10個の例文を使って、自分の頭の中のウェールズ語の動きを探ってみた。
あっ、そうだ(唐突)
「ウェールズ語」は長いから「威語(いご)」と略するゾ~
前回の記事
ウェールズ語→「威語(いご)」とする
メジャー言語は、漢字1文字の表記がある
イングリッシュ(English)の場合、略して「英」って書くよね?
逆にイングリッシュ語って言う日本人は見た事無いなぁ~(呆れ
「おっぱいぷるんぷるん」に使われているドイツ語なら「独」
フランス語は、何故か仏様の「仏」を使う。
ロシア語なら「露」
アラビア語は「亜」か「阿」らしい…
スウェーデン語は「瑞語(ずいご)」
ズイ₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾ズイ ずいずい
広東語の「瑞典(Seui6din2)」から来ているらしい
マイナー言語だと、そもそも漢字表記が無い
ウェールズ語にも漢字表記があるかなー?
って思って検索したけど無いゾ~
一応、中国語(繁体字)だと 威爾斯(Wēir sī)って書く。
※威爾士(Wēir shì)の表記もある。
ノルウェー語→諾語(だくご)の例にならって
威爾斯(Wēir sī)の頭文字「威(い)」を取って
ウェールズ語→威語(いご)
としましょうか。
彝語(いご)と勘違いされそうだけど、一般人はどうせ知らないから・・・(震え声
なお、ノルウェー語は中国語(繁体字)で挪威(Nuó wēi)とか、これもうわかんねぇな
日威の作文練習
1つ目:何をしますか?(目的語が必要)
以下を威語に訳して、どうぞ
アナタは、何を質問していますか?(ei)
「何を」の直後には、Bod動詞の肯定形が来る。
現在形・二人称・複数なので、rydych
話し言葉なので、rydychの後に人称代名詞chiを置く。
完了とか「~したい」ではなく、フツーの文(平叙文)なので・・・
人称代名詞chiの後にynを付ける
「何をしますか?」と質問する場合、動詞の前に目的語となる人称代名詞ei(彼)が必要になる
またeiの後は軟音化が生じる
動詞「質問する」はgofyn
軟音化が生じてgofyn→ofynへと変化する (語頭のg-が脱落)
威語で書くと、以下になる
Beth rydych chi’n ei ofyn?
2つ目:付加疑問文
以下を威語に訳して、どうぞ
私は、Caergrawntに居たよね?(bod)(付加疑問)
「~に居たよね?」なので、時制は「状態の過去」と判断する
(点過去の可能もあるが…)
(bod)(付加疑問)と明示されているので、文を2つに分ける。
bod動詞の形は、以下を使う
前の文→肯定形 (Roeddwn i)
後ろの文→疑問形 (oeddwn i)
「~に居る」なので、場所を表すynを使う
場所を表すynの後に来た地名は鼻音化が生じる
鼻音化により、地名は以下のように変化する
yn + Caergrawnt→yng Nghaergrawnt
付加疑問文なので、後ろの文の先頭にondを付ける(又はon’d)
ちなみに書き言葉だと、onidになる
威語で書くと、以下になる
Roeddwn i yng Nghaergrawnt, ond oeddwn i?
