球をやっている人の99.114514%の人は


上手くならねーよ!


って即答するだろうね。

 

それは語学でも同じ。

文法を「バッティング技術向上」の本に例えると、
語学は、実際の野球でピッチャーが投げてきたボールをバットで打ち返す動作。

中学校とか高校で英語の授業を受けたことがある人なら、上記の説明に納得できると思う。

文法はバッティングのお手伝い

「文法は不要!」と言っているのではない。

 

実際、細いバットで飛んできたボールを当てるのは難しい。
どうすれば効率よくバットを振ってボールに当てれるのか?

を説明したのが「バッティング技術向上」の本。

 

アラビア語も同じ。
最初の段階では、アラビア語の文の作り方なんて知らない
アラビア語文法を知らないと、アラビア語が読めないし、しゃべれない。

そこでアラビア語の使い方の本を読む。
(もしくはアラビア語ができる人に教えてもらうとか)

 

アラビア語の使い方(=文法)を覚える事で、やっとアラビア語が使えるようになる。
バットを振ってボールに当てれるようになるのと同じ。

 

文法をマスターしたら、あとはひたすら単語や例文を覚えまくる実践モードになる。

野球で言うと、トスバッティングをしたりとかバッティングマシーンでひたすらバットを振る練習をする。
そうしないとバッティングが上手くならないよね?

 

語学が上手くなりたいのであれば、ひたすらバットを振る練習をするしかない。
その練習が「単語や例文を覚えまくる」に相当する。

文法は、「単語や例文を覚えまくる」ための下準備にすぎない。

語学って、結局は例文暗記なのね

例文暗記をしない語学

ネットでggると、やっぱり「例文暗記は不要!」みたいな記事が大量にHITする。
(しかも英語学習のばっかり・・・)

 

逆に聞きたいんだけど、例文を暗記しない語学って何?
ひたすら文法を覚えるだけの語学?

 

例文を暗記しない=外国語に触れない
ってことだよね?

外国語に触れないで、どうやって語学力を上げるのさ・・・?

たぶん、例文を暗記するのが面倒だから、その不満を記事化してるだけでしょ

「多読と精読、どっちがいい?」と言う質問

結論:どっちでもいい

 

語学の方法自体はどうでもいい。
例文を覚えるためには、とにかく外国語に触れるしかない。

 

外国語に触れないで例文を覚えれる人は、以下のどれかに該当すると思う。


・エスパー
・何かの怪しい薬を飲んだ人
・語学教材を売りつけたい詐欺師


 

多読とか精読ってあるけどさー
結局はどっちも外国語に触れているから、いつかは例文を覚えれる。

 

私としては多読や精読(もしくはその他の方法)どっちでもいいんだけど。

とにかく、何度も繰り返し外国語に触れれば・・・
いつかは必ず例文を覚えれるハズ

 

野球だって素振りとかトスバッティングとか、色々な練習方法があるけど、結局はヒットとかホームランを打つための技術を身に着ける為でしょ?

だから


多読と精読、どっちがいい?


と母語で質問する暇があったら外国語に触れろ!

としかアドバイスできない。

英会話スクールに通う必要がある?

英会話の技術を身に付けたいなら、通って、どうぞ。

だけど、英会話をするためには例文のインプットが大量にある事が前提だよ。
文法知識だけでペラペラ話せるようになるとは思えない。

 

家で「バッティング技術向上」の本を読んだだけでホームランが打てるようになったと勘違いする人いるよねー?
英会話スクールに通う人って、まさかそんな人じゃないよね???

英会話スクールの先生「鴨葱から入会費を巻き上げたろか!」

語学試験に向けて勉強する

外国語の使い方を問う問題を解くための基礎知識として文法は必要だろうね。

だけど、出題される問題は文法書に書かれているようなワンパターンではなく、色々なパターンが用意されている。
それに対しても、柔軟に解けるようにするためにはやっぱり例文暗記するのが一番早い。

と言うか、例文暗記無しで語学問題を解けるの?
文法「だけ」で解ける人ってカンニングしているのかな・・・?
と疑ってしまう

 

あと、語学試験にありがちなのが、「〇級」とかスコアアップの称号欲しさに勉強する人
(昔の私もそうだった)

確かに、語学試験でスコアアップしたら嬉しいし、他の人に自慢できるね。

でも、語学ってそもそも何のためにやるんだっけ?
と言う事を忘れないで欲しい。

もしかしたら、アナタは語学検定協会に金を貢いでいるカモになっているカモよ?(ダジャレ)

語学の為に留学するのはオススメしない

ひたすら単語とか例文を暗記する作業が辛い!
でも、外国へ行って「留学」すれば楽(らく)して覚えれるだろう・・・

 

と勘違いしている人が多いように思う。
だから、留学ビジネスの人から搾取される

語学留学をしても意味ないよ!という理由をアフィリエイトの視線で説明してみた

 

私はハッキリ言って留学をオススメしない。
理由は以下の2点


1.留学しなくても語学力は伸ばせる
2.留学するとお金がかかって生活に苦しむ


1.留学しなくても語学力は伸ばせる

語学の本質は「例文暗記」

で、「例文暗記」って海外に行かないとできないものなの?

 

日本では全く知られていないマイナー言語を学ぶ場合なら、
海外に行って、たくさんの文法項目とか例文を得る事ができるかもしれない。

そういう意味では、留学は有意義になるね。

 

だけど、大抵の人が学ぶ言語はメジャー言語
少なくとも、「文字」を持つ言語はメジャーだと思っている。

【ポケモンSV】パルデア地方の偉大な言語学者は「文字」を発明した人です!

