「閩」の漢字が難しい事い定評のある閩南語(びんなんご)にも訳されている。
その閩南語(びんなんご)はどうやって翻訳したのかを分析してみた。
目次
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?
そもそも閩南語(びんなんご)って何?
中国語の方言の1つ
閩南語(びんなんご)は中国語の方言の1つです。
(言語学では独自の言語という説もある)
参考までに中国語の心ぴょんぴょんが以下。
中国語の方言はたくさんあるよ!
有名なの方言だけ並べると
・広東語
・上海語
・北京語
「広東語」の心ぴょんぴょんも翻訳されているぞ!
閩南語(びんなんご)は中国語の方言に含まるゾ~
・広東語
・上海語
・北京語
・閩南語
ただし、方言とは言っても「広東語」と「閩南語(びんなんご)」は全く別の言語みたいなモノだから勘違いしないでね!
話されている場所
中国の福建(ふっけん)省や台湾辺りで話されている。
中国と台湾の閩南語は方言レベルで異なるらしい。
台湾語は閩南語の方言です!
日本では「台湾語」という言葉を目にする。
だけど、正確に言うと「台湾で話されている閩南語(びんなんご)」
閩南語 ≠ 台湾語
でも「閩南語(びんなんご)」って言われても日本人にはピンと来ない。
なので「台湾語」の呼び方が定着したのだと思います。
「閩」の漢字が難しすぎる
閩南語(びんなんご)は彝語(いご)みたいに難しい漢字を使っている。
「閩」は「ビン」「ミン」「ビ」と読む。
なお、漢検1級でも出題されない模様。
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の閩南語(びんなんご)訳
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
閩南語(びんなんご)の発音方法
3行でオナシャス!!!
・古代中国語の音の一部が残っている
・声調は7~8個 (※中国語は4個+軽音)
・文の位置によって、声調が変わる
そもそも声調って何?
1つの単語内で声の「高さ」を変える方法だと思ってくれ。
詳しく説明すると長くなるから以下記事を読んで♡
「声調が変わる」って何?
中国語の場合、声調は変わらない!
(例外として「不(bu)」や「一(yi)」は声調がコロコロ変わる)
だけど閩南語は文の位置によって声調が変わる。
私は「中国語」には詳しいけど「閩南語」は全く分からない。
なので説明できるのはここまで。
許してクレメンス
閩南語(びんなんご)を分析するとこうなる
単語の意味を調べる方法
残念ながらネットには「閩南語→日本語」の辞書は無い!
なので「閩南語→中国語」のオンライン辞書を元に解説する。
ちなみに上記の辞書は台湾版なので繁体字(はんたいじ)で書かれています。
「啊」=「あぁ^~」
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
閩南語「啊(Ah)」は中国語の「啊(Ā)」に相当する。
日本語の「あ~」、英語の「Ah」と考えてOK
中国語での説明
放在句首,表示驚奇、醒悟等情緒。
Fàng zài jù shǒu, biǎoshì jīngqí, xǐngwù děng qíngxù.
文の最初に置いて、驚きや気づき等の感情を表す
「我」=「わたし」
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
閩南語「我(Guá)」は中国語の「我(Wǒ)」に相当する。
日本語なら「わたし」、英語なら「I」になる。
中国語での説明
第一人稱代名詞
Dì yī rénchēng dàimíngcí
一人称の代名詞
「的」=「~の」
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
閩南語「的(ê)」は中国語の「的(de)」に相当する。
日本語なら「~の」、英語なら「~of」になる。
中国語での説明
連結修飾語與被修飾語,用以表示屬性。
Liánjié xiūshì yǔ yǔ bèi xiūshì yǔ, yòng yǐ biǎoshì shǔxìng.
