「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のポーランド語訳を修正してみた

ポーランド語を勉強していくうちに、

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のポーランド語訳が変だなぁ~?と感じてきた。

じゃあ、私がポーランド語訳を修正しようか。





「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?

色々な言語で翻訳された「こころぴょんぴょん」を解読してみた

そもそもポーランド語って何?

以下を読んで、どうぞ。

「こころぴょんぴょん」のポーランド語訳を分析してみた

ちなみに、修正前のポーランド語訳が以下。


Ach ^~ umysł dostał się skacze Ja~^~
アハ^~ ウミュシゥ ドスタゥ シェ スカチェ ヤ~


ニコニコ大百科にあったポーランド語をそのままコピペしただけ。

なぜ、ニコニコ大百科のポーランド語訳が変だと感じるのか?

言葉の間違いを指摘するのは難しい

外国語の文に対して「これの言い方は変だ!」と指摘するのは難しい。

更に「変だな?」と感じる理由を文法的に説明しようとすると、もっと難しくなる。

 

しかし、ポーランド語学習者の私は以下のポーランド語が変だと感じる。


Ach ^~ umysł dostał się skacze Ja~^~
アハ^~ ウミュシゥ ドスタゥ シェ スカチェ ヤ~


「心」を表すなら「umysł」→「serce」

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」
における「心」は何なのか、言語的に説明すると難しい・・・

 

まず、「心ぴょんぴょん」の元ネタとなった歌詞の最初だけ読んでみる。


こころぴょんぴょん待ち?

考えるふりして もうちょっと近づいちゃえ

簡単には教えないっ

こんなに好きなことは内緒なの

・・・(続く)・・・


Daydream café Petit Rabbit’s

 

上記の日本語から、

歌のリズムに合わせて「こころ」が「ぴょんぴょん」しているニュアンスを感じる。

「こころ」は「ハート(💛)」という図形を表しているのではないか?

 

ここでポーランド語の話に戻る。

「心」として訳している「umysł(ウミュシゥ)」は、どちらかと言うと「考え」に近い
google画像検索した結果が以下になる。

 

「ハート(💛)」としての「心」を表すなら「serce(セルツェ)」の方が適切ではないか?

 

実際、ポーランド語で感謝の気持ちを述べる時も「serce(セルツェ)」を使いますしね。

「dostał się skacze Ja(ジャンプを得る)」の文自体が変

「dostał się skacze」を直訳すると「ジャンプを得る」

試しにgoogle画像検索してみたけど、スキージャンプの画像が出てくるんですが・・・

 

やっぱり「dostał się skacze Ja」は変な文だってはっきりわかんだね。




ポーランド語訳をどうやって修正するか?

最初の部分だけ修正してみた

修正前


Ach ^~ umysł dostał się skacze Ja~^~
アハ^~ ウミュシゥ ドスタゥ シェ スカチェ ヤ~


修正後(最初の部分だけ)


Ach ^~ serce dostał się skacze Ja~^~
アハ^~ セルツェ ドスタゥ シェ スカチェ ヤ~


「あぁ^~」に相当する「Ach」は修正不要

念のためにネットにあるポーランド語-ポーランド語辞書で調べてみた。

wiktionary ポーランド語版 ach

 

ポーランド語「Ach(アハ)」をポーランド語で以下のように説明している。


służący wyrażaniu stanów uczuciowych, takich jak m.in.: zachwyt, zaskoczenie, przestrach, irytacja, podziw, zdziwienie, pragnienie

特に感心状態の表現、
例えば感心、驚き、恐怖、苛立ち、感嘆、驚き、のどの渇き


 

心ぴょんぴょんにおける「あぁ^~」は「感嘆」に近い。

なので「Ach」のままでいいんじゃないかな?
(適当)

「ぴょんぴょんするんじゃぁ^~」は仮定法で訳する

昔の私は、「ぴょんぴょんする」を「直説法」で訳すべきだと思ってた。

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の[ぴょんぴょん]はどう翻訳すべきか?