3つ目:前置詞の人称変化
以下を威語に訳して、どうぞ
私は、彼女に尋ねました(点過去・Fe) (gofyn i)
(点過去・Fe) (gofyn i)と明示されているので、Bod動詞を使わない屈折構文になる
動詞gofyn(尋ねる)の語幹はgofynn–
主語は「私」なので、点過去の人称語尾は-es
よって
gofynn- + -es →gofynnes
文頭にFeを置く指示があるので、動詞の語頭に軟音化が生じて
Fe ofynnes (語頭のg-が脱落)
あと、動詞の後に主語i(私)を置くのをお忘れなく。
ヒントの (gofyn i)より、動詞gofynは前置詞i(~へ)を取る。
「彼女に」なので、前置詞は i→iddi hi に変化する。
威語で書くと、以下になる
Fe ofynnes i iddi hi
4つ目:Bod構文,点過去
以下を威語に訳して、どうぞ
彼らは先週、久慈さんに会った(点過去・Fe) (bod) (cwrdd â)
(点過去・Fe) (bod) なので、Bod構文を使う
主語は「彼ら」なので、buonになる(※書き言葉だとbuont)
文頭にFeを置く指示があるので、動詞の語頭に軟音化が生じて
Fe fuon nhw
平叙文なので、主語nhwの後にynを置く
この後に来た動詞は、基本形を使う(動詞的名詞の扱いになる)
よって「会う」の動詞+前置詞であるcwrdd âをそのまま置く。
(平叙文のynなので、音変化は生じない)
最後に、時間を表す副詞を置く
「先週」はyr wythnos ddiwetha
「先週」と言う場合、定冠詞yが必要
定冠詞yの後に来た単語の語頭が母音で始まっているのでy→yrになる。
威語で書くと、以下になる
Fe fuon nhw’n cwrdd â Mr Kuji yr wythnos ddiwetha
5つ目:屈折・未来形の疑問文
以下を威語に訳して、どうぞ
アナタは6時に、夕食(cinio)を取りますか?(屈折) (cael)
この場合は、屈折構文の未来形になる
caelの未来形・二人称・複数はcewch
疑問文なので、先頭に置く動詞は軟音化が生じてcewch→gewchになる。
Gewch chi~?(アナタは~を取りますか?)
屈折構文による「動詞+主語」の後に来た単語は軟音化が生じるので
目的語となるcinio(夕食)も音変化する。
cinio→ginio
「6時に~」と時刻を表しているので、am + 数詞(単数形)
amの後の数詞も軟音化が生じるが、今回は子音ch-で始まる数詞なので影響なし
数詞の後の「o’r gloch」は省略することもある。
省略する場合は、chwech(6)と略さずに書く。
「o’r gloch」を付ける場合は「chwe o’r gloch」と、chwechの最後の子音-chを省く
威語で書くと、以下になる(※最後の「o’r gloch」は省略)
Gewch chi ginio am chwech?
6つ目:~し続ける
以下を威語に訳して、どうぞ
彼らは、この手紙を期待し続けていた(過去) (wedi bod yn)(disgwyl am)
(wedi bod yn)なので、「~し続ける」を使ったbod構文と分かる
時制は(過去)なので「状態の過去」(点過去ではない)
Roedden nhw wedi bod yn~(彼らは~し続けていた)
ヒントの(disgwyl am)で「期待する」と分かる
目的語は「この手紙を」なので
y llythyr ‘ma
本来、amの後は軟音化が生じるのだが・・・
amの後は定冠詞yと母音で始まっているので、関係なし
威語で書くと、以下になる
Roedden nhw wedi bod yn disgwyl am y llythyr ‘ma
7つ目:人称代名詞付の目的語
以下を威語に訳して、どうぞ
彼女は、彼女の住所を書きます(未来・Fe)(bod)(cyfeiriad)
(未来・Fe)(bod)なので、屈折構文ではなくbod構文の未来形
主語は「彼女」なので
Fe fydd hi
平叙文なので、平叙文のynを付ける。(短縮形‘n)
Fe fydd hi‘n
この後に動詞の基本形ysgrifennuを置く(動詞的名詞の扱い)
なお、ysgrifennuは、語頭のy-を省いてsgrifennuと書く事もある
目的語が「彼女の住所」なので
ei + 目的語 + hi
「彼女」を意味するeiの後に来た単語は「帯気音化」が生じる
なので、cyfeiriad→chyfeiriad
よって
ei chyfeiriad hi
になる
※「彼」を意味するeiの後に来た単語は「軟音化」する
ei gyfeiriad hi
になる
威語で書くと、以下になる
Fe fydd hi’n ysgrifennu ei chyfeiriad hi
8つ目:完了のwedi
以下を威語に訳して、どうぞ
君は、この本を読み終えましたか?(現在・完了)—いいえ
(現在・完了)なので、bod動詞+wediを使う
「屈折構文」と「完了のwedi」は両立できないからね、しょうがないね。
bod動詞は疑問形になるので
wyt ti(君は~ですか?)
