「限定」と「非限定」で使い分けるウェールズ語の単語を整理してみた

ある名詞が「限定」「非限定」かで、使い分けるウェールズ語単語がある。
ワイが知る限りでは、2つだけですが・・・




そもそも「限定」とか「非限定」って何?

期間「限定」とは関係ない!

これだけははっきりと真実を伝えたかった。

英語の冠詞”the”と”a”の区別

冠詞“the”が付いた名詞は「限定」だゾ~
世界に1つしか無いモノであることを示す。

 

あっ、そうだ(唐突
ある地名とか人名は世界に1つしか無いから、冠詞“the”は付けないゾ~

え?The New York Times?知らんな?

 

一方で冠詞“a”が付いた名詞は「非限定」になるゾ~
誰のモノか、ハッキリ特定できないんだって、はっきりわかんだね。

 

「限定」か?
「非限定」か?

の区別を、言語学では定性(ていせい)と呼ぶのです!

 

詳しく説明すると長くなるから、続きはウィキペディアを読んで、どうぞ。

定性 wikipedia

ウェールズ語にも定性(ていせい)はある

と言うか、定性(ていせい)の区別が無い言語なんて無いと思うんですけど(名推理

 

ウェールズ語の場合、冠詞の有無で区別するゾ~


限定 → 名詞の前にy(ア)を付ける (“yr” “r” の形もある)
非限定 → 何もつけない


詳しくは以下を読んで、どうぞ

ウェールズ語講座その22~冠詞の使い方

(ウェールズ語に不定冠詞なんて)ないです

限定と非限定で使い分ける単語

結論

ワイが知る限りでは、2つだけ


・存在の疑問文 Ydy(アディ)とOes(オエス)

・「~の中に」を意味する前置詞 yn(アン)とmewn(メウン)


表でまとめると

 

それぞれ、簡単に説明するゾ~

Ydy(アディ)とOes(オエス)の違い

「~がありますか?」と質問する時、英語だと
Is there~?
を使う。

複数形の場合は
Are there~?
を使う

英語だと、複数形もある事を忘れていたのは内緒
ウェールズ語では人称代名詞nhwを除く複数形でも、bod動詞は常に単数になるからね、しょうがないね

5分でわかる!There is ~ の否定文、疑問文

 

ウェールズ語の場合は、英語の“there”に相当する単語は使わない。
基本は、be動詞の3人称に相当する動詞文頭に置くだけでOK

ウェールズ語講座その16~存在表現「~があります」

ただし、be動詞3人称・単数(・疑問形)2つの形がある。
Ydy(アディ)とOes(オエス)ね!

(正確に言うと、他にydi, yw, ydyw, sydd, syの形もあるのだが)

【ウェールズ語】BOD動詞の一種であるsy(スィ)やsydd(スィズ)は「強調文」で使う

 

「~がありますか?」と尋ねるモノ・人


「限定」の時→Ydy(アディ)
「非限定」の時→Oes(オエス)


 

例えば「男の子」を意味する bachgen(バフゲン)で例文を紹介するゾ~


・Ydy‘r bachgen?
(その)男の子は、居ますか?(限定)

・Oes bachgen?
(ある)男の子は、居ますか?(非限定)


冠詞 y(ア)が付く場合は、Oes(オエス)は使わないゾ~

の例文だと、‘rの部分がが冠詞




yn(アン)とmewn(メウン)の違い

「~の中に」を意味する前置詞は、英語だと“in”ですね
でもウェールズ語は2つあるんやで!

 

「~の中に」を示す対象


「限定」の時→yn(アン)
「非限定」の時→mewn(メウン)


 

更に言うと、yn(アン)は他にも用法がたくさんあるからややこしいゾ~

ウェールズ語講座その10~ynの用法まとめ

例えば「喫茶店」を意味する caffe(カフェ)で例文を紹介するゾ~


・yn y caffe
(その)喫茶店の中で~(限定)

・mewn caffe
(ある)喫茶店の中で~(非限定)


冠詞 y(ア)が付く場合は、mewn(メウン)は使わないゾ~

限定と非限定を使い分けて

ハッピーなウェールズ語ライフを送ろう(提案

ウェールズ語は、単語で定性(ていせい)の区別をする。
冠詞y(ア)が付いた場合、その名詞は限定と分かる

まぁ、所有代名詞が付いた名詞とか固有名詞y(ア)が無くても限定扱いなんですが、それは・・・

 

で、ある名詞が限定か、非限定か?で使い分ける単語がある。


・存在の疑問文 Ydy(アディ)とOes(オエス)

・「~の中に」を意味する前置詞 yn(アン)とmewn(メウン)


 

英語には無いけど、ウェールズ語はこういう単語の使い分けがあるZE☆
…という事だけでも覚えておくと、外国語の視野が広がるってそれ一番言われてるから

ウェールズ語学習者向けの例文

限定非限定の違いを意識して、以下の例文を読もう(提案
(ウェールズ語を知らない一般人はたぶん理解でき)ないです

存在の疑問文


Ydy’r merched yn y gegin?
その女の子たちは、台所にいますか?(限定)

Oes ysgol ar y stryd ‘ma?
この通り沿いに学校がありますか?(非限定)

Oes llaeth (gy)’da chi?
アナタは、牛乳がありますか?(非限定)


最後の例文「アナタは~を持っていますか?」
と言う風に、人に対して所有しているかどうか質問する時もOes(オエス)を使う

ある物を所有しているかどうか尋ねる場合、「非限定」扱いになる
言葉で説明すると、なんだか難しくなる)

ウェールズ語講座その17~所有表現「~を持っています」

北部方言で、所有を尋ねる場合の表現


Oes gennych chi frawd?
アナタは、兄弟が居ますか?(非限定)


frawd(兄弟)よりもgennych chi(英語だと“by you”)が先に来ている。
この場合でも、「限定」のYdyを使ってはいけない(戒め

×Ydy gennych chi frawd?

「~の中に」を意味する前置詞の区別


Oedd Dafydd a Yoshimi yn y caffe?
ダヴィズとヨシミは、喫茶店に居ましたか?(限定)

Roeddwn i’n gweithio mewn banc y llynedd
私は去年、(ある)銀行で働いていた(非限定)

Bydda i’n mynd i’r dre mewn bws
私は、バスで町へ行く予定です(非限定)


最後の例文にある「バスに乗って~」と言う風に、乗り物で移動する場合
「バス」のような乗り物は「非限定」扱いになる。

 

「非限定」扱いとなるmewn(メウン)は、以下のように「~の中に」の対象が無い場合にも使う。


Dewch i mewn, bawb!
(アナタたちは)中に入れ!、皆さん(非限定)


英訳だと
come in, everybody!

「come in …」のように、“in”の後に場所を表す単語が無いよね?

こーゆー場合、ウェールズ語では「非限定」と見なして mewn(メウン)を使う
「限定」のyn(アン)を使ってはいけない(戒め


〇Dewch i mewn!
×Dewch i yn!


 

他の文法もあるゾ~

「~の中に」を意味する前置詞の後に、別の前置詞が来るときもmewn(メウン)を使う


Euthum i mewn i‘r tŷ
私は、その家に入った(非限定)


mewnの後に来ている i(イ)は「~へ」を意味する前置詞
こういう場合も、「限定」yn(アン)を使ってはいけない(戒め
×Euthum i yn i’r tŷ