 

ちなみに「直説法」とは「ありのままの事実を伝える方法」

分かりやすく言うなら、JOJO3部に出てくるポルナレフの有名なセリフ

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」

ポルナレフの名言5選

要するに動詞を「普通の形」で使うモンだと思ってくれ。

 

言語学上で「ことば」を分類する時、「普通」という用語が使えない。
だから、わざわざ「直説法」と難しく定義しているだけ。

 

んで、

昔の私は「ぴょんぴょんする」を普通の動詞で訳すればいいんじゃないかな?
(適当)

だと思っていた。

 

でもね、

「~するんじゃぁ^~」

の部分が仮定法(=接続法)になってない?
と思うようになってきた。

 

「ぴょんぴょんするんじゃぁ^~」

をお堅い日本語で言い表すと

「ぴょんぴょんするのですが」

とも解釈できる。

 

「~するのですが」は「ありのままの事実」ではない。

「自分が感じた事」を説明しているだけ。
実際に「ぴょんぴょん」しているわけじゃない。

 

自分は「ぴょんぴょん」していない。

だけど「ぴょんぴょんしている、と感じる」と言っている。

 

言語学上では仮定法(=接続法)と見なすことができる。

たかが「ぴょんぴょん」だけで、こんなに語れるのか・・・

ポーランド語における仮定法の表し方

ポーランド語の動詞を仮定法(=接続法)にする方法はカンタン!

 

動詞の過去形 + 「by」

 

ただし、誤解しないで欲しい。

 

ロシア語の場合は「動詞の過去形」「by」のように単語を並べる

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のロシア語訳を分析してみた

一方、ポーランド語は「動詞の過去形」と「by」くっつける
動詞のお尻に「by」をくっつけて仮定法を表すんです。

(ロシア語と同様、動詞と「by」を切り分けて並べることもあるが・・)

で、「ぴょんぴょんする」の動詞は何?

英語で言う「jump」をポーランド語に訳したものを使う。
それが

skakać(スカカチ)

 

「skakać」は未完了体動詞に分類される。
よって「skakać」=「ジャンプしている」

今は「ジャンプしている」と言う状態を表している。
よって、「ぴょんぴょんする」に近い意味になる。

 

参考までに完了体動詞は「skoczyć(スコチュチ)」
「skoczyć」=「ジャンプしてしまった」

「skoczyć」だと、ジャンプする動作がすでに終わっている。
ジャンプは1回しかやっていない。

だから「ぴょんぴょんする」からは、ちょっとだけ離れた意味になるんじゃないかな?
(適当)

実際に動詞「skakać」を仮定法にしてみる

ヨーロッパ言語の場合、動詞の形は主語によって左右される。

 

更に、ポーランド語の仮定法は主語の「性」にも左右される。

ポーランド語における文法上の「性」男性・女性・中性の3つがあるヨ

 

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」における主語は「serce(心)」

修正後(最初の部分だけ)


Ach ^~ serce dostał się skacze Ja~^~
アハ^~ セルツェ ドスタゥ シェ スカチェ ヤ~


「serce(心)」は、最後の文字が「e」で終わっている。
よって、「serce」は中性名詞だと分かる。

 

また、「serce(心)」は「単数」
(「心」が一個だけなので)

 

更に、「serce(心)」は「私」「あなた」以外なので「三人称」

 

すなわち、動詞の形を「中性・単数・三人称」にすればよい。

 

まず、「skakać(ジャンプしている)」を「過去形」「中性・単数・三人称」にすると

skakało(スカカウォ)

これで「ジャンプしていた」という意味を表せる。

 

でも、これだとまだ「直説法・過去形」の形。
過去に「ジャンプしていた」という事実を伝えているだけ。

仮定法になっていないぞ!

