東南アジア言語の中では文字が覚えやすい事に定評のあるベトナム語にも翻訳されている。
そのベトナム語を解読してみました。
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?
ベトナム語って何?
使われている場所
「ベトナム語」の文字通り、ベトナムで話されています。
なお、ベトナム全土でベトナム語が使われているわけではない模様。
中国語やカンボジア語も使われています。
特徴
東南アジアの言語(タイ語など)は、基本的にインドの影響を受けている。
だけど、ベトナム語は中国語や漢字の影響を受けています。
例えば・・・
・声調がある
・漢字語が元になった単語が多い
ベトナム語を全く知らない中国語学習者がベトナム語を読むと、なんだが中国語っぽく感じる。
(内容は全然分からないが・・・)
ベトナム語訳
ニコニコ大百科にあったベトナム語訳が以下。
Oh^~ tôi đang hopping để trái tim^~
オホ~^~トィ ダン ホッピン デ チャィ ティン^~
一方,チュノム訳(ベトナム語の漢字版)が以下
啊^~[果吏]心碎當䟢^~(※[果吏]は1字)
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
「ベトナム語訳」だと「hopping」という文字がある時点で機械翻訳だと分かる。
なので、本記事では「チュノム訳」の元になったベトナム語を用いて解説する。
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
ベトナム語の発音方法
声調が6個ある
先ほど、ベトナム語は中国語と同様に声調があると述べた。
声調については以下記事を読んで、どうぞ。
声調を簡単に言ってしまえば、1つの文字内で声の高さを変えるルール。
そういうルールがベトナム語では6パターンある。
以下のような感じで声調を使い分けるらしい。
こう見ると、中国語(普通話)の声調がシンプルだな~と思う。(簡単とは言ってない)
声調はどうやって見分けるの?
単語の上に付いている線で見分ける。
例えば「trái(チャィ)」は、「a」の上に「/」が付いている。
この声調の場合,以下のように音の高さを変える。
こういう声調記号が5個ある。
(何も付いていないのが1番目の声調)
ベトナム語における6個の声調を整理すると以下になる。
なお、本記事では声調について細かく解説しない。
私はベトナム語を勉強していないから、仕方ないね
文字の読み方
大体英語と同じ文字を使う。
その文字に、なんか線や点を付け加えたのがベトナム語の文字です。
東南アジア言語の中では、文字を一番早く覚えることができる言語じゃないかな?
(適当)
発音に関してまとめると、
・半分は英語風でOK
・残りの半分はベトナム語独特の発音
と言った感じ。
「a」=「アー」
ベトナム語における「a」は「ア」ではなく「アー」
A=アー
もし、「ア」と発音したければ、「ă」と書く。
ルーマニア語で出てくる文字だね。
「tr」=「チャ」
「tr」は1つの子音と考えて発音する。
「トル」ではなく「チャ」
trái=チャィ
なお「r」単独だと「ザ」になる。
語末の「i」=弱い「イ」
通常の「i」は「イ」と発音する。
でも、単語の最後に「i」が来たら弱く「ィ」と発音する。
trái=チャィ
語末の「m」=「ン」
「サンマ」と言う時の「ン」の音になる。
tim=ティン
韓国語の語末(パッチム)「ㅁ(m)」のような感じだね。
「ô」=「オ」
「o」の上に「^」が付いているけど、日本語の「オ」とほぼ同じ。
tôi=トィ
なお、ベトナム語の「o」は「口を広く開けたオ」になる模様。
「đ」=「ダ」
一目でベトナム語だ!と分かる文字。
実は、読み方は日本語の「ダ」とほぼ同じ。
đang=ダン
なお、「d」だと「ザ」の音になる。
なんでぇ~???
語末の「ng」=「ン」
「マンガ」と言う時の「ン」の音になる。
đang=ダン
中国語の「ng」の発音方法と似ているね。
「nh」=「ニャ」
ベトナム語の「nh」はスペイン語やポルトガル語のアルファベット「ñ(ニャ)」と似ている。
nhảy=ニャィ
語末の「y」=弱い「イ」
nhảy=ニャィ
語末の「i」と同じ音になる。
ベトナム語を解読してみた
「A」=「あ~」
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
啊^~[果吏]心碎當䟢^~(※[果吏]は1字)
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
「A」は「あ~」を意味する感嘆詞。
これを漢字(チュノム)で書くと「啊」になる。
「啊」は中国語でも「あ~」の意味を持つ単語になります。
「trái」=「~個」
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
啊^~[果吏]心碎當䟢^~
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
「trái」は次に続く「tim(心)」とセットで使われる。
後に来る「tim(心)」という名詞の種類を決めるために使う単語。
日本語でモノを数える時、「~個」「~匹」とか言うよね?
そういう「個」「匹」に相当するベトナム語が「trái」です。
「tim」=「心」
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
啊^~[果吏]心碎當䟢^~
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
「tim」のチュノムが「心」なので、日本人なら一発で意味が分かるだろう。
ベトナム語の「心(tim)」=日本語の「心」
です。
「tôi」=「私」
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
啊^~[果吏]心碎當䟢^~
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
「tôi」自体は「私」の意味です。
でも、「tôi(私)」の前に名詞を付けると、「tôi」自体が「私の」の意味に変わる。
今回なら、「tôi」の前に「trái tim(心)」の名詞が来ているね。
だから「trái tim tôi」で「心、私の」と解釈できる。
ベトナム語は語順で単語自体の意味を変える言語だって、はっきりわかんだね。
「đang」=「~しているところだ」
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
啊^~[果吏]心碎當䟢^~
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
「đang」は動詞の現在進行形を表す。
次の「nhảy(ジャンプする)」へつながっている。
「nhảy」=「ホップする」
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
啊^~[果吏]心碎當䟢^~
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
「nhảy」のチュノムが「䟢」
日本人なら漢字の方を見れば、なんとなく意味が分かるかもしれない。
「nhảy」は「ジャンプする」「ホップする」の意味を持つ動詞。
なお、ベトナム語の動詞は全く活用しない。
(中国語と同じ)
まとめ
ベトナム語訳全体の整理
A^~ trái tim tôi đang nhảy^~
啊^~[果吏]心碎當䟢^~
アー^~チャィ ティン トィ ダン ニャィ
上記をそのまま日本語の単語で並べると
あぁ^~心、私の、ちょうどホップしているところです^~
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」に近い意味になったね!
ベトナム語と中国語における「私の」の分析
ベトナム語と中国語の違いとして「私の」の語順が挙げられる。
「私の」のベトナム語・中国語訳を以下に示す。
ベトナム語
trái tim tôi
チャィ ティン トィ
中国語
我的心
Wǒ de xīn
ウォ ダ シン
ベトナム語や中国語では「私の」自体の単語は存在しない。
語順によって「私」の単語に「の」の意味を添える。
その語順がベトナム語と中国語で逆になっている。
ベトナム語における「私(tôi)」は「心(trái tim)」の後に来ている。
それに対して中国語は「我(wǒ)」の後に「心(xīn)」が来ている。
また、中国語では「~の」に相当する「的(de)」を挟む必要がある。
それに対してベトナム語では「的(de)」に相当する単語が不要になっている。
ベトナム語と中国語は近い言語と言われているが・・・
細かい箇所を見ると大きな違いが見つかって面白い。
これだから多言語学習は止められない。