「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の「心が」はどう翻訳すべきか?

こころぴょんぴょんにおける「心が」の翻訳で悩んでいる兄貴へ。

名詞と代名詞を翻訳する考え方を言語学的に紹介します!

なお、筆者は言語学者ではないもよう。





そもそもこころぴょんぴょんとは?

以下記事を読んで、どうぞ。

色々な言語で翻訳された「こころぴょんぴょん」を解読してみた

こころぴょんぴょんにおける「心が」とは何か?

「心」は「自分の気持ち」と解釈できる。

「心」だけで訳するよりも「私の心」で訳したほうが確実だと思います。

「私の心」はどのように翻訳すればいいの?

結論から言うと、

単語を2つに分ける

「私の心」→「私の」+「心」へ分ける

ただし、1つの単語で「私の」+「心」を表す言語もある。

「こころぴょんぴょん」のフィンランド語訳を分析してみた

その場合は分けなくていい。

「私の」と「心」を文法的に合わせる

「私の」と「心」の2つの単語の姿を以下5つに合わせて変化させる。


性(せい)=「言語による」
数(すう)=「単数」
人称(にんしょう)=「三人称」
格(かく)=「主格」と「所有格」
定性(ていせい)=「定(てい)」


名詞を翻訳する時に考えるべき5つの事

名詞を言語学的に見ると、


性・数・人称・格・定性


の5つがある。

それぞれの内容を紹介する。

性(せい)=「言語による」

普通の人が考える「性」は男性と女性の区別。

だけど、言語学における性(せい)は生き物の男女だけで区別しない。

生物でないモノ(本など)も、性(せい)で区別する。

日本語の場合は性(せい)が無い。

だけど、ヨーロッパ言語では性(せい)があります!

どんな性(せい)があるかは言語によって決まっている。


男性(だんせい)
女性(じょせい)


だったり


男性(だんせい)
女性(じょせい)
中性(ちゅうせい)


だったり


男性(だんせい)
中性(ちゅうせい)


等々・・・

更に、「心」という単語の性(せい)は言語によって違います。

さらに!

「私の」に相当する単語の性を、「心」の性と合わせる必要があります!

うっわぁ~面倒くせぇ~




数(すう)=「単数」

言語学における数(すう)は、数学の数(かず)と異なる。

英語でたとえると、1個なら単数、2個以上なら複数


単数(たんすう)=1個
複数(ふくすう)=2個以上


「心が」は自分自身の1個だけ。

なので単数になる。

「私の」は「私」自身の一人だけ。

なので単数になる。

人称(にんしょう)=「三人称」

人称(にんしょう)とは、「動作する人の立場」を表す。


一人称=私
二人称=君
三人称=それ以外


「心が」の持ち主である「私」は「一人称」になります。

格(かく)=「主格」と「所有格」

格(かく)を簡単に言うと、単語自身が伝えたい「事」

例えば、「本」という単語。

「本」に「が」を付けると、「本」が主語の意味を持つ。

「本」に「の」を付けると、「本の~」
「本」が誰かの所有や性質を表現している。
(例:本の人)

「本」に「を」を付けると、「本を~する」
「本」をどうするのか?という意味になる。

まとめると・・・


主格(しゅかく)   =「本が」
所有格(しょゆうかく)=「本を」
目的格(もくてきかく)=「本を」


「心が」は「心」に「が」が付いている。

よって「心」は主格(しゅかく)となる。

 

一方、「私の」は「私」に「の」が付いている。

よって「私」は所有格(しょゆうかく)になる。

 

まとめると・・・

「私の(所有格)」+「心が(主格)」

 

の組み合わせになる。

定性(ていせい)=「定(てい)」

定性(ていせい)とは、ある単語が


「ハッキリしている」(英語のthe)
「あいまい」(英語のa)


のどちらかを区別するモノ。

定性(ていせい)は2つに分類できる。


定(てい)  =「ハッキリしている」
不定(ふてい)=「あいまい」


こころぴょんぴょんにおける「私の心が」は「私の」モノだとはっきりしている。

なので定(てい)になる。

実際に性・数・人称・格・定性を合わせてみよう!

言葉で説明しても分からんと思うので、練習問題をやってみよう!

問題文

「私の心が」をラテン語で「cor(コル) meum(メウム)」になる理由を説明して♡

「こころぴょんぴょん」のラテン語訳を分析してみた

回答例

まず、「私の心が」を「私の」と「心が」に分ける。

「心が」の性・数・人称・格・定性は


性=
数=単数
人称=ここでは考えない
格=主格
定性=定


ラテン語 cor

まず、性は「n」なので「中性」だと分かる。

(m=男性,f=女性,n=中性

 

単数
主格なので・・・

「心が」のラテン語はcorであることが分かる。

 

次に「私の」へイクゾー!

 

「私の」の性・数・人称・格・定性は


性=中性(corが中性なので)
数=単数
人称=一人称
格=所有格
定性=定


 

まず、「私の」の

格=所有格
人称=一人称

よって、英語のmyに相当する所有代名詞の変化表を探せばよい。

 

ラテン語 meus

見つけたのがコレ。

上に

1.(possessive) my

って書いているじゃろ?

possessive=所有の事だよ!

 

次に、表の中から適切な「私の」のラテン語を選ぶわけだが・・・

数・性・格は先ほどのcor(心が)に合わせる必要がある!


数=単数
性=中性
格=主格


まず、数(すう)単数(Singular)なので・・・

複数(Plural)を消す。

 

次に、中性(Neuter)なので・・・

男性(Masculine)と女性(Feminine)を消す。

 

最後に主格(Nominative)なので・・・

Nominative以外を全部消す。

残った「meum」「私の」になる。

したがって「私の心」「cor meum」と訳することができる。

 

Q.E.D.(証明終了)

Q.E.D.はラテン語「Quod Erat Demonstrandum」の略

回答の補足

ラテン語には定性(ていせい)の区別が無い。

定冠詞も不定冠詞もない。

 

なので、theに相当する定(てい)は無視した。

 

※ハンガリー語は定性(ていせい)も考慮する必要がある。

「こころぴょんぴょん」をハンガリー語に翻訳してみた

更に、中国語みたいに性・数・人称・格が無い言語の場合は・・・

「こころぴょんぴょん」の中国語訳(簡体)を分析してみた

単純に「我的心(wǒ de xīn)」と漢字を並べればOK

「心が」の翻訳方法 まとめ

まず、「私の」「心」に分ける。

 

次に、ネットで名詞の変化表を探す。

表が見つかったら、以下の5つの条件に合う単語まで絞り込む。


性(せい)=「言語による」
数(すう)=「単数」
人称(にんしょう)=「三人称」
格(かく)=「主格」と「所有格」
定性(ていせい)=「定(てい)」


あまりにもマイナーすぎる言語で名詞の変化表が見つからない場合は・・・

翻訳したい言語を勉強して、自分で単語の形を導く。

 

これをやれば、誰でも

あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~

の「心が」を翻訳できるぞ!

さあ、アナタもこころぴょんぴょんを翻訳してみよう!
(提案)

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