この後にwediを置く(元は平叙のyn)
wediの後に来る動詞は、音変化しない
darllen(読む)をそのまま続けてOK
目的語は「この本を」なので
y llyfr ‘ma
疑問に対する応答は「いいえ」だけ。
ウェールズ語の「いいえ」は、相手の質問の肯定・否定に関係なく
後に来る文は常に「否定文」になる
点過去、状態の過去や完了の質問に対する「いいえ」はNaddoでもOKかもしれないけど・・・
bodの現在形を使って、Nac ydwと答える方法もある
威語で書くと、以下になる
Wyt ti wedi darllen y llyfr ‘ma?— Nac ydw
9つ目:強調構文
以下を威語に訳して、どうぞ
バンゴールは、北部では、一番大きな市です(強調構文)
強調構文を使った「AはBです」の文だゾ~
ここでは、地名「バンゴール」を強調する文。
ウェールズ語のVSO語順に逆らって、主語Bangorを一番最初に置く。
強調構文「AはBです」の現在形の場合、bod動詞はmaeを使わない。
ywを使う事が多い(他の形もある)
×:Bangor mae~
〇:Bangor yw~
「AはBです」のBの部分は、名詞をそのまま置くだけ
この場合だと「北部で一番大きな市」
最上級なので、名詞の前に定冠詞「y」を付ける
dinas(市)は女性名詞なので、定冠詞「y」の後に来ると軟音化する
y + dinas → y ddinas
名詞の後に、最上級をあらわす形容詞 mwyaf を付ける。
dinas(市)が女性名詞なので、形容詞 mwyaf も軟音化する
y ddinas + mwyaf → y ddinas + fwyaf
場所は「(ウェールズ)北部で~」と、特定されているので・・・
場所を示すynを使う
(※不特定の「~で」はmewnを使う)
「AはBです」のAとBの部分をつなげる時も注意!
定冠詞yの前が母音で終わっている場合は「’r」に変化する
yw(~です) + y(定冠詞) → yw‘r
威語で書くと、以下になる
Bangor yw’r ddinas fwyaf yn y Gogledd
10つ目:存在するか質問する
以下を威語に訳して、どうぞ
(書)夏には、この(yma)大学に、学生たちはいますか?
存在するかどうか質問する対象に定冠詞が付かない場合
つまり「不特定」の場合はoesを使う。
※定冠詞が付く場合はmaeを使う
(書)=書き言葉なので、語頭に疑問のマークであるAを付ける
A oes~?([不特定の]~がありますか?)
後は、平叙文のbod構文通りに並べるだけ。
myfyrwyr(学生たち) + yn y coleg yma(この大学に) + yn yr haf(夏に)
書き言葉なので「この~」は「’ma」ではなく「yma」を使うことが多い。
(hwn等も使われる)
威語で書くと、以下になる
A oes myfyrwyr yn y coleg yma yn yr haf?
今回の作文練習まとめ
3行で
まとめると↓
・語順はVSO (SVOでは)ないです
・3種類の音変化に注意(軟・鼻・帯気)
・Bod構文と屈折構文での文の作り方
威語はケルト語派なので
多くのヨーロッパ言語が持っている特徴と大きく異なる点がある。
まぁ、威語もインド・ヨーロッパ語族に属するんですけどね。
語頭の音変化自体は、世界中のどの言語でもある
日本語だって「会社」は「かいしゃ(Kaisya)」って呼ぶけど「株式会社」は「かぶしきがいしゃ(Gaisya)」と音変化するでしょ?
(Kaisya→Gaisya)
でも大抵の言語は、音変化だけで終わり!閉廷(ry
だけど威語は音変化の有無で文の意味が変わる。
例えば7つ目の例文で挙げた「彼」と「彼女」の区別
語頭の音変化を利用して、文法的な機能を果たすのがケルト語派の特徴(だと思っている)
まー、そこらへんは、他のヨーロッパ言語では味わえないんで・・・
威語やアイルランド語、ブルトン語に興味を持っている変わり者語学マニアの兄貴は学んでみて、どうぞ。
「あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~」のブルトン語版が無いから、自分で勉強して翻訳しようかな・・・?(google翻訳は、一応ある)