ニコニコ大百科にある「こころぴょんぴょん」の記事を見ると世界中の全言語に翻訳されている。
古典ギリシャ語のせいで影が薄い現代ギリシャ語にも訳されている。
その現代ギリシャ語はどうやって翻訳したのかを分析してみた。
目次
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」とは?
そもそも現代ギリシャ語って何?
古典ギリシャ語と現代ギリシャ語は別物です
まず、これだけはハッキリ言っておく。
現代ギリシャ語は古典ギリシャ語とは全く別の言語です!
語学の素人が
と思ってamazonで古典ギリシャ語の本を買ってしまう。
そして、勉強を開始して1時間後に
と気づく。
5年前の私です。
アナタが学びたい言語が「今」のギリシャ語であれば「現代ギリシャ語」で検索する必要がある。
「ギリシャ語」で検索すると、「古典ギリシャ語」の方が多くヒットするので注意!
現代ギリシャ語はどこで話されるの?
現代ギリシャ語は、ギリシャ・・・
だけではなく、ギリシャの周りの国でも話される。
トルコの南にある島国「キプロス」でもギリシャ語が公用語になっているぞ!
είναι κινέζικα
アナタは
It’s all Greek to me!
という英文を聞いたことがありますか?
直訳すると「それはギリシャ語だ!」
言い換えると「ちんぷんかんぷん」「なるほど、さっぱりわからん」
っていう意味になります。
英語圏の人々は「ギリシャ語は難しい言語だ!」と言うイメージを持っている。
だけど、それはギリシャ人でも同じだぞ!
現代ギリシャ語には
είναι κινέζικα
イネ キネジカ
という格言がある。
直訳すると「それは中国語(キネジカ)だ!」
ギリシャ人にとって中国語は訳の分からん言語だ!
というイメージを持っている。
というのは、英語圏の人でも、ギリシャ人でも同じ。
お互い様ですね~
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」の現代ギリシャ語訳
α^~η καρδιά μου θα χοροπηδει^~
ア~ イ カルディアー ム サ ホロピディ~
何度も言っているが、現代ギリシャ語は古典ギリシャ語と違う言語です!
日本で言えば、今の日本語と古文みたいなモノだぞ!
参考までに、古典ギリシャ語だと以下のように訳されている。
ἆ^~ἐμή ψυχή θρώσκει^~
ア~ エメー プシューケー スロースケイ~
現代ギリシャ語の発音方法
発音は古典ギリシャ語よりも現代ギリシャ語の方が面倒くさい。
古典ギリシャ語は、ほぼ文字通りに読んでいたんだけど・・・
今のギリシャ語は何か色々あって文字通りに読まなくなったらしい。
ギリシャ文字の読み方
現代ギリシャ語では、数学や物理で使うギリシャ文字を使う。
だけど、基本的に
ギリシャ文字→英語アルファベット
に置き換えて読めばOK
例えば物理の係数に使われる「α(アルファ)」と言う文字なら・・・
「アルファ(alpha)」の頭文字を取って「a」と発音します。
ただし、間違えやすい文字や文字通りに読まない文字がある。
そういう文字だけに絞って紹介してイクゾー!
「η」=「イ」
「η」は「エータ」という文字の名前
古典ギリシャ語では「η」=「エー」って読んでいた。
だけど、現代ギリシャ語では何故か「イ」と読む。
η=イ
なぜ「エ」→「イ」の読み方に変わったのか知りたい方はギリシャ語学科に行って、どうぞ。
「ρ」=「ラ」
「ρ」は英語の「p」につられて「パ」と発音しないように!
現代ギリシャ語の「ρ」は「ロー」という名前の文字です。
なので、「r」つまり「ラ行」の発音になります。
καρδιά=カルディアー
ロシア語をやっている人なら余裕だな!
「δ」=「ズ」
現代ギリシャ語の「δ」は英語のthisの「th」に相当する音。
アイスランド語の「ð」に相当する。
καρδιά=カルディアー
ちなみに古典ギリシャ語の「δ」は「d(ディ)」として発音する。
「ά」=「アー」
「α」の上にアクセント記号が付くと「アー」と長く読む。
καρδιά=カルディアー
「ου」=「ウ」
2文字「ου」で「ウ」の母音を表す。
「オウ」って読まないでね!