修飾語と被修飾語をつなげて、属性を示す。
今回の修飾語は「私(Ah)」、被修飾語は「心(sim)」になります。
「心」=「こころ」
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
閩南語「心(sim)」は中国語の「心(xīn)」に相当する。
日本語の「心」と同じ感覚だと思っていい。
「咧」=「~しているところだ」
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
閩南語「咧(teh)」は中国語の「在(zài)」に相当する。
日本語で説明しにくい単語の1つです。
「咧(teh)」を無理やり日本語に訳するならば「~しているところだ」
次に続く動詞「噗噗(=ぴょんぴょん)」が進行中であることを表す。
中国語での説明
表示正在做某事,後接動詞。
Biǎoshì zhèngzài zuò mǒu shì, hòu jiē dòngcí.
今、まさに何かをやっている事を表す。後に動詞が続く。
「噗噗」=「ドキドキ、バクバク」
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
閩南語「噗噗(pho̍k-pho̍k)」は中国語の「怦怦(pēng pēng)」に近い。
日本語に訳すると「心臓がドキドキする音。」
中国語での説明
心跳聲。
Xīntiào shēng
ドキドキする音
心ぴょんぴょんの「ぴょんぴょん」の部分を閩南語では「ドキドキ」として訳している。
また、閩南語「pho̍k-pho̍k」が「ぴょんぴょん」の音と似ているね。
なので「噗噗」=「ぴょんぴょん」と解釈してもいいかもしれない。
「跳」=「ジャンプする」
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
閩南語「跳(thiàu)」は中国語の「跳(tiào)」に相当する。
日本語なら「跳ぶ、ジャンプする」の意味にある。
先ほどの「噗噗(ドキドキ)」した状態でジャンプしている、と表現している。
中国語での説明
以腳蹬地,身體往上、往下或向前的動作。
Yǐ jiǎo dèng dì, shēntǐ wǎng shàng, wǎng xià huò xiàng qián de dòngzuò.
足で地面を蹴って体を上へ、そして下や前へ動かす動作
閩南語(びんなんご)訳のまとめ
閩南語と中国語の訳を比較
1.閩南語
啊^~我的心咧噗噗跳^~
Ah^~ Guá ê sim teh pho̍k-pho̍k-thiàu^~
ア~ グァ ア シム テ プォ プォ ティアウ
2.中国語
啊^~我的心怦怦地跳着^~
Ā^~ wǒ de xīn pēng pēng de tiàozhe^~
ア~ ウォ ダ シン ポン ポン ダ チィァォ ヂェァ
最初の「啊^~我的心」の部分は共通している。
その後が異なる。
閩南語を中国語風に置き換えてみる
閩南語「咧噗噗跳( teh pho̍k-pho̍k-thiàu)」を中国語風に訳すると以下になる
(※正しい中国語ではありません)
在怦怦跳
Zài pēng pēng tiào
ドキドキと(=ぴょんぴょん)ジャンプしているところだ
それに対して、中国語訳は
怦怦地跳着
Pēng pēng de tiàozhe
ぴょんぴょんとジャンプしているところだ
閩南語と中国語の違い
違いは以下の2点
1.「ぴょんぴょん」の表現方法
2.「ジャンプする」という動作の進行を表す方法
「ぴょんぴょん」の表現方法
中国語の文法上では、動詞「ジャンプ」に「ぴょんぴょん」をくっつける場合、間に「地(de)」を挟む必要がある。
怦怦地跳
Pēng pēng de tiào
でも閩南語の場合は「地(de)」に相当する単語で挟んでいない。
怦怦跳
pēng pēng tiào
単純に「ぴょんぴょん」と「ジャンプ」をくっつけただけの形になっている。
「ジャンプする」という動作の進行を表す方法
閩南語の場合、動詞の前に「咧(teh)=在(zài)」を置いている。
それに対して中国語は、動詞の後に「着(zhe)」を置いている。
どちらも「~している」という進行を表している。
比較言語学をやりたければ1つの言語に詳しくなれ!
私の専攻言語は一応中国語で~す。
(今はアラビア語を勉強しているけど)
まぁ、私は一般人よりも中国語にかなり詳しい人だと思ってくれ。
そういう人の場合・・・
中国語と似た言語「閩南語」や「広東語」と比較して、考察を何ページでも書ける。
比較言語学をやるなら、まずどれか1つの言語を深く学ぶ必要があるんだってはっきりわかんだね。