 

なので「skakało」仮定法にしま~す。

 

今回は分かりやすいように「動詞の過去形」と「by」をくっつけます。
すなわち、

skakałoby(スカカウォビュ)

になる。
これが「仮定法」の形だぞ!

skakałobyは(ジャンプしているのですが)という意味になる。

動詞を仮定法にする時の注意点

動詞を「仮定法」にすると「時制」の概念が消える。

つまり、「過去」という「時制」が消滅する。

 

「skakałoby」「仮定法・過去」じゃないよ!
時制が不明な「仮定法」だと思ってくれ。

 

それがポーランド語文法のルールなんで、文句言わないで♡

「ぴょんぴょん」の部分を修正したポーランド語訳

修正後(最初の部分だけ)


Ach ^~ serce dostał się skacze Ja~^~
アハ^~ セルツェ ドスタゥ シェ スカチェ ヤ~


の「serce(心)」以降をskakałoby(ジャンプしているのですが)に置き換えると・・・

 

修正後(動詞を埋めた後)


Ach^~ serce skakałoby^~
アハ^~ セルツェ スカカウォビュ^~


 

上記のポーランド語訳を直訳すると

「アハ^~心がジャンプしているのですが」

 

動詞は仮定法なので、時制が不明。
よって

「アハ^~心がジャンプしていたのですが」

と言う風に「過去形」として解釈することも可能。

 

仮定法の動詞「skakałoby」現在形か?過去形か?
は文脈で判断する。

「心」の持ち主が不明

・・・うーん、なんか足りない気がする・・・

実際、以下の文だと・・・


Ach^~ serce skakałoby^~
アハ^~ セルツェ スカカウォビュ^~


ここで使われている「serce(心)」は、「ある一人の心が~」のニュアンスがある。

 

日本語で言うなら
「アハ^~ある一人の心がジャンプしているのですが」

 

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」

が指す「心」は誰のモノなのか?

 

ここで、一度歌詞に戻る。


こころぴょんぴょん待ち?

考えるふりして もうちょっと近づいちゃえ

簡単には教えないっ

こんなに好きなことは内緒なの

・・・(続く)・・・


 

上記の「こころ」の所有者が誰なのか判断が難しい・・・


「私の」かもしれない

「君の」かもしれない

「ある一人の」かもしれない

「人々の」かもしれない


日本語は主語を省略しまくる言語。
だから主語が何なのかハッキリしない!

 

私としては「君のこころ」のように感じる。
直感だけど。

 

一応、ニコニコ大百科の英語では

my heart~(私の心が~)」

と翻訳している。

 

だからポーランド語も英語に合わせて「私のこころ」と解釈していいんじゃないかな?
(適当)

 

なんだか(適当)が多すぎるやん!

というツッコミが来そうなのだが・・・

そもそも「ことば」は「あいまい」な概念。

言語学は、その「あいまい」な概念をできる限り「具体的」にする学問
だから、どうしても「あいまい」な部分が残っちゃうんですよ!

「私の」をポーランド語に訳すると?

「serce(心)」の所有者が「私」の場合、

ポーランド文法では所有代名詞「私の(mój)」が使える。
※mójは「ムイ」と読むよ!

 

参考までに・・・

「私(ja)」の生格(~の)の形「私の(mnie)」は使えない。
所有代名詞「mój(私の)」と生格「mnie(私の)」は、全く別だぞ!

 

んで、「mój(私の)」を使えばいい事が分かった。

でも、「mój(私の)」は単数・男性の形。
一方、主語となる「serce(心)」は単数・中性

よって、「mój(私の)」は単数・中性の形「moje(私の)」へ変える必要がある。
※mojeは「モィェ」と読む

 

「mój」も「moje」も、どちらも「私の」の意味がある。
だけど、ポーランド語では「私の」でも色々な区別があるんですよ。

という訳で、「私の心」をポーランド語で言うと

moje serce
モィェ セルツェ

google画像検索してみたが、「moje serce」は自然らしい。

ポーランド語訳を修正した結果

修正後(動詞を埋めた後)


Ach^~ serce skakałoby^~
アハ^~ セルツェ スカカウォビュ^~


 

「moje」を追加する。

修正後(最終)


Ach^~ moje serce skakałoby^~
アハ^~ モィェ セルツェ スカカウォビュ^~


まだ修正の余地があるぞ!