μου=ム
古典ギリシャ語では「ου」を「ウー」と伸ばして発音する。
「χ」=「ハ」
ギリシャ文字「χ」の名前は「カイ」
なので古典ギリシャ語では「χ」を「カ(k)」と発音していた。
だけど、何かいろいろあって現代ギリシャ語では「ハ」と読むようになった。
χοροπηδει=ホロピディ
「ει」=「イ」
「ει」は「エイ」ではなく「イ」です。
χοροπηδει=ホロピディ
ちなみに、古典ギリシャ語では「~ει(エイ)」で終わる動詞が良く出てくる。
何度も「~エイ」って言うのが面倒になったから
古典ギリシャ語「~エイ」→現代ギリシャ語「~イ」
に略したんじゃない?
(適当)
現代ギリシャ語を分析するとこうなる
「α」=「アハ~」
α^~η καρδιά μου θα χοροπηδει^~
ア~ イ カルディアー ム サ ホロピディ~
現代ギリシャ語の「α」は英語の「ah」に相当する。
「η」=「その」
α^~η καρδιά μου θα χοροπηδει^~
ア~ イ カルディアー ム サ ホロピディ~
「η」は英語の「the」に相当する。
名詞の性や数によって「the」の形が変わるぞ!
と思ったアナタ!
ギリシャ語の動詞の変化はもっとたくさんありますぜ!
「καρδιά」=「心」
α^~η καρδιά μου θα χοροπηδει^~
ア~ イ カルディアー ム サ ホロピディ~
「καρδιά」は英語のheartに相当する。
他のヨーロッパ言語では「心」の性が「男性」「中性」であることが多い。
だけど、ギリシャ語の場合は珍しく女性名詞になっている。
ギリシャ語は難しい!
と言われているけど、格の数はたったの4個
(ドイツ語と同じ)
格の数がギリシャ語よりも多い言語はたくさんある。
ロシア語は6個
チェコ語は7個
エストニア語は14個
フィンランド語は15個
ハンガリー語は19個
格だけに注目すると、ギリシャ語よりもハンガリー語の方が難しい言語のように見えちゃう。
「μου」=「私の」
α^~η καρδιά μου θα χοροπηδει^~
ア~ イ カルディアー ム サ ホロピディ~
「μου」は英語の「my」に相当する。
言語に詳しい人なら、この表を見ればわかると思うが・・・
名詞が男性・女性・中性のどれでも「μου」のまま!
なお、古典ギリシャ語は性によって形が変わる。
「θα」=「~するだろう」
α^~η καρδιά μου θα χοροπηδει^~
ア~ イ カルディアー ム サ ホロピディ~
「θα」は英語の「will」に相当する。
後に来る動詞を未来形にします。
「χοροπηδει」=「???」
α^~η καρδιά μου θα χοροπηδει^~
ア~ イ カルディアー ム サ ホロピディ~
「χοροπηδει」は「~ει」で終わっているので動詞だと分かる。
だけど、ギリシャ語の動詞を解析するのはものすごい面倒くさい。
おまけに「χοροπηδει」を画像検索すると、何故か「艦これ」ばっかり出てくるんだけど(汗
なので、「χοροπηδει」は誤訳と仮定する。
代わりに「ジャンプする」という意味の動詞
πηδάω(ピダーオ)
を使う。
前に「θα」が来ているので、動詞の形を
継続未来(Continuous future)
にする
「継続未来」における
時制(じせい)は「未来」
相(そう)は「未完了」
よって、直説法・未完了・未来・三人称・単数の動詞を探す。
見つかったのが「θα πηδά」「θα πηδάει」の2つ。
こころぴょんぴょんの現代ギリシャ語を修正すると・・・
α^~η καρδιά μου θα πηδά^~
ア~ イ カルディアー ム サ ピダー~
になるんじゃない?
(適当)
ちなみに現代ギリシャ語の動詞の活用表がコレ
なお、古典ギリシャ語の方が多い模様。
ギリシャ語の動詞の変化がどれだけ面倒かお分かりいただけただろうか?
現代ギリシャ語訳のまとめ
とりあえず誤訳のまままとめる。
α^~η καρδιά μου θα χοροπηδει^~
ア~ イ カルディアー ム サ ホロピディ~
を日本語に直訳すると
アハ~私のその心がジャンプしているだろう
英語の
「My heart will be hopping」
の構文をそのまま現代ギリシャ語へ突っ込んだ感じ。
現代ギリシャ語は(動詞だけに目をつぶれば)簡単な言語だと思ってもらえたらうれしいんじゃぁ~