「プリンセス・オブ・ウェールズ」のウェールズ語を文法的に説明してみた

イギリスの公妃は「プリンセス・オブ・ウェールズ」という称号を与えられている。
(英語だと「Princess of Wales」)

その原訳であるウェールズ語が「Tywysoges Cymru(タウィソゲス カムリ)」
これを文法的に解説する。




そもそもプリンセス・オブ・ウェールズって何?

「プリンス・オブ・ウェールズ」は知ってる?

アナタは

プリンス・オブ・ウェールズ

という言葉を聞いたことがあるかな?
(英語だと「Prince of Wales」

 

最近は、アズールレーンと言うゲームの影響で
「プリンス・オブ・ウェールズ」の言葉がちょっと有名になった(と思う)

プリンス・オブ・ウェールズ – アズールレーン(アズレン)攻略 Wiki

アズールレーンの影響で「プリンス・オブ・ウェールズ」の言葉を覚えたのは内緒

 

イギリスの王子様に与えられる称号が「プリンス・オブ・ウェールズ」です。

イギリスの公妃に与えられる称号

「プリンス・オブ・ウェールズ」の女性版が「プリンセス・オブ・ウェールズ

 

イギリスの公妃に与えられる称号です。
※公妃=王子様の女性バージョン

ウェールズとかウェールズ語って何?

ウェールズはイギリスの国の1つ

ウェールズはイギリス本土の隅っこにある小さな「国」
(日本の四国くらいの面積)

 

詳しく説明すると長くなるので、以下を読んで、どうぞ。

ポケモン剣盾の女主人公の着せ替えをウェールズ風にしてみた

ウェールズで話される言語がウェールズ語

ウェールズ語は以下のような言語。

「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のウェールズ語訳を修正してみた

 

ちなみに、ウェールズ語と英語はかなり違う言語

同じイギリス内の言語だけど、ウェールズ語と英語で意思疎通はほぼ不可能。
(ロンドンから200kmしか離れていないのに・・・)

 

日本で言うと・・・
四国地方の方言と標準語を混ぜて会話すると全然通じないイメージ。




「プリンセス・オブ・ウェールズ」のウェールズ語訳

Tywysoges Cymru


Tywysoges Cymru
タウィソゲス カムリ
プリンセス・オブ・ウェールズ


Tywysoges=プリンセス、公妃
Cymru=ウェールズ

参考までに…

男性版「プリンス・オブ・ウェールズ」のウェールズ語訳は以下


Tywysog Cymru
タウィソグ カムリ
プリンス・オブ・ウェールズ


Tywysog=プリンス、王子
Cymru=ウェールズ

ついでに「星の王子様」をウェールズ語で言うと?

以下になる。


Y Tywysog Bach
ア タウィソグ バハ
小さな王子様


Y=その(英語のtheに相当)
Tywysog=プリンス、王子
Bach=小さい

Y Tywysog Bach. Cymraeg: Le Petit Prince … – Amazon

「Tywysoges Cymru」を文法的に説明してみた

たった2つの単語だけど・・・

きちんとしたウェールズ語になっているよ!

ウェールズ語の発音

以下画像の女の子が「プリンセス・オブ・ウェールズ」だと思って下さい。

ちなみに、上の女の子はポケモン剣盾の女主人公(かわいい!)

 

以下ウェールズ語の発音を説明する。


Tywysoges Cymru
タウィソゲス カムリ


 

ウェールズ語の発音は、お隣の英語やアイルランド語よりもシンプル。

「こころぴょんぴょん」のアイルランド語を分析してみた

ちょっと難しいのが「y」の発音。


Tywysoges Cymru
タウィソゲス ムリ


 

「y」「ア」「イ」の2通りの読み方がある。

発音の区別を簡単に説明すると以下になる。


最後の音節に「y」がある場合→「イ」

それ以外の音節に「y」がある場合→「ア」


 

ただし「wy」のようなスペルの場合・・・
「二重母音」と見なして、常に「wy」=「ウィ」と読む。

 

あと、気を付けるべき発音が「u」=「イ」


Tywysoges Cymru
タウィソゲス カム


「u」=「ウ」ではないので注意!

 

ちなみに、「ウ」の母音をウェールズ語で表記すると「w」になる。

ウェールズ語の文法

ウェールズ語で「~の…」を表す場合、日本語とは逆の語順になる。

「~の…」=「…」+「~」

 


Tywysoges Cymru
タウィソゲス カムリ
プリンセス+ウェールズの


Tywysoges=プリンセス、公妃
Cymru=ウェールズ

 

「の」に相当する英単語として「of」がある。


Princess of Wales
プリンセス・オブ・ウェールズ
プリンセス++ウェールズ


 

一方、ウェールズ語には「の」に相当する単語が無い!
なので、語順だけで「~の…」を表す必要がある。

このせいで「~の~の~の…」のウェールズ語が読みにくかったりする

ウェールズ語における「性」の区別

英語だと、以下のような感じで「性」を区別する


actor=男の俳優
actress=女の俳優、女優


 

そういう習慣がウェールズ語にもある。

その1つとして、男性名詞のお尻に「-es」を付けて女性を表すパターンがある。
(英語で言うなら「-ess」で女性である事を示すような感じ)

 

「Tywysog(タウィソグ)」「プリンス、王子」
性別が「男性」の人物を表す。

 

この単語のお尻に「-esを付けて

「Tywysoges(タウィソゲス)」

にすると「プリンセス、公妃」
性別が「男性」→「女性」へと切り替わる。

 

ウェールズ語と英語は、一見全然違う言語のように見えるが・・・
比較言語学の立場で見ると、同じ「インド=ヨーロッパ語族」に分類される。

そういえば、ある単語の女性形を表す語尾が
英語とウェールズ語で似ているね。


英語    :~ess(エス)
ウェールズ語:~es (エス)


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