試しに

moje serce skakałoby
モィェ セルツェ スカカウォビュ^~

 

をgoogle検索して見ると、

もしかして: moje serce skakaliby

と聞かれる。

 

「moje serce skakaliby」を説明するのが面倒なのだが・・
簡単に言うと、「主語が入れ替わっている!」

 

従来の
moje serce skakałoby

の主語は「moje serce(私の心)」

 

一方、google先生の
moje serce skakaliby

の主語が「ある男性の人たち」
目的語が「moje serce(私の心を)」

 

一見、「moje serce」の形が変わっていないように見えるが・・・
ポーランド語文法上では別の形になっているぞ!

 

「moje serce(私の心)」なら単数・主格

「moje serce(私の心を)」だと単数・対格

 

同じ形なのに、別の意味になってしまう・・・
これがポーランド語の難しい所なんですよ!

(これはポーランド語に限らず、ロシア語等の言語でも同じ)

 

google先生からは、以下のよう修正したほうが良いとコメントしています。


主語は「moje serce(私の心)」→「ja(私)」みたいな形にする

新たに目的語「moje serce(私の心を)」を追加する


google先生のコメントを元に修正

「ぴょんぴょんするのですが」の主語は誰?

また歌詞に戻る。


こころぴょんぴょん待ち?

考えるふりして もうちょっと近づいちゃえ

簡単には教えないっ

こんなに好きなことは内緒なの

・・・(続く)・・・


ここで言う「こころぴょんぴょん待ち?」の主語を改めて考える。

主語が

「私」「君」「彼」「私たち」「あなたたち」「彼ら」

の6つのどれか?
を選ぶとしたら、どうする?

 

ここで、発想を変えて、ポーランド語文法「無主語文」を思い出してみる。

 

「無主語文」とは、主語の無い文。

例えば「私は暑いです」をポーランド語で書く場合・・・

主語が「私」ではなく「ある現象が」へ入れ替わる。
「私(ja)」は「私に(mi)」の形に変わる。

 

上記のような無主語文を作る場合、主語は「単数・三人称」の形になる。

 

動作主を「男」と考えた場合、主語は「彼」になる。

もし「女」なら、主語は「彼女」になる。

私にとっての「彼女」は三人称・単数・女性形
でも、現実世界の「彼女」なんて居ない!

 

参考までに「一般に人が~」を表したい場合、主語は「複数・三人称」になる。

google先生は、主語が「一般に人(男だけ)が~」と判断してますね!

主語を「彼」と考えて修正

修正前 (主語は「私の心」)


Ach^~ moje serce skakałoby^~
アハ^~ モィェ セルツェ スカカウォビュ^~


 

修正後 (主語は「彼」 / 目的語は「私の心」)


Ach^~ moje serce skakałby^~
アハ^~ モィェ セルツェ スカカウビュ^~


動詞の部分だけ解説する。

 

修正前の「skakałoby」は仮定法・中性・単数・三人称

修正後の「skakałby」は仮定法・男性・単数・三人称

 

「ジャンプするのですが」の動作主は「男」と考えた。
もし「女」なら「skakałaby」になるヨ!

 

修正後のポーランド語を直訳すると

アハ^~(ある男が)私の心をジャンプしている状態にしているのですが^~

 

「moje serce skakałby」でgoogle画像検索すると以下になる。

 

変なポーランド語で画像検索すると、何故か本を開いたページが出てくる。

 

そう考えると、自然なポーランド語に近づいてきたんじゃないかな?
(適当)

最終的なポーランド語訳


Ach^~ moje serce skakałby^~
アハ^~ モィェ セルツェ スカカウビュ^~


 

上記ポーランド語の日本語が以下

アハ^~(ある男が)私の心をジャンプしている状態にしているのですが^~

アハ^~私の心がジャンプしているのですが^~

アハ^~私の心がぴょんぴょんするのですが^~

あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~

 

「心」を主語ではなく目的語「心を」としてポーランド語へ翻訳した。

やっぱり翻訳は疲れる・・・