 

メジャー言語なら、日本からネットでggれば例文がたくさん転がってくるでしょ?
更に言うと、例文を覚える作業は日本でもできるでしょ?

 

実際、私は留学した事が無いけど中国語・韓国語・アラビア語・ウェールズ語・ロシア語・ポーランド語・ペルシア語・・・等,色々な言語を身に着けているよ!
現在もその言語を使いこなせるとは言ってない

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のウェールズ語訳を修正してみた

2.留学するとお金がかかって生活に苦しむ

留学は当然だが、お金がかかる。
1年あたり約300万〜400万円かかるらしい。

私の一年分の手取りがぶっ飛ぶじゃん・・・
「留学」って、誰が得するシステムだろうね?大学?

 

で、300万円もする留学費用をぼったくられたら支払ったら
大抵の人は「わーん、お金が無いよ~」ってなると思う。

生活に苦しんで語学どころじゃなくなる。
語学以前に「生きるためにどうやって金を稼ごうか?」ということばかり考えてしまう。

そういう状態では、落ち着いて語学ができないよね?

 

だから留学するよりも、自分でお金を稼いで生活していけるだけの経済力を付けた方が良い。

経済力を付ければ、生活に余裕が生まれる。
そういう状態で語学をした方が、お金が無くてヒーヒー嘆きながら留学するよりも語学力が伸びると思うんですけど(名推理)

他の語学方法

他にありがちな語学の手段を以下に示す。


・語学系のアプリを使う
・映画やドラマを見る
・本や新聞を読む
・ラジオを聴く


 

語学の手段は何でもいいのだが・・・
どの方法でも、結局は外国語に触れている。

何度も繰り返して外国語に触れれば、いつかは必ずその例文を覚えれる!

しつこく脳みそにインプット情報を与えれば、いつかは頭の中に入るという感覚は小学校とか中学校で身についている(と思う)

 

語学って、けっきょくは、例文暗記なのね

語学方法に迷ったら例文暗記!

ストレートに「例文暗記」をやってみよう(提案)

語学の方法は何でもいい。
だけど、結局は「例文暗記」に行き着く。

ならば、ダイレクトに「例文暗記」をやってみるのはいかがだろうか?
(特に、伸び悩んでいる人)

 

新たに覚える例文は何でもいい。
文法書にある例文でもいいし、自分の好きなフレーズとか歌でもいい。

とにかく、一つの文を選んでそれを暗唱してみたら?

実際に例文暗唱してみると、色々と見えてくる

すぐに暗唱できる例文はさらーっと飛ばしてよろしい。
その例文と似たパターンは、既に頭の中に入っているのだから。

 

逆になかなか暗唱できない例文があったら・・・
(例文自体が難しいのではなく)その文にある単語とか文法を理解していない証拠。

それが分かったら、覚えていない単語をリストアップしたりとか
文法書をパラパラめくって復習するとか。

自分の弱点を見つけて対策できるよね?

 

え?自分の弱点すら分からないって?
そんな人は、まずは文法書に戻って復習しましょうねー

語学方法なんて人それぞれ

先ほど、私は語学の方法として「例文暗唱」を紹介した。

こうすれば楽に外国語を覚えれる!
みたいなうさん臭い宣伝ではない。

 

「ことば」は、でたらめに決まった「音」から成るのだから・・・
その「ことば」を身に着けるためには、でたらめに決まった「音」のパターンを覚えるしかない!

 

つまり、外国語の例文をとにかくたくさん覚えまくるしかない!
文法というマニュアルもあるんだけど、あくまでも例文を覚えやすくするためのツール

 

「バッティング技術向上」の本は、あくまでもヒットを打てるようにするための補助。
実際にヒットを打つためには、体を動かしてバットを振らないとダメ。

そのバッティングの練習方法は人それぞれ。
その人が自分なりに考えて編み出した練習方法をコツコツと積み重ねているに過ぎない。

「さーて、今日はどんな練習をしようかな~」
と考えて自分なりの方法でバッティングの練習をする。
どんな練習方法であれ、バットを振ってボールを当てる技術を磨く事に変わりはない。

 

それは語学でも同じ!

「さーて、今日はどんな外国語に触れようかな~」
と考えて、自分なりの外国語教材を引っ張り出して外国語に触れる。
でも、どんな方法であれ「例文暗記」である事に変わりはない。

 

だったら、学生時代に戻ってストレートに外国語の例文を暗唱してみたら?
と言うのが私の提案。

 

別にラジオを聞いて外国語に触れる方法でもいいですよ。
その人がラジオで外国語の例文を覚えやすいんだったら、その方法を遠慮なくやって、どうぞ。

「例文暗唱」は苦しい・辛い

暗唱は、学生時代の時に先生からやらされた人が多いと思う。
(私は中学生の時に暗唱させられた)

あと、例文暗唱の作業自体が面白くない。

 

だから英会話とかラジオを聴く、ドラマを見る~
みたいな楽しそうな語学方法が紹介されている。

皆、楽(らく)して外国語を身に付けたいんだね~
へー、(言語学の知識が無くて)うらやましいね・・・

と、私は遠い目で見ている。

 

ドラマで外国語に触れるのはいいんだけどさ~

外国語を身に着ける=例文暗記なのだから

ドラマから本気で外国語を身に付けよう!
と考えたら、最低でも同じドラマを100回は繰り返し見ないといけないんじゃないかな?

 

最後に語学マニアの私から一言

 

語学を舐めんな!

 

お わ り